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「日常の謎」作品特集

Singularity is almost invariably a clue. The more featureless and commonplace a crime is, the more difficult is it to bring it home.
特異性とはまず間違いなく手掛かりになる。犯罪の特徴がなく一般的になるほど、解明するのがより難しくなる。

Arthur Conan Doyle "The Boscombe Valley Mystery"(『ボスコム渓谷の惨劇』)
邦訳文:コンプリート・シャーロック・ホームズ

概要

「日常の謎」作品あれこれ。

動機

読書メーターの「つぶやき」でも以前軽く解説していましたが、諸事情にてブログ相当の規模で書く事情が出来てしまい、本noteを開始してしまいました。

この際、読書メーターの「つぶやき」一つに、文字数ギチギチに書いていた事項を補足事項なども加えて改めて紹介してみようかと思います。

「日常の謎」とは

まず始めに、日常の謎とは何か分からない方は適当に検索してみてください。有志による代表的な用語解説を4つ挙げておきます。

因みにピクシブ百科事典版は初版寄稿者になります。

日常に現れた「謎」を「解く」とは、どういう事なのか。私は、非日常の許容(自身としては、あくまで他人事な門外漢としても)と認識しています。

この点、非日常要素が排他/タブーにもなる純然たる「日常系」とは相反するものと認識しています。

選考基準

あるのか分かりませんが一応の基準に則った列挙である事は明記しておきます。

  • 何処かで「日常の謎」と明記があり、既に「日常の謎」ミステリー作として世に周知されているミステリー(推理)小説。
    作者/出版社一次元自身が、若竹七海/北村薫に遡る「日常の謎」認識であれば尚良。

    • 以下作品自身

      • 帯紹介文

        • 流動的媒体の為検証性低

      • ウラスジ

        • 裏表紙説明文

      • あとがき

      • 解説

      • 本文

        • 登場人物(達)がミステリー事情に通じていて、事件(作品)や一連の流れを「日常の謎」と判断した

      • 作品紹介文

        • 出版社作品紹介

        • 通販一次紹介(事実上の同文)

    • 雑誌評価

    • 書店POP

  • 「日常系」ミステリー、または「日常」系ミステリー作品

    • 定義に基づかないものだけに要検討として

  • 「日常の謎」用語定義に挙げられた作品

    • 当事者一だけに要検討として

  • 読者評

    • 同上

  • その他筆者の琴線に触れた推理小説

    • 同上、選外別枠として

原則一作者一作です。これは、ジャンル作品例という列挙事情に基づくもので、その作者/作品の個別特集ではない事情によります。ただし貢献著しい功労者や、止むを得ない場合等は数作挙げている場合もあります。

出自も相成り、基本、新規発見には消極的、いや受動的ですらありますが、これは、候補一式読破後の決定には、余りに候補が有り過ぎ、筆者の読破・周知時間が足らず、キリがない事情が第一理由だとは申し上げておきます。

注意事項

  • 元々が列挙の補足説明ですので案内は基本ありません。皆様ご自身で手に取り良否を感じてみてください。

  • これはランク付けではなく十人十色を、適材適所配置という事です。お間違えの無いようお願いします。

  • 自己調査・収集作業延長の為、公募はしていません。安直な数至上や交流を目指しているのではないのだとご理解願います(趣味の延長の気楽の中で、個々の約束事厳守の責任取れないというのが何よりもの理由である事も、併せて明記しておきます)。

  • 中身を吟味してこその振り分け内訳の性質上、ネタバレありです。飲食店で顧客相手に正規商品を提供しているのではなく、従業員向けの賄い飯を提供している趣旨とご理解願います。

  • 色々と書いておりますが、総論は、あくまで「読書の一時に感謝」です。この辺りの、しかし白黒評価ははっきりさせる相反する機微は、書店員様や書評家様といった「(人生賭けて)拾えば見つかるが、だからこそ序列が存在しないのではない」を身に染みて承知している職業読書家にもなる方々にはご理解いただけるものと理解しています。

    • 他、全記事に言える事ですが、誤字・脱字があるかもしれません(いや、はっきり言えば、あります)が、平日勤務、土日祝休日一括、も間に合わず、本記事だけでも2024年3月現在時点で約4万字弱(note換算)の中、自分でも全景が分からなくなってきている状況、平日覗いている自由人様方には、とても追いつけません、気にしていては一歩の踏み出しも出来なくなる、という事で、ご容赦願います。

      • そりゃ文レベルでの「文章」粗探しよりも、本文執筆勢いだよな、書き手としては。評論と言う名の一次オリジナル「創作」の妨害するな)。

    • そんな本業片手手間内訳お構いなしに、尚イチイチ拾って喧嘩売るなど、潰しありきの真性ゴロ/賊と相場は決まっている(それこそ「推理」)のも当然ですが「おかしいなぁ~」(by稲川淳二)。何がそこまで庇えさせるのだか。
      唯の荒らし行為でこそ、それこそ世間一般「日常」側とでも言うのだろうか。店焼き討ちの暴徒に、一切の大義は無いのですけどね(そりゃネットを拾えば、そんな「犯罪行為」でこそ賛同の嵐でしょうが)。

    • 個人の感想です。他評を否定しませんが、まず聞きありき、の代行で、私見発信が「相談なしに勝手に決めるな」は、自身分が置き去りのアンフェア認識です。

      • 隠すには、隠すだけの、表に出てこそ叩き潰される、犯罪事にもなる疚しい事情がある「せめて自分が言えよ」な下らない内訳を、まざまざと痛感するばかりです。ね、北村薫親分先生。
        ね? 「死ね」こそ拾って、反社団体組長に反社組員なゴロツキを抱える用意があると、ヒットマンと果てる用意があると…? ん? え? となりましたけどね。

  • 私自身のミステリー遍歴は、推理小説としてはオーソドックスな(密室)殺人事件モノ上がりで、「日常の謎」は、あくまで一個のミステリーサブジャンルとして認識している者です。
    この為、真性推理部のみを希望の方とは相容れるものを持たず、(無条件)全面賛辞歓迎が、外様相手にもなる余所者には門前払い排他傾向の強い作家(坂木司等)は、(その著しい功績を鑑みてこそ)厳しい評価を下す結果となっています。

第一幹部

現役

大手一部(取りあえず選んでおけば吊るし上げからの退避は間違いなし!)

ライト層向け(同上)。

「小市民」シリーズも、アニメ化決定(おめでとうございます)。代表作が何とかメディア化に扱きつけて面目を保った、と言う死に体「ニッチ」(by坂木司)業界で、作品単位での他メディア化(不問)作家では最多になるのかな。いや「アニメ化」か、失礼。もちろん、原作小説評価としての釣り合いには、読者各位の個別評価としては何ら変わらないものとして。


引退

大手二部(同上)。停止中。

広く『ハルチカ』シリーズとして知られアニメ化もされた。

現在は主に本格系の推理作家として活躍。

第二層 第二幹部

往年の三億円事件やグリコ・森永事件のようなニュースものの社会に向けた謎の自己主張が強い劇場型を「日常の謎」に含めるには些か認識に剥離を見出すが貴重な「人の死なないミステリ」温情として。

2巻で1巻扱いの為、2冊掲示。現在は、推理小説外として現役。


作品は前に出ているが作者は文芸肌のようなので原作小説三桁功績が峠でしょう。

(ロック)ミュージシャン功績を含ます、全てを賭けた本気なら、いくらか事情も代わってきたかもしれませんが七冊三桁部数も出て(2022年5月現在)、客層も「日常」「推理小説」勢で固めた(まった)後では後の祭りでしょう。

反『氷菓』『ビブリア』勢が客層そのものの悪循環に突っ走った後なら苦労はありません。今後ともアンチ映像化の方向で活字文芸やミステリ、そして「日常」への業界貢献、よろしくお願いします。

こんな曲、作りたいとは思いませんか。そうですか。ではせめて店内BGMでお願い出来ませんか。そうですか。じゃあ、しょうがないですよね。

なんだ、ありましたか。

ま、裏を返せば、せめて自身持ち分の音楽でだけでも誠実を通したかった切実さなのでしょうね。了解しました。


望月原作初出エブリスタ版は「人の死なない日常はんなりミステリ(ー)」、原作双葉文庫(商業出版)版は「古都が舞台のライトミステリ―」「キャラクターミステリー」、アニメ版は「日常」を飛ばした「はんなりミステリ」とジャンル表記(ジャンル認識)が散逸。

一度は原作望月レベルとして「人の死なない」「日常」を付加した、本推理に差異はないとして。

第三層 幹部候補生

『そして誰もいなくなった』愛した故人が遺した謎を巡って同故人軌跡巡りらしく。

故人の謎解き経緯としてながらも、ややファンタジーやホラー風味な描写が散見されたが、最後まで地盤は堅実な謎解きミステリー。

故人軌跡巡りは米澤穂信、三上延。横浜舞台は大崎梢。謎を巡って物語舞台駆け回り冒険劇は北村薫、坂木司、大崎梢他。と、シレっとジャンル主要貢献者一同の息吹が総結集。

ラストは「本格原理主義者」北村を超えた日常の謎の一つの到達点。凡庸なありきたりラノベ恋愛モノ、と斬り捨てる事は簡単だけど、個人的には是非北村含めた上記一同(以上)で既存「号泣」も併せて帯コメントに迎えていただきたい「日常の謎」名著でお願いしたい限り。

「号泣」に立ち止まるには、次代の「日常の謎」の物語実演紡ぎ手指名後でも遅くは無い筈だ。

基礎ステ高き(ジャンル)期待の新人。

何より対外窓口を担える点は大変大きい。

本命は、医療ミステリーという名の本格推理ならびに青春小説。外科医作品などは舞台/部署だけに人が死ぬ「日常」ミステリー。

ドラマ化/自身脚本拘りも「日常の謎」としての拘りとしては意を異するようで。本格推理でこそ、どうしても内科医としての、恩師島田なバラバラ殺人理屈パズルゲームに割り切れない甘さが出るのでは仕方ないですね。

本当、悉く跳ね除けられた末の内科医オチは、外ならぬ、ご自身の投影だったのでしょうか(殊に大変失礼ながらも『天久』での「童顔」などは、ご自身へのイジり自虐ネタをキャラ設定昇華なのでしょうか)。そこら辺が未だに文字通りの「先生」硬質態度は、残念でした。

第四層 実働部隊

現役

ジャンル実働給食のおばさん。

近藤史恵は、若林踏と共に一家言持つことで一致しているが、含めた。

引退

元・給食のおばさん。

現在は中堅の一として昔取った杵柄をもって別ジャンルで活躍中。

第五層 実働部隊見習い

下手にネット小説として世に出せば「なろう」「ラノベ」で失笑買って終わっていた作品が自他「日常の謎」を認識し、文学賞を受賞し、文芸・ミステリ作品として世に出られた事は一「日常の謎」読者として存外の喜びだ。

第六層 文芸一般/その他

準大手。決して対外にはなれない不器用な職人肌の方々。「無味無臭」こそ最高の誉め言葉。

単著

作者矢崎本人が意識的に書いていたとして。

2020年1月のアミの会サイン会でぶたのぬいぐるみ置いていて(今思えば山崎ぶたぶたが作者とコンビで参加の演出だったか。失礼)「ああ、この方は、自作グッズ(一例としてぬいぐるみ)が作られる程の大作家――現に同シリーズは版元の意向を経て数十作に及ぶ――先生様なのか。ならいいや」とスルーして(かねてより本命ターゲットとしていた)大崎・近藤・柴田の下に向かったのは良い思い出。

助言者の友人「彼」とはO様の事でしょうか。それともO様に近しい、また別の、同じ光文社発作品で同ジャンルを手掛けている、同一担当編集の「彼」でしょうか。

後者で、O様が大崎先生なら、O様から遡って「彼」は友人の友人にもなる方ですよね。彼には業界のテロリストにはなって欲しくないものです。

ラノベ志向。現在は本作でもその片鱗を見せるマジシャン芸を活かし、講談社で本格推理の推理小説家一として評価される。決して表舞台で対外担当にはなれない文芸作家の為。

講談社で本格推理として文学賞を受賞し、青春小説で盤石な地盤を確保する一定の成功を収めた中、講談社作品として本命「日常の謎」変化球を放つ「日常の謎」信念も、純正「日常の謎」作家として東京創元社に戻ってくる様子もなさそうなので。

受賞が、結果的に外堀を埋められる皮肉になり、本人もまたグズついて何もしない。

二束草鞋はない。

互いが近付き、分かち合う日常の謎に、客をもてなし(遮断し、近付かせず)、客の全肯定(場合次第では自身の全否定)を迫り、従わぬ「悪」には、成敗(権限無き市民が無断で強行するのだから所詮は私刑)も辞さない「正義のヒーロー」は必要ない。

諦めろ

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R7ZN04S2OP2P1/

という事です。

流石にここまで来たら「おお、諦めているわ!」開き直りでしょうな。

「medium」が外れ、見事ラノベなキャラ小説面が強調されたのも、テレビ映えする安直な勧善懲悪善悪二元論としての評価と、紛いにも原作小説/ミステリ一読者として興味深い。


表題作のみ。

表題作でも誘拐、他も刀傷沙汰や、建前は、彼らなりの無私無欲救済だったゼーレも真っ青の死海洞窟発掘物(詳細不明の美術品)をもった私利私欲とは、大いに日常の謎とは逸脱するものを有するが千街解説で表題作を「日常の謎」とした評価で。

本ノベルズ版の二階堂黎人《超・日常の謎派》評から。

個人的には「タイムスリップ」シリーズ作者、「なろう」な時代においては今や、それこそ「日常」な「異世界転生」モノ作者として通じていた作者だったので(非日常観念をも用いた)論理の駆使には抵抗はなかった。

ジャンル的には「人の死なないミステリ」+「特殊設定ミステリ」、即ち非日常。内訳一のオチに大喜利の回があったが北村に遡る「日常の謎」オマージュだったのだろうか。それとも「黒後家蜘蛛」な、新本格な論理の知的遊戯に過ぎなかったのだろうか。

反応悪かったのかな。千街が選外だったのが悔やまれるばかりだ。

「駒」に恥じぬ将棋ミステリー他、と思ったら「人の死なない」本格ミステリー。

千街「日常の謎」評として。

上記同様の「人の死なないミステリー」。ホラー的序盤がだるかったものの伏線とした文芸志向なストーリーも良。

謎のテーマが一貫していない、歩んだ先に謎がある点が目に付いたが、ホラーな非日常空間に一同が放り込まれたサバイバル劇としては仕方ないか。

帯「日常の謎」として。

淡々とした世界観に現れる高瀬川に、探偵は、さながら高瀬舟を漕ぐ同心ではないかと想起させられた。

帯書店員「日常ミステリー」評、編集の販売意図、または各作者陣からの帯コメントエール代替(?)とも取れる巻末の日常の謎陣で占めた広告群(北村薫『六の宮の姫君』→米澤穂信『さよなら妖精』→加納朋子『ななつのこ』→坂木司『切れない糸』→大崎梢『配達赤ずきん』→相沢沙呼『午前零時のサンドリオン』、文庫8版)から。

女性主人公、料理、定義の認識違い、駄洒落。作者が同ジャンル作品を北村から遡って読み込んでいているのが理解出来た。

作品も、前日譚が一貫して伏線となっている点、幽霊の母親が(日常)ミステリーとしては反則の超常現象による強制終了で事態の有耶無耶を図る点が懸念材料だったが、安楽椅子探偵もといヒントを送るだけの(夫唱婦随な)控えぶりで、父親が結果的に自力解決する様は、職業迷探偵が自力解決する体で事件を解決していく『コナン』を彷彿とさせて父子家庭の「日常」観を大事にしている杞憂に終わり、自身血肉昇華を実感させる出来。

登場人物がトリックを中心に動く駒でなく、初志貫徹したブレないストーリーを、エンターテインメント性をもって魅せてくれる(た)小説。「日常の謎」小説を超え、私が望んでいた「推理小説」前例の一となってくれた。

不動産モノに『正直不動産』な愚直胡散臭さや「日常謎解きミステリー」原表記に概念認識相違の懸念を感じたが、見事「日常の謎」を実践してくれた杞憂に終わってくれた。

冒頭主人公トラウマは概ね予想通りだったが、風呂敷の仕舞い方に、やや眉唾モノの暴力描写もあるものの、概ね拍手を贈れる展開だった。

忘れとった。「日常の謎」とまで記載がある当該作品だったとは。

北村『空飛ぶ馬』ではなく「五十円玉」若竹、戸川、その他「五十円玉」勢として用語ルーツに通じている点は、知念でさえ『硝子の塔の殺人』で北村無難に舵を切ってみせただだけに評価。

後述「日常の謎」講座動画観て「日常ミステリー」で書いていたのを知り「あら?」と急遽取り寄せ。

古狸、現役「先生」、厨二P.N.と、一癖も二癖もある錚々たる面々に絵師サイドからのアプローチ担当だと思っていた。自身が一小説家兼任の、四人目の講師だったか。失礼。

依頼人が加入希望者という点が、日常ミステリー的にも、青春モノ的にも上手く機能している。

ミュージシャン本人がバリスタモノ(店内BGM)握り潰しで、「メタラー」がバンドモノとは皮肉な話だ。

作品「日常の謎」評より。

光原、森谷に連なるフラワーミステリーだが本フラワーミステリーは、前後ご愛敬程度。本質は文系的当事者BLじゃれ合い話(に開き直るには今一つ弱し)。坂木司の系列かな。

ウラスジ「日常の謎」表記として。

導入部の挨拶で、新人成長物語なお仕事ミステリーかと思いきや、いきなり「自由人」な中級本格医療ミステリー。

ストーリーは、殺人事件な作品背景を、日常の謎で昇華するもの。密室モノも出て来る等、推理自体は本格志向。

問題は、競合の作家センセイ様様と、その担当編集。そして公認「評論家」阿津川。

『和菓子のアン』でこそ公認スルーですから、しょうがないですよね。終いには医療ミステリーにおいては、今や飛ぶ鳥を落とす勢いな知念。いや、譲り合いならぬ強請り合いの、暴力が支配する恐怖政治の業界ですね。

しかし表紙絵。歯科医に注射器は必要だったのだろうか。

続編で「日常」というワードが出て「読まないと消すぞ」みたいな圧を感じ(もちろん私自身が読みたかったまで)。当該作と思われる回は3シリーズ目『この凸凹な日常で』第3話目「正解のない問題集」。『題名のない音楽会』みたいなタイトルだ。

まず、シリーズあらすじ。掃除用具の会社が、何故か医療資格取って立派な兼医院成立、社内部署として社員の面倒を見る事に。そこから先は唐突の本依頼の数々。今一つ世界観の組み立てが足りなさを感じた。即座に本題に入りたく、省略の便宜技術だったのだろうか。

1作目を読んでいた時、医師(探偵)が患者(依頼者)に治療内容を委ねる趣旨の回が気になっていたが、やはり3作目「日常」回で、伏線に拾われる同等の構成回だった。

推理小説としては、医師(探偵)自身が患者(依頼者)の処方に判断を下さず、患者に投げる「正解のない」解答とは名アイディアだ。しかし、決めるのは患者(依頼者)なまでであって、悩み(事件)が棚上げに有耶無耶霧散する「正解のない」話なのではない。探偵(医師)にとって「正解のない」のであって、依頼者(患者)にとっては立派に「正解のある」決断を要する話だ。患者が決めるのならば、患者が「自分が決める。お前が決めるな」と(男子小学生ならば)言い返せばいいだけの話だ。まま受けて、「指示された」悪者扱いなど、責任転嫁も甚だしい。やはりそこは作者自身が、取り上げる医療事とは無縁の健全・健康な医師で、探偵視点で物を考えている者で、患者(依頼者)の個別人生の判断には、そもそもがキリがなく、患者に投げざるを得ない現実を反映した作品の限界にして、これを肯定し「正解のない」作品昇華と至ったのだろう。

残念だが、例えばバーのマスターや風俗店のホスト/ホステスなど、依頼者の悩みを軽く相槌打って客自身に判断を委ねるべく投げ返す「正解のない」前例は存在するものだ。

他、プラモを説明書無しで組み立てる件は、いや、単にBBA女医様の場合は、さぞや人形遊びや、おままごとだった事ですからね、とイラっとした。男性陣さえフォロー無しの「天才」素通しポジティブは、流石女性作品と感心した。この辺りは担当編集・校正がBBA女医様先生に「何人(誤診・過失として)殺してきましたか」と殴り合いに釘を刺して欲しかった所だが、やはり本物職業医師の医療事に思考停止・丸投げだったのだろうか。それとも、作者自身が担当編集・校正に、作者に絶対恭順の機械を選んだのだという事なのだろうか。生憎、書籍内には唯でさえ「解説」無し方針も鑑み、作者・作品を俯瞰した判断材料は存在しない。

何処ぞの建前性別不詳の某覆面作家先生様様は「解説」に寄せた文内で普通に「ガンプラ」言及ぶりでしたね。

本書一番の醍醐味は、健康優良児が医師になると、「患者」など存在しない、「弱者」というカスが存在するだけだ、と、医師からこそモルモットに見下されるぞ、という良い反面教師品実例に触れられた事か。

ああ、そうそう「ポカリ」ね。「熱中症」って知っています? 死にますよ。未だ身体鍛えて来なかった虚弱児自業自得因果応報と、昭和精神論・根性論と、職業医師として「そいつの寿命だ」と支持した認識でよろしいでしょうか。

ギレン・ザビな選民主義者な憧れでもあるのでしょうか。いかが思われます? 「ガンプラ」様。職業医師でこそ時代遅れの旧態依然人間の屑ぶりに助かるばかりだ。

シリーズモノは原則として1シリーズ目判断だが、1シリーズ目の「正解のない」回伏線となった――原則、通例オチは探偵からの「正解のある」アドバイス――の「正解のない」例外3シリーズ目、表題作当該回と「正解のない」話を「患者」が判断した。

作中語り手による「日常の謎」メタ発言として。

当該作はシリーズ作一エピソードで前日譚おさらいあり。直接の「日常の謎」事件としては、第一話「Kaiseki Lunch」のみ。初版発行は2002年。古いだけに北村的論理志向。全体では「人の死なないミステリ」コケ脅しとしても「カニバリズム」なグロ描写あり。

しかしまた2002年とは、ね。上が正にその通りな、12歳(?)年下のクソガキがご迷惑をお掛けしております。

ラノベで高屋敷英夫/久美沙織(小説『ドラゴンクエストIII~IV』)、富野由悠季(富野小説版『ガンダム』「1st」~「逆シャア」「F91」「ハサウェイ」)、水野良(『ロードス島伝説』、何かのTRPGリプレイ――『クリスタニア』だったか。口絵で短髪がマント/羽根(?)翻している巻――)、田中芳樹(『銀英伝』他)読んでいた中で、ああ、これが次代のラノベ作家さんか(他にヒヒヒ日日日、折原一等)、とキープしていたら、何時の間にやら、あっという間の西尾維新席巻に取って代わっていたのは良い思い出の作家様。

中身は、東野同様の学園シリーズモノの「日常の謎」回、シリーズ内一編。学園シリーズモノ既存資産を有効に使った、中々の世界観の広さ。同時に本「日常の謎」としては、やはり(親族関係者の勝手が利く大甘とはいえ)警察が逮捕をちらつかせる、むしろコージー志向な、日常の謎としては、なまじ推理モノとしては環境に恵まれているだけに弊害となっているものだった。

本人は、一応の勉強をしてきたのか、思い入れがあるらしく巻末「あとがき」で思い入れを述べている。

そもそも《日常の謎》ミステリほど、その定義が曖昧なものは珍しいでしょう。連作短編形式で、殺人が起きず、独立した個々の話が最後の一編でゆるやかにつながる(あるいは隠しテーマが浮かび上がる)といったところが、ミステリファンが漠然と抱いているイメージでしょうか。

霧舎巧『一月は合格祈願×恋愛成就=日常の謎』「あとがき」

いや、要は、あくまで本推理(と、上手い事通す為の、はっきり言ってご都合主義な世界観)で「連作短編集」は見本の実演結果論に過ぎず、関係ないですけどね。北村薫などは、普通に一人のヒロイン人生譚描いた長編シリーズ品だし、何処かの覆面作家先生様様におきましては、短編個別区切りで有らざるを得ない、良く言えば、事実上の短編専属、悪く言えば、プロモノカキとして書けない(苦手な)分野がある、職業作家として唯のゴミ/カスなだけですので(大崎、近藤などは連作短編集が条件などとは「え?」という話でしょうね)お気に障らず。

全集まで出している(短編集か。失礼)、そもそもの現役意欲が危うい中、機会があれば今また挑戦していただけると「今度こそは」と抑えていた作家だった中、嬉しい限りだ。

選考員大森の「日常の謎系」評、本編内でミステリー一ジャンルとしての言及により。

オマージュを通り越した線のなぞり上手ぶりに次第にプロ模倣師臭がしたが、やはり受賞当時、現役のテレビ番組メイン構成(≒脚本/演出チーフ)の業界プロだったか。

活字集団主催の大賞を煙に巻く「犯罪行為」など「日常」系の、人心掌握のプロ、いや業界現役の作り手当事者本人には、お手の物だった訳だ。秋元/赤川かい。

『米澤穂信と古典部』での北村薫対談で米澤が出した「日常の謎」推し作品(実態は内一編の「からくりツィスカの余命」のみ)。

米澤自身による「ミステリのひとつの型」トリック評もさることながら、私個人としては劇で中世ドンパチ劇という、殺しを劇中劇に求めたシナリオも目を惹いた。

後述の若竹記事で挙げられていた「日常の謎」作品2作の内1作。

性描写が嫌だ、とか言っていたが個人的には殺しありもOKなのかと気になった。もっとも「該当なし」の中を、立場から泣く泣く選考したというなら話は別だけど。

創元 初夏のホンまつり2023」で東京創元社社員の「販売員」様へ「日常の謎」作品を提案した所、2冊提示された内1冊目、ならびに特に推されていた方。

「美術館」とあるが、実際には同人漫画家の画廊兼アトリエ(?)な「美術館」で、内容は、同「探偵事務所」が依頼者依頼を解決するもの。

事件を文字通り「探偵事務所」を設け公募する私立探偵モノとしては、主人公が歩いていたら謎が見つかる「日常の謎」としては珍しく、そして強硬なアンチ漫画としての真性活字中毒様はお引き取りになるのかな。殺しはあるので正確な分類は「コージー」か。

しかしコージーとしては振り切りが悪く、出版社社員直推しに噓偽りはなかったストーリーを鑑みて。

「創元 初夏のホンまつり2023」で東京創元社社員の「販売員」様へ「日常の謎」作品を提案した所、2冊提示された内2冊目(だったかな)。

謎を見つける主人公と、探偵役が同じ「学生」同士の先輩に過ぎない大学院生と、個人的には、こちらが「日常の謎」作品だったかな。

内容も、同じ福岡出身による某化学ミステリーに親しんで来た身として素直に送り出せるものだった。

欲を言えば、万事が学識(主に化学)解決で、学園モノとしての限界が「卒業」と早々と見据えてしまった点か。日常の謎ではなく、一人前がゴールの「青春ミステリー」と納得させるものではあったが。

本書単独としては「日常」仄めかし、シリーズ3作目にして完結作「バスに集う人々」にて、ようやくの「日常の謎」明記として。

警視庁勤務後、退職した元・警察官と、その妻コンビなホームズ×ワトスン品。日常の謎作品としては、最高齢だろう老人コンビ同士の作品。その分、学園モノですらある青春ミステリーではなく、高齢者の知己や、ゆるやかな時間間隔が生きる作品となっている。

文庫本版解説は、「年内の短編全部」と、元々ミステリー専属解説としては期待出来ない杉江だけに、案の定「日常」仄めかしが精一杯関の山。おかげでシリーズ終了まで、当方基準としては「日常」強行に判別出来ない状態だった。

戦中ドイツ、戦死者が自軍日常事状況下でミステリにおける被害者や犯人といった非日常要素は確かに「日常」事だ。閉ざされた世界の「日常」として敬遠していた『祈りのカルテ』の方が、まだ戦後現代日本を舞台とした「日常の謎」作品だったとは皮肉な話だ。

エピローグでは、戦後~東西ドイツ統一まで描いて『第九』一つ出て来なかったのは、せめて「ドイツ人」ベートーヴェンと『第九』揉み消しに貢献したかったからか。

ユダヤ系「アメリカ人」バーンスタイン指揮した東西ドイツ統一「喜び」に比べればフィクション戦中ドイツモノを書いた作家面子など安いものだ。「ベルリン」が。

理系本格の大家が本文内に「日常の謎」とまである試行の一としてでも携われていた点は、作者でこそ好奇心旺盛な研究肌としての理系と見直す大きな収益でした。

どうぞ最後尾で理系本格ステレオイメージ強硬派信者の粛清同士討ち大役をお願い出来たらと思います。

アンソロジー

後述の別格レジェンドアンソロジー『競作五十円玉二十枚の謎』を除く。

「殺人事件の起きないミステリー」と聞いて。出版社が出版社だけに訝しみつつ。

予想通り、実質は刊行元自社宝島社主催の文芸大賞「このミス」大賞作としての「殺人事件の起きないミステリー」アンソロジー。「日常の謎」ではなく、あえて「殺人事件の起きないミステリー」内訳相当類似品ゴリ押しの点に、現場大家からの白旗や、根底は若竹/北村「日常の謎」ではない抵抗の意思が伺え、良い意味での反若竹/北村、そして日常の謎への問題提起喧嘩昇華具合と好感が持てた。

並びも、事実上の名指し当てつけとばかりに岡崎「ビブリオバトルの波乱」で読書意欲を沸かせてから、ズブズブの業界人小西が案内、本命(?)塔山、友井と続き、トリの柊「暗い部屋で少年はひとり」の、理解を通知以上はあえて放置の肌有耶無耶エンドをもって静かなる締めと、作品からが文芸と言うよりは写真家芸術家肌品を持ってくる、自薦バラバラを見事アンソロエンタメ品に組み立てた中々の選考センス。

気になった点は、いずれも同賞相当品であって、殺さずではあってもライトを保障する作品ではなく、あくまで活字文芸として臨む必要があるという点か。この点、ネット層には「評判が悪い」作品になるのも仕方ないものがあるが、しょうがないね。読者素養ある者が手にするのであって、真性反読書ゴロツキを相手にしているのではないのだから。

いずれにせよ編者・自薦著者本人からの端書・常連の千街すら解説なし――思う所を、あえて呑んだ?――「日常の謎」としての周知度を持つレジェンド岡崎や、偶然にも本記事で刊行前に挙げていた小西をも含んだ自薦内訳には、返答内訳の如何を問わず本記事が結果的にアンソロ企画奮起昇華の起爆剤となれたものがあったのだろうか。

もし、その通りであるならば、個別著者本人/出版社(宝島社)としての評価であり、幸いにして光栄の思いだ。感謝。

活字集団主催の大賞を煙に巻く「犯罪行為」など「日常」系の、人心掌握のプロ、いや業界現役の作り手当事者本人には、お手の物だった訳だ。秋元/赤川かい。

『米澤穂信と古典部』での米澤穂信対談で北村が出した「日常の謎」推し作品。短編集で、当該作品は表題作「グリーン車の子供」。

本ミステリー中身も、トリックとしてはあり来たり、むしろ前時代的な、色々と「古い」トリックだが、作品全体としては歌舞伎モノだけに「新しい」作品。

しかし、落語家に歌舞伎俳優。「日常の謎」は日本文芸と相性が良いのだろうか。北村としては、その辺りも親近感を持っていたのかもしれない。

「日常の謎」と聞いて。

北村は、「俺が、そうだと言っている」内訳お構いなし、開き直りな「推し」だったが、こちらは、殺人事件あり実態を分かっていながら、わざわざ相当作品を厳選し「日常の謎」と明記して言い訳(捏造)した突貫「日常の謎」アンソロジー。まるで時代小説の中から推理小説的寓話をまとめ、あまつさえ「日本古来の推理小説」体を成した「捕り物帖」の如きお粗末ぶり。

何が、わざわざ「日常の謎」と明記してまで相当作品集企画へと拘らせたのか。北村の名誉だろうか。果ては故人と果て、さぁ聖域無き人生譚評価開始と、忖度不要の故・戸坂だろうか。職業書評家ならば北村に「嘘つくな」と突き付けてもらいたかった所だ。

いや、本当、無制限忖度はセーフ、なんて不可侵例外聖域があるなんて、まさかまさか。それはもう、ねらーにもなる金と肩書の犬共が、読者当事者を差し置き、実権を握る(乗っ取る)のも無理はない。

決めつけ感情論で無く、結局は単に悪評禁止なだけで、むしろ絶賛ありきで口から出まかせに決めつけて欲しいのは、どちらだ。(新本格)推理小説でこそが、公然の読者口封じ恫喝で悪い冗談だ。笑わせるな、嘘つくな。

そんなに悪評のそのものを口封じ、認めないならば、レビュー機能付き通販サイトにこそ文書を送付して抗議したり、引き上げの報復でも行えば良い。レビュー機能に文句一つも言わず、個別悪評に、途端に顔色変えるなど、そもそもが筋違いな話だ。足元見て舐め切った出版社の公然脅迫/恫喝なのは、すぐに分かる。

第七層 児童書

戸川、北村といった錚々たる面々の支持に裏打ちされた筆運びは児童書としては破格。

本編も、主人公×探偵の司書側ではなく複数の図書館利用客側が動き回る展開で、子供が主役児童書の制約を逆手にとった「日常の謎」を結果的に築いてしまったのだから流石の一言だ、

第八層 ライトノベル

増えたので(感謝)分割。

そして続投率悪し。ま、等身大が読者なのだから個々の集いが阪神タイガースみたいなもので、一作きりでも有り難いと感謝せねばね。

新文芸・キャラクター文芸

氷菓+講談社的本格ロジック遊戯。

『シャガクに訊け!』と、解までの過程を謎解きとした「学問ミステリー」なる前例に倣う作品と懸念していたが「日常の謎」明記帯に恥じない基礎演習と応用実践の両立が認められた為。

哲学を、学問・書物の山に驕ったものでなく、ラノベな学園モノに実践してみた哲学入門書一としても好感が持てた。


ジャンルソースが漫画版の方とは原作小説としては皮肉だ。

ホラーだけど、個人的には幽霊のホラーよりも一部登場人物としてのホラー作品。


「日常系」デビュー作も怪しいところだったが「日常の謎」明記無難を選ぶ。

「日常の謎」の名に恥じない「人の死なないミステリー」をラノベオブラート。

航空機事故調査ドキュメンタリー番組ならではの墜落事故→事故調査官探偵王道を蹴り、航空機業界での一「日常」的職種による「日常の謎」挑戦意欲に北村/坂木的男気が伺えた点も評価。

スピリチュアルモノ懸念も石遊びの杞憂に終わり、件の鉱石も、何故鉱石だったのか、展開上必要だったから含めたまでと、鉱石お題に頼らぬ物語を信じた能動的姿勢が認められた為。

学園(大学)モノ。不倫に「正論モンスター」が噛み付く件は、むしろ「そもそもが謎解決事項なのか」と関心の分かれる所。

ライトノベル

レーベル=ライトノベルな純正ライトノベルモノ。

ヒロイン「日常の謎」体験談として。

冒頭の日記が作品全体に関わる重要品かな、と思ったら、何故か落とし物捜査。骨董品サンプル以上の価値はなかったようだ。

一応最後はヒロイン日記話に繋がっているという事は、こうして歴史は繰り返す、という演出への伏線だったか。

『「日暮旅人」シリーズ』で知られる作者作品。帯「日常ミステリ」、ウラスジ「日常に潜む謎」から。

幽霊が超常現象でトラブルを強制終了、ではなく、記憶喪失の、ワトスン役いう役柄が、後述の神様日常修行劇作品のような趣。

結局、大元の故人幽霊相棒の死因は次巻を待つ展開で、本書は、同相棒との「謎」解決品。各編個別に「(了)」を明記する辺りに連作短編集の拘りを見た。深夜アニメの穏やかさ、にしてラノベドタバタ。

奥から勝手口が閉まる音がして

山口幸三郎『幽霊と探偵』初版、KADOKAWA、168頁

「勝手口? 鍵締まってるじゃない」
「俺が締めたんだ。

山口幸三郎『幽霊と探偵』初版、KADOKAWA、168頁

勝手口が「閉まる」で、(扉の)鍵を「締め」誤字(演出・進行上の当て字ではないようだ)、何とかならなかったか。突然『校閲ガール』を「日常の謎」フェア対象作品として出してみせたKADOKAWAだけに。

え? 俺が締めたんだ? そりゃ締めて、いくらでも死体は、殺人事件モノは作れ(創れ)るよな。締切に忙殺されていたのだろうか。

「明日香」などと、突然下の名前呼び捨てで出て、誰かと思って見返したら、故人相棒実母といった(女性向け)(ラノベ)ノリが、どうにも、ついていけなかった。

ネックは、BL臭酷い表紙絵。せめてタイトルでなく故人相棒の異性同僚/婚約者を間に割り込ませてくれなかったものか。サイン本かな、と思ったオサレな2語も「Ghost」「Detective」と、タイトル(英)ルビに過ぎない中、面食らった。

何かで控えていた『日暮旅人』(1巻)だったけど「日常」明記・中身により本作確定相成った。

刑事2人(の、ホームズ×ワトスン、にして別行動)、神社、大福、最後は相棒の成仏切り捨て大団円(構想)――一番の、そもそもが先送りの中、深夜アニメな個別「日常の謎」譚など、私には、どうでも良かった。

ウラスジ「日常の謎」らしく。

ずっとコロナ騒動当時。放火に始まり、殺人未遂はセーフと、刑事犯罪そのものは、あり(容認)のご様子。北村は論外として、レーベル先輩の米澤すらもジャンル前例勉強の気は、なかったようだ。

表紙のBL臭に一抹の懸念が過ったものの、推理小説に誠実な点が救いとなれただけ、まだマシか。

原表記は「日常系ミステリー」で、若竹/北村「日常の謎」認識とは意を異する疑惑ながら「ライトノベル」枠ある中、希少な純正「ライトノベル」発作品として。

内容も、日常の謎小説としても、推理小説としても『浅見光彦』に遡る希少なジャーナリスト(役)探偵作品(『浅見――』はルポライターだけど)。北村・米澤でさえ文芸部(女性)裏付けで、半ば業界慣例だった中、この「ジャナ研」男性文筆者裏付けだけでも十分一読させられる作品だった。もちろん、「日常の謎」な本推理部も。

「日常」ばかりでなく、一推理小説としてこその異端児を、「日常」異端児集いとして大いに歓迎したいところだ。

ライトな推理、「故人でセーフ」な人の死なないミステリー、と日常の謎条件に適合を、どの道、純正ラノベ枠隔離の大甘として。

結果的ながらも自殺に追い込んでしまった殺人犯が逃げ切る展開は『5A73』を彷彿とさせる。同作と大きく違い、救いは、まだ殺人犯に良心の痛みがあった点。

しかしまずは出頭だろう? とは思う。即時門前払い/釈放としても。「自殺」で片付いた殺人を、敢えて自分が一人、喪に服し続ける体で逃げ切りがセーフはない。この辺りに推理小説としての穴と殺人犯(加害者)寄りの甘さが見えた。全肯定が、殺しでこそ肯定して揉み消し擁護はない。

探偵役が一個の神の生まれ変わり、と「特殊設定ミステリー」や「非日常」を想起させれる事前懸念も、日常に生きる神の不器用狂言回しと、良い消化加減。流石FSSという長期レジェンド御伽草子を抱える会社の太っ腹ぶり。

中身も、ジャンプ(?)ネタが伏線といった、変幻自在な内容で前例に縛られない出来が一ミステリーとしても(特に京都妖怪モノとして)面白かった。

居酒屋「とりい」や、アンズ、スペイン語等といった坂木テイストが散りばめられていたが偶然の一致だろうか。残念ながら元ネタは作者個人が直接の取材先としている一居酒屋らしく証拠はない。

pixiv百科事典「日常の謎」に追加された作品。原作読んで、格安購入したアニメ観て決めた、記載時点で一番判断に迷った作品。

宝石商の下に集う謎を解決する、お仕事モノ小説なるも、各部のメリハリが無い(バラけず全部一まとまり)、ややストーリー志向。ミステリー部は犯人捜しですらない弱目。

「日常の謎」的には、冒頭、正義がリチャードを救出する件が、どちらかが自主的に謎を拾った瞬間で「アリ」かな。

ま、純正「日常の謎」瞬間が、無きにしも非ず純正ラノベ隔離の、最後尾大甘で。

ルールに動いている場所で、賛辞ありきの暴力が支配する弱肉強食無法地帯(だからこその「人」)ではないのでね。「お前が何だ」など、公然のゴロツキ荒らし宣言位で助かるばかりなのだが。「人」でルール違反が通る、もとい、唯の金や暴力に称賛など、まずは「ミステリー」の取り下げでお願いしたい限りだ。

第九層 別枠レジェンド二部

日常の謎界の深海魚黎明期貢献者達。

日常の謎もさることながら『おいしい旅』や文学フリマ広島のご縁もあり、一目お会いしたかったですが、大学教授に地盤の担保を持ち、小説家としての活動を軽視していたのが迂闊でした。

残念でしたが故人の生前のご活躍を留める事で弔意と代えさせていただければと思います。お疲れ様でした。


第十層 別枠レジェンド一部

推理小説的実例白羽の矢は北村に当たるも、発端は彼女の「謎」体験談から。

現在は、過去の栄誉を投げ捨てるように本格推理に復帰。

第十一層 黒幕軍師

ジャンル普及に貢献した黒幕。

新本格が講談社の宇山日出臣ならば日常の謎は東京創元社の戸川安宣といった所でしょうか。

第十二層 次代軍師候補(多分)

北村・戸川に遡る「日常の謎」薫陶を受け、数十作にわたる実績あり、政治にこそ動き回れるジャンル統率の適合者(但し、要監視、同期・同僚・お友達から隔離、棚上げお飾り名誉職、次はない、として)。


初版作成/寄稿しました。


資料早見。

現物(内、同作者著作分のみ)

皆様のご期待に沿える小説家/書籍で良いと思います。念の為。



『和菓子のアン』は「売れている作品」で、推理小説他実働は『青空の卵』が担っている、として二作としました。数字と推理小説的格が二極化している二重構造にあるというもので間違っても当事者贔屓ではありません。

第十三層 別枠元祖

隠居三昧の「家康」にして「慶喜」。

晩年現在は、読書エッセイや「謎」解きと言った形で高校教師→文芸作家に生きて来た自身にジャンル一派統率は無理と自覚、しかし有り余る現役作家バイタリティーと功績を持て余している模様。

客層も、同シリーズに人生を共にし、同ジャンルにおいてもまた北村一強と信じている過激派が潜在と自己完結に伴う弊害も確認。

お疲れ様でした。撒いた種は実り始めましたどうか余生を道楽三昧の朗らかな日々にお過ごしください。

「日常の謎」論でなく同名恒例の北村特集。

生意気な「チンピラ」は、図らずも同宝島社輩出の、阿吽は通じていなかった潰し合いとは。皮肉な結末でありました。

前に出ない、あえて陰に籠る「弱者」「関係者」が、その実、内輪間で、クスクスほくそ笑み合う――もう、この時点で、どちらが「犯人」の話か、分かるでしょうに、高校教師――時代は終わりました。私の「イキリ」は通じたのです。つきましては、関係者(共犯者)一同、全員処刑をもって謝罪の意と、古き良き静かで穏やかなる時代の幕引き(第一部完)を願えますと助かります。

読み物割り切りは存じておりましたが、主人公(か弱き箱入り文系女)正ありき(の為には実力行使も辞さない武闘派)は想定外でした。生徒が反社のなり損ないでこそ、教師は、組長を買って出て、組(暴力団)を率いるまでに愛おしい存在だとは見抜けませんでした。ひとえに私の「まさか、紛いにも高校教師が、真性ねらーにもなる「弱者」相手に《荒らしは無視》大原則も分からぬ筈が…」思い込みの成せる業、不徳の致すところでございました。深くお詫び申し上げます。

相変わらずの物語に語らせる間接仄めかしで真意は分かりかねましたが、あえて増補版に押した事実を鑑み「俺が日常の謎だ」「日常の謎作品ストーリーの基準は《わたし》である(《わたし》が相容れない作品は商業作品でこそ全否定する)」、以上2点で周知徹底致します。もちろん私一人「手を止めろ」「(《わたし》に)見せるな」の話ではない、当該の全「日常の謎」作家への宣戦布告と認識した次第です。それこそ書店で「自分以外の作品を見せるな、焼却処分しろ」の話ですので。棲み分け仕切り分けどころか、それをしてこそ尚根こそぎ「消せ」など、何処に通す総合書店がありましょうか。

《わたし》の為に第二の京アニ事件を決行する用意があるという事でしたら、是非とも米澤穂信先生にご相談ください。彼ならば然るべき場所へ案内してくれる事でしょう。


一シリーズモノとしては2023年5月現在、未完。最早聖典の独り歩き。

私的「日常の謎」推し

自他無自覚な私的一推し期待の「日常の謎」作品。

同ジャンル本として評価も変わってきたのではないでしょうか。余計なお世話でしょうか。

帯「日常の謎」として。

「日常の謎」小説としては、貴重な純文芸誌外として連載された山岳小説(著者大倉は文芸上がりだけど)。本業片手間の中の研修期間(?)な話で、お仕事小説的醍醐味もある。

帯に「日常の謎」を掲げるも、著者重複(大倉は初だったか)、やや強引なトリック、推理小説として、とても分かり易い殺人事件犯人当て締めと、色々と逸脱していた点が惜しく、本「推し」位置として。

山を描いた小説を「日常の謎」作家で2名存じている点も、同業者にして本物登山家/登山誌連載・奮闘していた業界当該ジャンル貢献者を無下には出来ないだろうと、併せて評点になった。

表記は「日常ミステリー」なので。

料理教室だけに関心事は完成品ではなく調理途上の出来事なのが面白い。

あえて文庫初出の文春文庫版で。

謎解きの前に「ラブドール」が関連する作品ですけど、いいですか、だね。

人形止まりならセーフ、どういう人形か実演をもって挙げるのはアウトという事だったのでしょうか。『ブラバン』からの者だけに、本当、どうやって通したのか教えてもらいたかったですが残念でした。

暴力の都活字の咲き乱れる事を。


「誰も死なないミステリー」らしいので。書籍名に「ミステリー」を冠しつつも、汎用のJAレーベル出を訝しみつつ。

文脈見て「日常の謎」的推理の妙を期待出来そうだな、と思いつつも、実際には孤島に招いての犯人捜し、という「クローズドサークル」もとい自身道連れも厭わない容疑者取り調べ拷問。そして最早、いつも通りな、過去としての殺人事件。

しかし堂々の「青空」とは、何か含ませる意味があった文句だったかな。本作の方は『文学少女』に同じく、被害者を殺害後の、加害者(殺人犯)捜しで、全くの「いじめ」話で終わる事はない筈だが。まぁ、井上真偽に同じく、自身作風を全うしての「誰も死なないミステリー」アプローチだったという事なのだろう。

上記ならびに早川で出すのは、さぞ骨の折れる事だっただろう大甘として。

帯「日常」なミステリーのようなので。

主人公は、古文を嗜む理系との事だが、実際には理系的数式や秩序への拘りが一切ない、文系な体育会系という最悪な対非理系組み合わせ。そして古文に恥じない古典的文言・風習が状況を采配する「古い」話。

アンチ安楽椅子探偵との事だが、実際には、後に犠牲者と果てた依頼者に「行動」をアドバイスしたホームズモノ。現に主人公はホームズ+ワトソン兼任と、他は犯人か、参考人にも値しないモブか、と推理小説として非常に簡素な構成(というより、二人分人間創るのが面倒だとでも言いたげな体育会系的脳筋ぶっ込み発想)。

それだけに犯人は、意地でも主人公と交友ある周囲関係者でなければならなかったが、後付けさえ容認した慣例否定に、やはり主人公は文系+体育会系の非理系インテリ脳筋ヤクザなのだなと実感した。


お仕事ミステリーだし、と。流石に薬剤師で殺しにはならないだろうと。

古代中国の宮廷毒見役「探偵」が一世を風靡し、そのまま宮廷毒見役モノの亜種が勢いを取り戻す中、手堅く、現代日本の、一医院薬剤師を選んだ点も争点となった。

業界用語(疑義照会)の飛ばしが見られた(見落とし?)が、他は、むしろお仕事ミステリーの面白さだった。

「薬」師寺や「久須美」と、主要登場人物へのネーミングセンスに気を遣った辺り、シリーズ作を見据えた意欲が伺えた。お仕事ミステリー通例通り、最後は主人公がちょっとした「研修」を終える展開だが、さて続投なるか。

医師でも、看護師でもなく、薬剤師による、医療、もとい、お仕事ミステリー。これが島田莊司主催の文学賞上がりの作家にして、やはり講談社の(お仕事)ミステリー作品として刊行されたのは、新本格の、講談社当該部署の、時代の移り変わりを見る思いだ。

残念ながら(医療モノの宿命か)死人が出て(それも臓器移植後のゴタゴタを、死んでもらい強制終了という、実に書き手の物語進行上の展開選択として)「人の死なないミステリー」とは、ならなかったので、私的推しとして。

銀座に出て文房具店(鳩居堂)を見つけた経験から。

履歴書ならともかく、本命を抑えた末の雇用元への退職届を手書きで納得させる、といった、意地でも文具(手書き)がワンパターン。かといって書簡モノに振り切るには文面に書けない本音が焦点。

書店の海外作品コーナーで見掛けて「ああ、これはリアル『ビブリア』だな」と。これだけでも十分に一小説家の創作妄想品でしか前例を見なかった中、特筆に値する作品だ。

手数料は、依頼者の人生を語ってもらうという趣旨も『幽☆遊☆白書』読者としては、依頼者の人生に制約を課させる介入をしないだけ――SNSの時代、何処かでバレる懸念はあり、結局人生に介入、制約となるのかもしれないが、本人が承知した自己責任と著者の公開した責任ではない旨を裏付けている――と親近感を持てた。

紹介本は、本書自体が海外作品として紹介されている中、堂々の自国韓国本が主要のご愛嬌から『ロリータロリッタ』ナボコフ、『エデンの園』ヘミングウェイといった西洋古典、『オーメン』セルツァーといった映画原作小説、日本書籍では、認識のそもそもが「ハルキ(村上春樹? 角川春樹でもあるまいし)」の中、『愛と認識との出発』倉田百三、『未確認尾行物体』島田雅彦2作品。

中身も、主要な本探しから、手元にあるが、どうすればよろしいか、だから何だと言うのか――中身解釈――まで。量も、短編もとい星新一ショートショート量で、個別人生譚を文系作品に昇華するのではなく、あくまで店主に下に押し寄せた依頼者レポートの体を成している。これは生存中、最終的には娯楽趣向に脚色したワトスンに折れた『ホームズ』ですら果たせなかった事だ。

個人情報は伏せる、と言った細かな点も、自身が探偵兼任の店主だからこそのリアリティーと評価出来た。

建物に謎の人がいて、結局その謎の人は、といった筋書きで、推理小説としての出来は(新本格に独自に推理小説の理念を持つ日本では特に)悪い位だが、同相当舞台の中でサバイバル劇にもなる本格的密室殺人事件モノに辟易していた中、一抹の良薬になれた。

カレーミステリー。日常での「謎」出会い、文豪/過去調査が、自身運営のカレーメニューに還る「謎」内容、と、エンタメとして魅せてくれた。それだけに後半、家系に遡って結局起こるべくして起きたオチは蛇足で残念だった。それなら『ビブリア』のように初めから家系と割り切らせるものが欲しかったが、お仕事小説での、主人公成長劇では仕方なかったか。

内田康夫の没後出版作。会報の中での限定品小品放出のようだが、生前出し惜しみしてきたものが何故没後放出として通ったのか、経緯そのものが謎。

中身は、『浅見光彦』の登場人物吉田須美子こと須美が「日常の謎」な謎事に遭遇し、解決に奔走するというもの。『浅見光彦』のような物騒な殺人事件や(残念な末路を辿る)容疑者が現れる事も無く、謎解きに集中出来、その意味でも「日常の謎」に合致するもので、直接の「日常の謎」記載はないものの相当作推しとして採用する。

本家『浅見光彦』の殺伐とした化かし合い政治的駆け引き劇や殺し合いの息抜きから、本書単独まで。児童書でも読みたい思いだが唯でさえ故人作へ手入れの事、厳しいかな。

集落舞台を逆手に取って要所を友人・知人で脇固め。つーかー阿吽呼吸ノリでヒューマンドラマを容易に生産出来る、ご都合主義的世界観は、(各々の)日常舞台の日常の謎としては正直眉唾物だったが、こういう、むしろヒューマン志向なんでしょう、という姿勢・意欲は理解出来た、として。

次作『謎を買うならコンビニで』を先に読んで、当該作の匂いを嗅ぎ取るも、殺人事件解決依頼の「探偵事務所」と来て、デビュー作を選択。

探偵のベテランバイト主人公、良い意味で職場を引っ掻き回す新人、若竹を思わせる、コンビニ、いや、販売業を生かした金銭ネタから、その他業界ネタ頻出・題材のお仕事ミステリーと、題材は良かった、いや、往時の空気感を感じ取れて、それだけで満足だった。

それだけに、強盗や殺人沙汰な刑事事件逮捕劇で、当該ジャンル作として見送りの選択は苦渋の判断で惜しかった。私的推しとして。

「一読者が作家を裁断するとは何事だ」と、内訳ではなく「作家」という肩書きそのものが大事の一人歩きを堂々公言する一市民集団から中身に興味なし本音を我が身をもって立証出来た事は今後指針一にも至る大きな収穫でした。感謝。

ハドソン夫人を主人公とした異色作。コナン・ドイル財団公認ホームズバスティーシュ作。『ホームズ』を、ハドソン夫人の視点から描く。(当時女性事情を理由として)男性陣に頼れない代わりに、女性陣を介して事件に独自の観点から斬り込んで行くのが特徴。

一癖も二癖もある依頼者/ホームズへの応対、(危険な)郵便物、決して自身が犯人を捕らえる事ない「日常」の日々と、賛辞を挙げるには十分だろう。

調査資料余り

(ミステリー)本流お偉方(「老人ども」by冬月)や、中途な通気取りが五月蠅いので。自衛策。

承知は、してはいますよ。が「ならば差し替えろ」「勝手を止めろ」「コピペ/カーボンコピーに従えよ」は違うよね、と。

一 コージ―・ミステリー

詳細は当該ミニコラムを参照。

いきなりニュース沙汰の殺人犯捜査→逮捕。

容疑者が消えた「謎」の方が、一旦は故人を忘れる関心事とは面白い。建前は、あくまで弔い合戦とはいえ、推理が故人の弔いに優先する本格推理小説の神髄を見る思いだ。

殺人あり、「関係者」にもなる当事者たちが内輪で他力本願/他人事として安楽椅子探偵な推理合戦現実逃避、当の事件は警察の捜査で何時の間にやら解決している「コージーミステリー」(by作者)の入門書に。

語り手は夏川「ツカサ」。いや、まさかね。

そうならば、もちろん最後は「名探偵」がプロ小説家独立転向(サークル解散)やコージーだけに「犯人」逮捕の方向でコージーミステリー流にリスペクトないしリメイクの方向で「ツカサ」貫徹を願うばかりだ。

「犯人」の処刑は、どのように行われるのか。逮捕か。海にドボンか。山林にポイか。それとも綾辻な「館」に拉致監禁→リンチ制裁/拷問→壁埋込か。それとも「ツカサ」「日常の謎」な精神的訣別か。

次代の「ツカサ」を標榜するコージーミステリー期待の星、今後益々の活躍に期待が募るばかりだ。

東京創元、コージーとして手にした一冊。

媚びない猫が探偵助手という世界観そのものが、常識の中の非日常観解釈日常の謎とは大きく異なる「コージー」入門書な分かり易さ。ヒント役でこそあれ店内に居座る(狂暴な番犬もとい番猫)マスコットな点が『三毛猫』とは大きく異なる。

中身も、殺人事件な「日常」の日々と、丁度良い塩梅。

文字通りのコージー品として是非とも読みたかった、同ブランド品とりあえず一式全部な「コージーブックス」お試し品として手にした一作。

老舗ホテルで被害者2名発生→推理と、事件現場のみならず自身すら危害及ぶ一大非日常冒険活劇。

犯人特定自体は易しく、新本格密室殺人モノに慣れている層には、そのライトぶりが本「コージー」らしい、と提示したいものだ。

「コージーミステリー」らしいので。

のっけから首無し殺人事件。その後もラノベJKなハイテンションノリで推理→犯人当てが延々続く。

テンション切らした瞬間に、おとぎ噺夢物語が途切れる、オチが早々と見据えられたが概ねその通りだった。

作中人物が、自分で「コージー」にして「非日常」と認識しているのならば苦労はない。そして結局、名探偵×犯人二人の殺人事件ゴッコ。最後は、輪廻転生呪文詠唱と、やっぱり唯のSF何でもありだった開き直りも辞さない「非日常」振り切り「論」。話にならない。「非日常」明言は、SF開き直り「非日常」ミステリー慣例通りというオチ伏線だったという事なのだろうか、とさえ勘繰ってしまう。

死体を直そうという考えは光市母子事件の「ドラえもん」釈明→死刑が記憶に新しいところだ。現実は、ポジティブシンキングや、まして殺しを認めた「コージー」では終わらなかったな。殺人はフィクション内の、殺人事件モノや非日常空間で生き死に無限ループでウサ晴らすものだ、アンチテーゼなのだと思いたい限りだ。

最後の最後の締めが「日常の謎」に臨もうというオチで、だからこそ非日常・コージーの作者は、あえて非日常・コージーの整理自省を経る必要があった、という流れフォローが辛うじての救いなるも、ならばこそ、日常の謎は、死体を(好人物ならば)蘇生などという「非日常」ご都合主義な支離滅裂からの訣別にして全否定から始まるものだ、という自己否定をして欲しかった。しかし、そこはあくまで、これまでのコージー非日常軌跡を守り通す自己肯定だったのは残念だった。

二 選外義理拾い

列挙自体が、せめてもの義理を通した番外「日常の謎」作品。

い抜きかよ(いや、本当、このレベルの「高学歴」者がおりまして)。

論外な、殺し暗喩で締める(「『殺人無し』が成立した!」)子供騙しな殺しオチもさることながら、探偵事務所経営の職業私立探偵が「日常」の「謎」解決など明智小五郎に遡る程、キリがない。「前科犯」などと言う非日常出自も何の意味もなし。

北村・坂木・大崎・近藤・米澤も著作を出している日常の謎ど真ん中の一つ文藝春秋で、よく通ったものだ。「一つの形として問題ない」とお墨付きを頂けたという事なのだろうか。

少なくとも北村・坂木・大崎・近藤・米澤本人弁としては聞いた覚えはないので。


「建築探偵」に恥じぬ綾辻的密室新本格モノ。

建物の構造解きが「日常」なものか。この辺りの「日常」認識が如何にも綾辻新本格畑的。

篠田本人も「いや、『』と相反する存在と書いてあるでしょう?」と綾辻新本格的認識でいた、一文字捻りに一切相容れる気はなかったと鑑み。

KADOKAWA「日常の謎」フェア(後述参照)対象作品にして、個人的には若林踏/鈴木一人ご縁からの『新世代ミステリ作家探訪』トリ作家義理。映像化(アニメ化)済だし、新鋭趣旨に、沿いかねるのでは、だからこそのトリ位置補強なのだろうな、と敬遠していたが、この度の「日常の謎」フェア開催にして対象作と相成り手に取る。

ウラスジ他諸々の作品紹介を鑑みるに、日常の謎としては、骨推理が怪しく、やはり、殺人事件被害者の骨格鑑定で事件を解決する骨推理のようだ、と、もう「日常の謎」作品としては無理だった。

せめて死後の殺人事件確立後、研究所保管の洗浄済骨格標本を鑑識紛いに鑑定する骨推理なら、まだ、まぁ、時効事件再考・再捜査なんて「殺人無し」前例もあるし、と思っていたら、まさかの元ネタ死体第一発見者(第1話、2話)に、その自身骨推理芸風すらからも逃げてみせた新本格的口撃合戦(ラスト3話)「殺人無し」お粗末ぶり。

ウラスジ「ライトミステリ」は、伊達ではなかったようだ。あえて「日常の謎」に分類するなら、せめてコージー指向位の補足や注釈は欲しかった。

え? 「大人気キャラミステリ」? 百歩、キャラミスとしても違うぞ、日常の謎は。

「本格ミステリ」? え? 

「新感覚ミステリ」? これでは、それこそ本格的には「自分達でも、どう振り分けていいか分からない」白旗じゃないか。結局「本格派」としての無難評価なのだろうな。

望月『ホームズ』かよ。

まさかの実写ドラマ版まで。観月ありさとはきついな。


息抜き(?)の道産子ネタには『最終兵器彼女』が過った。ミサイル乱射で即死バラバラ死体が転がる中を骨鑑定狂喜乱舞してくれたら、色々と救いになれただろうにな、と残念な思いだ。個人的にはグロ殺人事件モノ、のおまけとしての事件解決骨推理と割り切れば「なまら」面白かった。

BGMも、聖飢魔II(?)がOKなら、真性終末モノSFだけに乙なものがあると思います。バタバタ死にまくる中で面倒なのか、設定に割く時間がなかったのか、設定が粗いのが玉に瑕ですが、どうぞ。


後述KADOKAWA「日常の謎」フェアで挙がっていた一作、にして、唯一のウラスジ「日常の謎」明記作、にして、当方として唯一の「日常の謎」当該作。

中身は、酒の肴としての「日常の謎」程度のライトな謎の掛け合いなラノベドタバタ劇で、本推理でこそ、個別エピソードへの興味・関心は、ない様子。代わりにミステリ話題で唐突に横溝が出てくるなど、KADOKAWA自社忖度にこそ、ご執心のご様子。

分類では、こちらが「ライトミステリー」で『櫻子――』が「日常の謎」、『校閲ガール』は、ミステリー論外かな。個人的には、3品全部「日常の謎」対象外を、まだマシ温情・義理として。

作者や、フェア企画担当者を桜の木の下に埋めて、骨推理(を、桜酒宴花見大会)、じゃ駄目だったのかな。「公式が病気」な、唯の低質チンピラ揚げ足取りに、どのような信頼をもってすればフェア企画見返り(?)に通ったのか、勝ち取れたのか。いくら政治が無きにしも非ずと言っても、そこは本推理中身結果論だろうに。『ビブリア』剛力版出来ですら、未だKADOKAWAとして反省の色無し現状維持か。それこそ本「日常の謎」前例の話で意味不明。

何れにせよ、企画功績は企画功績、ライトに舐め切って酒の肴化かし合いを、素通しノーチェックは「論外」酷評で応えねばね。ヤクザのみかじめ料取り立てを通報で応えるのは当然だ。卑劣な政治的裏取引には応じない。


KADOKAWA「日常の謎」フェア(同後述参照、第2弾)で挙がっていたKADOKAWA自社「日常の謎」対象作品一(対象書店:紀伊国屋書店)として。

「うるせえマジ往生しろ荼毘に付させろこの野郎! そんで解脱できずに三悪道ばっかし永遠に輪廻するがいいわこの下品下生が!」

『校閲ガール』、宮木あや子、11版、90頁

さぁ、どう直す(どう「校閲」する)という作品ではないようだ。というより、結局、この、本「校閲」部分を描かずでは意味がないのでは。出版社個別事情の話だけに読者から言質を取られるからか。やはりそこは業務お仕事小説と言うよりは、あえて描かずなエンタメ青春小説のようだ。

と思ったら、やはり、最後は社内恋愛としての入社判断にして断念、ヤケ酒泥酔末(?)の転落(重傷)オチ。ウラスジ「ワーキングガールズエンタメ」は伊達ではなかったようだ。まずは「お仕事小説」から見直して欲しかった。


事前調査として『恋と禁忌の述語論理』読んだ中「人を殺させない」と聞いて。

田園風景の中で起きた取るに足らない「ちょっとした謎」と、その解決に、(云大卒高学歴に裏付けられた)数式も、奇蹟を起こす超人も、まして謎を世に出させさえさせない事前抑止の危機感や政治的裏工作も必要ない。

百歩譲っても自分を通し本道を外したキワモノ/変化球。

学園モノな悪戯中身、斜線堂の「日常」評帯コメントから。他コメント陣に東川で、もう本推理としては単に殺人事件モノで無いだけの、本推理としては、あくまで硬質な本格推理とフラグ。

いきなり密室殺人お決まりの見取り図。早速『氷菓』な「日常の謎」かと構えさせられたが、期待を裏切らぬマイルド井上な阿津川節だった。流石に堂々の探偵事務所(私立探偵)が出なかっただけまだマシか、といった辺り。

ゴチック太字強調ではなく、傍点(圏点)多用に、作者が古典畑なのが伺えたのが個人的収穫。最後の書き下ろしも、星空よりも天文台という「密室」が大事だったロマン無き本格畑解釈。血痕を絵の具とは、それこそ匂いの話だけに苦し紛れが見取れ、痛かった。

学園モノと言うより阿津川入門書。百歩天文台「密室」モノとして、老朽化著しい、多くの人々の手を渡り、世々を過ごしたアナログ遺産が突然倒壊、無事全員帰還する脱出サバイバル劇などでは駄目だったのかな。残念だ。

苦難を英知をもって切り抜け、結果的ながらも殺人事件無き推理小説への意欲はライフワークに拘っているのは理解出来た。後は強みであるザ・推理小説母体からの脱却・自己否定だけな準井上として。(新)本格という方程式を熟知したミステリー界の東大生は「日常の謎」という応用を解ける賢さか。はたまた、あえて解かぬ賢さか。「今後に期待」。

せめてもの中、実りあるコメントが聞けたのは何よりでした。締めコメント練っていた中の誤爆で、見事なまでの等身大《BBAわたし》(by北村薫)サンプル居合わせも、今となっては向こうから普通に「死ね」証拠固めと、良き思い出にして手土産でありました。

Wikipedia「日常の謎」項に挙がっていて。シリーズモノ一個別エピソード譚というだけで、もう結果は十分だが。

いきなり殺人事件。話にならん。

江戸人情に生きている頑なな人たちが主人公の人間に惹かれ心開いてくれる? 当たり前だろう? スパイ活動なんだから。

捜査のプロの人心掌握技術と素人自称探偵の地の人間を履き違える訳にはいかない、という事情は、ヴァン・ダインの二十則に遡り悖る話だ。

犯人関係者の懐に飛び込む話なら「ホームズ」で先例がある事。そのホームズも目的と手段は弁えていた。建前は、あくまで殺人事件事情聴取の中、対話にコロシを背負った現実が吹っ飛ぶ訳がない。

日常の謎は共感ヒューマニズムではない。殺人犯を逮捕する本格(シリーズ作)王道刑事モノの迷惑には代えられないので。

帯「日常」にして、これに準ずる「謎解きミステリー」らしく。

謎解きを繰り広げつつ、星座ミステリーの世界を駆け巡る――良い世界観だが、読者に提示される情景は、教室で「謎解き」もとい理科授業に近く、現場で天体望遠鏡を眺めつつ、資料と見比べる星座ミステリーステレオ観念な世界とは大きく異する、あくまで「謎解き」仕様な「分かりやすい」世界観(の物語情景案内)。

終盤は、どんでん返し展開なるも、唯の殺人事件な「悲劇」究明と興醒め。「日常」な舞台・動機に「謎解き」な推理・世界観だけに、結局最後は「星」オチかい、も相成り惜しかった。

帯「非日常」当てつけコピーに敬意を表し。

何より目を惹いたのは、連載誌『紙魚の手帖』に第一話掲載の、書き下ろしで、一冊作品分補強して完成→書籍化刊行、奥付は、同月月末付という、僅か一ヶ月以内で一冊刊行に漕ぎ着けた事。

惜しいのは、本当にリアルタイムで一ヶ月以内の既刊で刊行に漕ぎ着けられたのか、後は製本化の段階まで、予め溜めていた校了済のストックを、一話分のみ掲載して様子見、ゴーサインが出て(?)「書き下ろし」の体でストック分を一挙披露のサプライズ演出なのかを、読者が判断出来ない点か。

探偵と出会う「非日常」作品ならば、ワトスンが出会った『ホームズ』、一女学生が落語家と出会った『空飛ぶ馬』一連のシリーズ品と、往時の日常の謎作品、いや、推理小説として前例があり、日常の謎作品としても、推理小説としても、格別のセールスポイントでは無い。

中身も、パンチの利いた刺激無き、正に「早い」「安い」「美味い」出来。往時の文系的内省劇も無く(格別主眼に置いた様も見えない)、狂言回しがメリハリを作ってくれる訳でもない、一人職業私立探偵が浮き出た「非日常」モノ。流石、早いだけの事はある、ファーストフード、インスタント品、ザ・商業作品。「仕事が出来る」作者だ。数冊、数十年、まるで『ファウスト』の如し人生賭けた一品には、やはり透けて見えるラノベ的軽薄さ。

何がしたかったのだろうか。下らぬ当てつけ挑発は止める事だ。

百歩譲っても、アンチホームズ(アンチチート探偵)、アンチ推理小説――探偵モノの初心者向け――が、『コナン』なんて推理漫画がある中で、さて、どんな「初心者」なのだか。この際、アンチ読書な唯の脳筋も含めるべきか。

駄目とは言わん。輪の中の「非日常」などと言ったワトスン正ありき他人事に流せる抽象表現ではなく、輪の中の超人仲間外れの一切が標的だ、と言って欲しかったものだ。そうすれば、何だ、唯のムラ社会、村八分吊し上げ公開処刑かよ、下らない「社会」に縛られる「日常」だな、お前ら「社会」()様の迷惑の話で済むなど安過ぎる話だろうが、全員まとめて刑務所入って来い、と判断を下せるのだと言っているのだな。

作者情報によると、ラノベ上がりの「なろう」民。話にならん。そりゃ、ホームズを処刑するワトスンが一番支持されるよな。日常に超人はいらんのだからさ。日常の平穏を脅かす脅威は自分達が処刑(私刑)するんだよな。分かっているじゃないか。ぴったり一致だ。

サラリーマンも剣豪もただの人で、でもそれぞれに特別な物語がある

まるで名探偵のような
雑居ビルの事件ノート

うん、プロ一般人(無難に逃げ凌ぎ切り、内訳を「推理」させない、はっきり言ってゴキブリ)と、自己顕示欲イキリ厨二しかいないね。そりゃ、そんな「穏やかな空間」で起きている事は、村八分、私刑だよね。

そう。「正義(大衆)は探偵事務所に勝つ」な。探偵なんて「ただの人」だからね。法的権限さえ握った現人神とは違ってさ。

読者評にも見掛けたけど全然「日常の謎」作品だったね。「日常の謎」はおろか「非日常の謎」さえ、区分分けそのものこそ小馬鹿に嘲笑した「非日常」当てつけコピーに改めて敬意を表し「ゴミ」の特一等席を手配した。

何かの文学賞受賞の暁には、会場で爆弾テロでも敢行して参加者一同皆殺しに、反ホームズ(反チート探偵)、反推理小説、反読書な「弱者」に殉じる覚悟という事なのだろうか。で、まずはミステリーの雄の一東京創元社の首を討ち取り「弱者」に一糸報いたと。殊に日常の謎では坂木司とかいう爆弾魔が業界を荒らし回っている前例があるし有り得ない話ではないね。

非日常を受け容れられるのならば「非日常」に見世物吊るし上げの必要はない。「推理」して分かち合えても、もう遅い。やっぱり伝わらないね。「非日常」と吊し上げられた相手の身の上気遣いより、自分達の納得が大事だもんな。お前らの納得なんて、どうでもいいのだがな。

テロ活動(職業小説家が輪の中に浮き出たチートホームズ成敗・粛清)、頑張ってください。私からも日常の謎としては、いや、推理小説としては「選外」「論外」「ゴミ」として、その業界破壊活動に称賛を贈りたいと思います。


帯コメントが、何か揃って「日常の謎」陣(ただし本格推理兼任)で含むものがあるのかな、と。一ヶ月で「書き下ろし」をスピード刊行も、何処かの「オモチャ」様と似た制作経緯の匂いを感じ。

審査員の、選評(の抜粋?)かい。ま、いいや。ハズレでもないようなので続行。

さて、中身は女性の自殺に乱歩が関与(?)の実話が元ネタ、他、だとか。虎舞竜の「ロード」みたいだな。未解決と割り切り、新本格・日常の謎の謎解き推理ゲームネタという訳か。

そんなこんなで、乱歩は、事件の容疑者、最低でも関係者・重要参考人として警察の聴取対象、あるいは「容疑者死亡のまま書類送検」の身を暴露した、とても一推理小説として読める筈がないのだが、何故だか乱歩が生涯握り潰した「謎」解き話にスルー。意味分からん。

まずは乱歩を警察に上げるのが先だろうが。まずここでもう、これは、歴史モノではなく、ネタを下に好き勝手言い合う「推理」モノ、いや、「ディスカッション」(by坂木司)モノと興醒め。そりゃ答えは出ないよな。出たら逮捕(実態は事情聴取→即釈放としても)されるからな。時効で命拾いしたものだ。正に「死人に口なし」だな。何処ぞの棋士・棋譜を巡って、関係者が勝手・憶測独り歩き話を再見する不愉快さだ。

引っ越し魔。ポプラの『少年探偵団』を友人に投げた、良く言えば友人思いの太っ腹、悪く言えば公私混同/無責任。グリコ・森永事件(かい人21面相)、特にドイルが拘り、クリスティーも追った「締め」を放り出す未完。横溝正史(金田一耕助→金田一少年の事件簿)。弊害から、その後の紡ぎ手まで、あえて美しい瞬間を写し、その前後をきっぱり断ち切る姿は、歴史絵巻な清濁彩りとは程遠い「美しさ」。プロ野球よりも高校野球を観ている、いや、プロ野球選手の、高校野球時代を観ている気分。百歩青春の瞬間としても恣意的な切り抜き押し付けを禁じ得ない。

乱歩を離れ、若き頃の「太郎」を切り取った理由は何だったのだろうか。巧妙な網すり抜けに見え、作者の意図は最後まで掴めなかった。

何故か直接(?)の関係者で終わる不自然も気になった。乱歩自身でさえ横溝正史だというのに。ならば遺品整理に奔走したご子息(平井隆太郎)でこそ揉み消した(建前は「乱歩以前のエンタメ話に関係無し」だけど)理由は何だったのだろうか。

『サロメ』とか、そういえばリアルサロメ事件があったね。「サロメなら我々ミステリー界の物だ」。いや、素晴らしい死の商人、金の亡者ぶり。社会事象でこそ所詮は自社金儲けでしかないという事だろうか。それはもう、「かい人21面相」など、むしろ今こそ商機の強気だった事だろう。

元々ミステリーが乱歩外からな私には、(後天的知識として)立役者なのは認めるけど、流石に清濁溢れる彼の人間を描くには、些か恣意的な「絶対に穢れはない」「健全」箇所からの切り取りを禁じ得なかった。これで取り上げている内容が「禁書狩り」なのだから呆れるばかりだ。穢れを揉み消して、どの面扱いているのだか。殊に日本の、としての興味など論外だ。現・理事長の京極なんか面白いネタ先生なのにね。「サイコロ」を薪として焚火でもしてもらいたい位だけどね。「妖怪? (ウチの)超人で足りているわ。その妖怪が犯人で、探偵は、その妖怪と(ウチの二十面相と同じように)対決でもするというのか」とか、ね。いや、中途なザ・作家先生様様が頭で迷惑千万だ。

ま、日常の平定がホームズ粛清ならば、ホームズを首吊り追い込み/粛清するまで、な何処ぞのマシン作者様の「非日常」物語よりかは、まだマシ(こちらは自殺の重要参考人隠蔽(疑惑)・擁護と、救いようもない闇を公然エンタメ開き直りだが。乱歩の為なら「二十面相」こそ完走する未練無しとして)。やはりそこは「反乱歩」では作者が協会に消される懸念から業界癒着忖度ご尊像拝礼現状維持を選んだという事かね。いや、流石社団法人にブランドが保障されているジャンルだな(殊に乱歩の著しい神格化)と呆れるばかりだ。乱歩は、ミステリー界の乃木希典や東郷平八郎かい。

肝心な事には一切雲隠れの、他評に「もう決まった事だ。権威筋の期待には代えられない」開き直り強行強気っぷり。素晴らしい先生様様傲慢不遜厚顔無恥ぶりだ。

百歩譲っても謎解きエンタメ。宮沢賢治といった明らかに「アリバイ」的・作品ジャンル的/思想的に相容れぬ不自然な人物との馴れ初めや、美術家二人掛かりの人に恵まれ美化ぶりには、流石に「作者パラレルワールドエンタメ割り切り」を通り越し「現実逃避」「擁護工作」「宗教化」と、声も出なかった。「史実」でこそ、乱歩関係者としては書店一客人に黙ってもらう無個性化が必要だったのだろうな、と頷くばかりだ。

ドイル(ホームズ)は、外人なので、首吊り追い込み。乱歩(明智小五郎)は、日本人なので、セーフ。こんな「愛国心」、如何思われますか、戸川安宣様。とりあえず坂木先生は「押し寄せる反・超人潰し波には抗えませんでしたw(てへぺろ)」ヘラヘラ体たらくで「和菓子」でこそ売り飛ばしてみせた「弱者思い」「客目線」ぶりを律しましたがね。

乱歩信者の教典か何かかな。平井隆太郎さんの墓前で「太郎万歳!」ででもやっていてくれ。邪魔だ。「史実」なら、せめて史実と、創作脳内補完話を、きっぱりと割り切ってくれる「後世の歴史家」的俯瞰視点が欲しかった。信者を放し飼い、判断をぶん投げるとロクな事がない。印税で礼拝堂でも建てて祭壇に飾った乱歩肖像画の前で拝礼でもしていてくれ。邪魔だ。

ロジックを編み込む事に夢中な推理オタクはいたけど(現に日常の謎が、その内一つ)、作者(乱歩)軌跡スルーの、脳内補間信者は初めてだ。素晴らしい独創性と健常さに唖然とするばかりだった。

さらわれた(?)女学生/令嬢が人魚服着せられ水槽に放り込まれて窒息死寸前(※小学校図書室の本だったな)。

女体盛り。心中。以上。

江戸川乱歩(文豪とアルケミスト)

自信家で、ふてぶてしく子供っぽい言動が目立つ。

江戸川 乱歩(『文豪ストレイドッグス』版 紹介文

それが人としてどうかという倫理性にはあまり関心がないようだ。

江戸川 乱歩(『文豪とアルケミスト』版 紹介文)

おお、それそれ、ごもっとも。

幸あれや。


複数件が絡み合う中の内一編としての「日常の謎」。動機は、同ジャンルの神髄を北村に遡るもの。(ゆるい)新本格読者向け。

著者「日常系ミステリ」から。

序盤のコミカルから一転、警察沙汰なシリアスラスト。(日常系)エンタメに割り切らせるには文芸発に恥じない一介護モノ過ぎた。

「日常の謎」どころか「日常ミステリー」一つ著書自身としては挙がっていない中、何故か「日常の謎」特集で挙がっていたので。試しに、と読んだデビュー作以来の同作者作品。

いきなり銀行強盗→逮捕→家庭裁判所出廷。話にならない。これが「日常」とは、要するに彼は『コナン』『金田一少年』の如き(密室)(殺人)事件を呼び寄せる死神の「日常」かと、いきなりフラグ。

――と思ったら概ねその通りだった。犯罪者の「日常」かよ。本職医師先生がいるからね、日常の謎は。むしろ知念、いや医療ミステリー指向のようだ。

真性の若年常習犯を何とか更生させたい調査官の気持ちは理解出来たが、ラスト、「正義のヒーロー」を貫徹という事なのだろうか。結局、非行少年の正義の鉄槌(私刑)劇。犯罪行為でこそ「悪」を成敗する「社会貢献」だからセーフ――素晴らしい反社肯定論だ。〇〇狩りでこそ「悪を成敗する正義のヒーロー」と擁護するつもりだったのか。

序盤がアウトと分かっていた辺りだけに、この、いつの間にやら再犯を再収監の現実を握り潰し、犯罪者の私刑擁護へと一転肯定した飛躍は、とにかく相手を肯定し、擁護する青春小説としては有りでも、ミステリーとしては、結局犯罪に生き続けるしか術無き弱者の末路、それ以前の論外。大いに失格だ。

せめて「イヤミス」「ピカレスクロマン」の方向で売り出して欲しかった。


作者が作品進行を「日常の謎」な連作ミステリーとして書いたらしく。

中身は、殺人事件を、安楽椅子探偵な「殺人無し」と、余り本推理部や作品世界観では参考にならなかった(関わりあいたくない)、文系も理系も関係ない様子。

希少な早川、それも本家HMレーベル品での言及には、全体で歓迎する一見の価値ありとして。


「幽霊文字」な「暃」さんが「暃」字をもって「悪」を成敗し、最後は「名探偵」に糾弾されるも「自殺」と、のらりくらり逃げ切る(だったかな)話。

「暃」字議論「大喜利」が主要を占め、答え合わせでこそ犯人が逃げ切れず主人公が糾弾するも警察沙汰の実力行使には訴えない甘さは、正しく「日常」、いや「日常の謎」だ。

CGIをもったPerl実習等で、文字コード関連をjcode.plで助けられたりで、文字コード関連には一家言持っていた――5C問題などは、本当自分事だったね――身の中、吉本系列なテレビ番組が、どうとかで、完全に調子に乗っているようなので、憚りながら一浅学「暃」才が刺激受けて作ってみた。Android端末の方、興味がある方はどうぞ。

三 非日常モノ

文言を拾えばキリがないので、「ミステリー」ジャンル品かつ、明らかに「日常の謎」当てつけが認められる一部のみ。

古く「冒険活劇」と呼ばれた「(SF)アドベンチャー」では駄目なのでしょうか。ミステリーとしては言葉遊び「理屈」で通り、「才能!」とさえ称せられようと、その「論破」対価には甘受してもらわねばね。

船内で「日常の謎」な「非日常」体験譚。『柘榴』の系譜かな。

反「日常の謎」姿勢を明確にした書名もさることながらコロナ禍「非日常」事態への悪ノリアンソロジーの企画開始経緯。

その一方、当該「非日常」に言及した「非日常」作品は該当なし(担当編集と作家本人の連携不十分?)の為。

当初企画開始時通り、コロナでこそ我々作家が名案を繰り出す面目躍如だ、コロナ非日常自粛期間賛辞だ、と息巻き、コロナ「非日常」理念を貫徹した非日常作品を繰り出させていたなら、「日常の謎」など目でもないコロナ「非日常の謎」作品アンソロジーと評価も変わってきた事だっただろう。

担当編集の崇高な非日常理念に反し、講談社タイガレーベル発という点も、また意味不明。争点がラノベ層、次代の若者ではない事項に、何ら関係のない事だ。

中身も、SF開き直りの「非日常」披露合戦。空想アイディア自慢大会ではないのでね、日常の謎は、いや「推理小説」は。謎をハコに落とし込めないと駄目(酸いも甘いも把握し、制御出来ねば駄目)で。異世界転生モノ開き直りなら「なろう」、SF開き直りなら東京創元/早川読め、なんて「日常」馴れ合いに「非日常」引っ張って来た「非日常」作品が遂に不在だったのには残念だった。

この担当編集に、この作者×信者読者――「仲良くやっていてくれ」。騒ぐのは結構だが、だから即ち自分達だ(。自分たちが正となるよう定義を改竄しろ)、とまでの増長を許してきたのならば、話は違う。数内訳を履き違え、目先の数に酔い、等身大/当事者「市民」本人を大義とし、強行するなら、単なる賊の暴動として鎮圧する。

四 トロッコ問題

「殺さず」チャレンジとして古く(上記記事案内通りだと、1960年代と、戦後程度の「最近」ですが)から提示されていたものの、2000年代になり突如話題に挙がった「謎」。

殊に上記回答例はニュースにも取り挙げられた。

習う筈がない(そもそもが起こり得てはいけない)ドリフトテク、分岐の幅、とツッコミどころ満載だが、回答としては面白かった。

個人的には、野球盤の消える魔球紛いにレールが坂道になってトロッコを地下に降ろす方法。第三者(指令所)が制御出来、レールを脱線せず、三方全員を助ける。ただし、止まるまでの数キロ先で分岐先の非常事態を周知している場合に限る、分岐地点に要・地下退避施設建設、等――素人の浅知恵ですね。失礼しました。

殺さずなら(京早)大学ミステリーサークル/ミス研の門扉でしょうに、ね、北村薫親分先生、綾辻行人先生。やっぱり推理小説業界は似非インテリ達のメンツ威張り合い、強請り合いなヤクザ業界で相違ございませんでしたでしょうか。しょうがないですか、あくまで知的遊戯ですから。

答えではなく、数をもって答えを出させない(妥協を絞らせない、作らせない)「大喜利」カオス混乱こそが(答えを出させない為に)評されているのならば、それは答えは「大喜利」だ。

アプリ(日常の謎)

・ミステリー、謎解き、日常の謎が好きな方

このゲームについて【こんな方におすすめ】

「日常の謎」な推理モノらしいので。Google Play版をプレイ。

依頼人が持ち込んだ「謎」を解決。「日常の謎」というより「日常の謎」な安楽椅子探偵モノ(事実、傍目には、ずっと座ったままと錯覚させられる)。

無所属な帰宅部同士が「日常の謎」受付窓口を設ける為に、結果的に「部」設立の体を呈さねばならなくなったものの、まさかの文字通り「帰宅部」。もちろん文字通り依頼人をスルーして帰宅する部ではない。『相談/探偵部「日常の謎」支部』とか、もう少し何とかならなかったかな。

ゲームとしては、三択から制作サイドが正解とした項目を順に選んでいく三択問題集。進行状況は1シナリオ単位で自動セーブされ、総当たりでクリア出来る仕様になっている。

推理が二転三転する箇所(どんでん返し)があり、これをキャラの考察状況に合わせてなぞる必要があり、この点が、読み飛ばせる(紙)小説よりも進め難い。依頼者(が提示した事件)よりも全員の心理状況を考察し、推理し、選択肢を選択していく必要がある。

クリア後はセンチメンタリズムな後日談シナリオが進行するが、飛ばす事も出来る。唯、謎を順に解決していきたい(さっさとシナリオクリアしたい)ユーザーと、シナリオも併せて楽しみたいユーザーへの配慮が見られた。

デザイナー、いや、脚本担当は『氷菓』止まりで進めたのかな。やや強引な正解・シナリオ展開も散見されたが、母体のミステリー業界こそが理屈付け比べ自慢大会だから、しょうがないね。

同一人物が再登場し、再度依頼を行う等、本推理がシナリオの延長にあり、シナリオを大切にしているのが良かった。

合服(?)/夏服/冬服

シレっと服装が季節仕様へと移り変わり、漠然と用意されたシナリオをクリアする作業ゲーではなく、季節が変化している最中の一コマという演出も良かった。

×月×日

それだけに「部活日誌」の記述が「×月×日」な仄めかしは、いただけなかった。

ディスカッション/推理パート

本推理のシーンを「推理パート」とのシーン割り切りが「ディスカッション」となっている微細な表記揺れも気になった。推理の為の議論(というより依頼者聴取)であって、議論そのものが目的ではないのだが(結局全方位に目を凝らす伏線となり、結果的には「ディスカッション」で良かった訳だが)。一つの正解を算出するのであって、そこで出た答えがどれでも良かった筈がないのは、それこそ正解探しのゲームが立証している事。

確かに著作の推理シーンで「ディスカッション」と表現した作家に、坂木司とかいう「日常の謎」貢献著しい大作家先生様様がおられるが、かの如き不一致の弊害を下す皮肉となったと知ったら、どう判断されるだろうか。

推理監修/ブレーンや企画/ゲームデザイナーとして同作直接の関与でもされ、明確に作家本人の推理方針が反映されたという事なのだろうか。その辺りの著作権・名誉棄損・業務妨害認識の、恐らくは「ともかく持ち上げておけばセーフ」「迷惑を掛けてはならない」甘さも併せて争点となった。そこまで「作家」そのものが聖人不可侵域なのかと唖然とさせられた。

直接どころか、ゲームという、そもそものフィールドを離れてこそ(恩師にもなる)職業小説家を超えてすらも「名誉棄損」でならない、とは、いや、それはもう「ゲーム」の時点で、どうやっても無理な話だな。

駐車場一つ作るのに「車止め」で知られる稲川淳二に、書類申請どころかイチイチ頭を下げに全国探し回る義務があるのか。「挨拶がなかった」なんて無礼者扱いされるのか。おかしな話だ。

0埋め3桁、後付けで幾らでもシナリオを付け足す課金ゲームの懸念に対し、全45シナリオ完結という点や(強制)広告のフリーゲームな点も良心的にして切り上げた経営サイドの潔さが窺えた。

惜しむは、強制広告ゲームな点か。そこら辺が判断を間違えちゃったかな。広告無しの有料版が欲しかった。

クリア後

まるで開発陣にファミコン時代以前の古い人、あるいは感化された次代の方が混じっていそうな古き良きタイトル演出。裏面はありません。在りし日を振り返るだけです。


「日常ミステリー」らしいので。

上記「日常の謎」アプリが、アプリ全域に作品の糸を張り巡らしている中、本作は、より本推理謎解き方向に特化したもの。

内容は、画面から不審に思った(制作サイドが用意した正解)謎箇所をタップしていくだけ。

謎解き集なので一シナリオ毎に自己完結。後日談が入り、個別シナリオ毎としてはストーリーを成立させている。ミステリーを、ゲームエンタメとして追求した末の打算の賜物としてならば理解出来た。

単調なようで、上記ソフトに同じく制作サイドが用意した正解を「推理」するゲームで、実質は謎解き(謎探し)ではなく正解探しに近い。

そしてその正解探しも、正解以外は無機的に同じ「間違い」画面一パターンで無慈悲に切り捨てられる。

無限コンテニュー可で、同じく総当たりで、いつか正解に辿り着けられるとは言っても、日常の謎的には、余りに無為な作業を繰り返せねばならない虚無感を痛感させられる。

単調な本推理特化だけに、せめて間違い毎に、間違い後のパターン毎、フォローを用意するゲーム・シナリオ追及は出来なかっただろうか。

後、レビューにも挙がっている事だが広告の多さは何とかならなかっただろうか。推理特化は間違っていないだけに惜しかった。

おまけどころかプレイこそ認めぬ強硬な強欲正規一択ぶり。正に本作を象徴する措置だ。

同人サークルによる同人ゲーム。そして絵の具合からがクセがなく商業レベルのクオリティーで次元が違う。シリーズモノで2023年5月現在、既に4作が制作されている。

内容は、骨董品屋の探偵にヒロインが日常な謎を持ち掛け、現地調査。

プレイ時間三〇分程度、と上記スマホアプリ二作同等のライトな遊びやすさもポイントだ。

あのコクトオさへ信じた神を!

選択肢による分岐先を持たず即BAD END二作に対し、唯一分岐シナリオが用意されているものの、正解ENDパターンは一つのみ。シナリオの長さに対する選択肢が占める比率の高さに、実質は上記二作と同じく初見殺し総当たり。

シナリオも2023年5月現在、最早今や『コナン』が銀幕スクリーンに業界旗振り役を買う先手を切り、「日常の謎」にこそ、尽力した方がおられる深いテーマを突いた内容だったが、本第1話目としては、旧態依然とした現状維持無難に締めたのは惜しかった。それも純真ヒロインの悪意無き無邪気さを大義とした救い無さで。

ささやかに、シレっと賞まで受賞した出来は何だったのか。客の現状維持需要を支持した信頼か、これを一蹴した文芸的高尚さだったのか(それこそ「ラノベ」ではなく「文芸」としての提示だったね、あの方は)。

しかし、イースターエッグ(ドラマでは団体が参加していた本気の拘りぶり)に、黒糖に、どら焼き、そして小倉に、庵、ね。それで、この現状維持だったのか。本当、最早これで疑惑とはいえ二作目。「唯の媚び諂いなど要らぬわ!」ボコボコに殴り殺したい殺意は湧かないのでしょうかね、あの大作家先生様様は、こんなお仕着せのいい子ちゃん「日常」マシンが、ゲームに、二作も出ている中で。いや、よく分かりません。

いや、まさかね。今や一大「市民」連合を蹴り、私自身としては、何ら唯の一サイト(無期限)出禁程度でしかない痛手内訳の中、むしろ坂木個人から「日常の謎」そのものに羽ばたけた身だなんて、いや、今更だよな、それこそ草の根「日常」の「市民」様方にとっては。

願わくばヒロイン成長劇も併せたシナリオを信じたい所だ。

七時間近くも、流石に休日を一PCゲームに割けない身なので、取り急ぎ一話限りまで。

ご馳走様でした

ツートンなシックさがコーヒーに掛けて粋な演出だ。

書評動画(日常の謎)

聖域無き相互監視として。

日常の謎って私、実はこれで

出会ってたなっていう
1作を持ってきました

私も松原秀行先生の『パスワード』が出会いでしたね。同じ「青い鳥」出身作家の読者同士「出会ってたな」の方向でお願いします。。

「こちらの作品、まだ未読なんですけど」

いや、読めよって。その読んだ一男性読者が米澤だというのに。

「女性が主人公の作品読んだら消すぞ」なんて脅迫状でも届いているのでしょうか。はたまた女性主人公の作品を男性が読んだら消される「日常」集団に身を置いての読者共感擁護(反北村、反日常の謎、スパイ)という事でしょうか。ミステリ総合の方が、自身身の上以上の、何を恐れた、何への気配りだったのでしょうか。分かりません。

既婚者だけに「嫁回答」でこそ答えられなかったなんて、余りに書評活動家として致命的だ。

実態は、((中立でありたいからか)他所を挙げられなく、要望もあり)自身当該作自推。

私の上記「基準」に則れば(略)。

しかし「地味」か。それはもう、殺しの暴力刺激や新本格的「殺人無し」口撃舌戦、「正義は勝つ」勧善懲悪正義な「派手」なミステリーじゃない。というより恣意的に「派手」を取り払った「地味」なミステリーとでも言うべきか(「謎解き」を追い求めた北村は、正に、この「地味」としての認識だろう)。「(『コージーミステリー』『ライトミステリー』等、当該競合ジャンル前例ある)ライト」はあれど「地味」は初めてだ。言い得て妙で光栄だ。

そういえば「エロ」は1名しか知らないな。他は「ラブドール」の1人だが、故人だし、あくまで「ラブドール」という種類の創作物人形スルーの話で、文字通りに「エロ」を取り扱ったのは(それも女性問題――「見せてるんじゃねぇよ(概略)」「好みで着ていただけ。見せていない(概略)」――昇華として)1人だけだな。普通にエロ行って(性描写はなく、前記例な仄めかしが手一杯ながら)、最後は「日常」的穏やかな文芸的流れで締めで、めでたしめでたし、なかった事(本心は周囲を慮っての強がりなのだろうが)、などという、中身でこそ極めて稀有な例外として。


さて、せっかく挙げた事だし軽く。

服装(制服)が業務仕様で「日常」としては、おかしいな、と思ったら、まさかの警察(小説)かい。探偵役が(刑事)犯罪推理が業務な「日常」とは厳しいかな。と思ったら、確かに「人が死なないミステリー」としての紹介か。失礼。

中身も、理想に反したらしい(だから自身が兼任に臨めるように絵師を押し出すようにした?)リアル志向な表紙絵から嫌な予感がしたが、やはり、いきなり家出少女に、強姦未遂(後、シレっと逮捕の警察小説的後日談オチ)と、あくまで通話(依頼)内容が「日常」的穏やかなまでで、その中身は、通報に足る案の定の警察沙汰事件に対する警察出動要請依頼な警察小説。通話中のドタバタコミカルは、むしろ「警察」お仕事ミステリーの方が近いか。上の通り、エロは若干1名いる中、惜しいね。「ポスト坂木」とか、いりませんでしたか。

せめて広く電話番全般での模索(航空管制官な通信士で前例があったな。『推理は空から舞い降りる 』だったか)や、どうしても警察小説当該職ならば「私服」位のTPOは弁えて欲しかった(SPのような、あえて私服に臨み潜む職だけに)、日常の謎としては。

イベント/フェア

キリがないので(「人の死なないミステリー」で過労死滅私奉公せよ、など悪い冗談だ)、コーナーカリスマ書店員の書店個別展開事情や競合ファン特集を除く。

KADOKAWA公認として挙げてくれるのは助かるばかりだ。そして「日常の謎」発祥の地東京創元社として起こり得なかったのは残念であり、真性文芸でこそ、所詮は会社規模の話でしかなかったとは皮肉な話だ。もちろん、私自身の認識は、フェアそのものも合わせて「聞いていない」である事は、お伝えしておきます。

KADOKAWA作品として「日常の謎」作品に携わっている若干2名(北村、米澤)に、1名(坂木)が除外の様子だが、何があったのだろうか。メジャー処は、あえて除外した零細優遇の新規開拓意図だろうか。あるいは戦犯への処分措置だろうか。丁度2023年10月直近と、北村『遠い唇』増補版刊行タイミングと興味深い話だ。

同人誌(電子書籍)・自費出版

増えて来たので(感謝)。キリがないので(略)。

「青春日常ミステリー」らしく。本同人関連での確認時点としては、建前も本音も一致した唯一の「日常」ミステリー専属品。

Amazon品もあり978(日本)始まりではないとはいえ、ISBN付きも貴重な格の違いを伺わせ、文芸同人でこそ「薄い本」での内輪馴れ合いで終わらない、作者の本気ぶりが伺えた。

中身は、自分から「秘密」を掲げたヒロインが消失する「秘密」の「謎」解きで、いきなり文芸部に男女文芸論争と『氷菓』が過る「日常」品としては、ありきたり。推理自体も容易にして、作中材料で回収出来るものなので「秘密」とする。

一番のキーパーソンにして、書き慣れていないだろう人物を故人に握り潰させ、存命者達の憶測事で進められる展開は、作者の書き慣れた経験・技量(もっとも内輪同人馴れ合いとしてながら)、そして「日常」ミステリー前例への理解を見た。

現に「あとがき」では、男主人公側としての、一部が、ほぼほぼノンフィクション(自省録)らしく拘りの裏付けがとれた。後ろ指差し「明日は我が身」が、文芸信念に優先する「日常」ミステリー界において、北村でこそ、そもそもが読み物割り切り無責任の中、作者が「犯罪者(もちろん本人でこそ自責念からの思い過ごし冗談半分)」告白とは異例事。

奥付はないが、Amazon商品ページでの日付は2024年1月末辺り。何か問題があったのだろうか。奥付付きを商品掲載条件とする前例まで知っているだけに気になった。ISBN付加に必要ない権威筋への皮肉だろうか。まだ(内輪馴れ合い)同人抜け出来ていない作者の専業(プロ)作家覚悟への甘さが伺えた。

思えば、表紙絵も、誰の制作か記載なしで怪しい。兼任の「自作」で不要だったのだろうか。それとも担当絵師との秘匿条件の契約だったのだろうか。それすら外からでは判断しかねる、結局は商品評価へと還ってくる記載なし「謎」ぶり。

何れにせよ、今は、あえて外野に甘んじ、その恩恵を被り「死ね」に舐め切りすらした、歯牙無き清く正しく美しい「お客様」よりも「犯罪者」の「自首」台頭を素直に諸手で歓迎したい。


紹介文「日常ミステリ」読者評として。

紙版実物に触れて自費出版品(≒同人品)、「あとがき」の「リンク」記述で、作者ワールド(同人)自己完結品と、早々に文芸発当該ジャンル品としてフラグ。

推理は、凡百の育児探偵モノ+シンママ経緯自省劇で、その分野をあたればキリのないもの。一ミステリ読者としては、各話末尾のメッセ相手全員が犯人の伏線と期待したが舞台小道具演出以上の大した意味はなし。

より直し三流劇でなく同性友人を見つけての現状維持は、つまりは、どこまでも惰性に倣う「本人意思」だったのだろうか、と、同性視点からのシンママモノとしてこそ面白かった。

とりあえず若竹/北村的「日常の謎」の気配一切なしなシンママ育児モノなだけで、私としては一ミステリモノとして割り切らせるもので十分。

電子書籍(Kindle)品。「日常系ミステリー」らしく。

中身は、まず見取り図付き密室トリックや、タイトルに冠した「読者への挑戦」で、日常ミステリーというよりは、むしろ「推理小説」全般への崇敬窺える初々しさ。

その分、既存様式美に酔い、自身血肉飲み込みとしては、唐突の「ブルマ」他各種チラが、性的志向の返事(答え)でなかったり、三角形のルート数式が、時間/速度答えでなかったりと、その分野を得意分野とする当事者が「エロミステリー」や「数学ミステリー」を創ったのではなく、ネタお題建前を、あくまで自身本格ミステリー愛本音が解決する(当事者ではないが、何故かネタに上がっているので、取り入れはして(顔色は窺って)いく)なミステリー愛にして同ミステリ読者忖度な「謎」な流れ。そりゃ自身が乗られないし、そもそもが、お膳立て忖度で十分のもので、お題にマトモに乗る必要はないものだよな。素晴らしき客目線。

――え? 何で閲覧者様へ向き合わないかって? 「人の迷惑考えろよ」って「被害者」様は、コンクリートミキサーに放り込んでグズグズの肉汁にしたくなる怒りを覚えるのですよ。本当に助けが必要な方が、まずネットで被害者面喚き散らしなど、障碍者自身事として、おかしいでしょう? 推理小説、読んだ事ないですか? 人を疑った事、ないですか(「日常の謎」は疑いは、しますけどね)? ブルマどころか「2ちゃんねる」も聞いた事ないですか? ブルマは時代の流れに淘汰された時節ネタでも「2ちゃんねる」は、日本のネット(黒)歴史の話ですからね。「知らない」は「知識がない(物事を判断出来る状況にない)」という話なのですよ。女子供でこそ三文芝居に嘘ついて始末させるのですよ。

奥付によると発行(電子書籍制作協力元)は「ココCLAFT出版」という、自身の発行元名義自作自演、または単なる金の問題ですらある自費出版、百歩本物出版社としても流通の零細枠「疑い」、少なくとも紙版すら無き、上記自費出版確定シンママ以下として。

ま、まず「ドブネズミ」共の皆殺しから始められてはいかがでしょうか。コピペ丸投げに頭下げて代行請け負うマシンが、それは歓迎されるものだ。

ネット小説

キリがないので、上位作品ならびに/もしくは、明らかに私本人見解による仲裁が必要そうな極々厳選一部のみ、を、とても足場そのもに囚われている時間はないので、軽く足跡残し・乱読冷やかしまで。

小説家になろう

リンクが利かないのでブランド程度の周知徹底も兼ねテキストリンク。

  • 探偵など要らない学園生活

    • 学園モノ、を、開始早々、いきなりラノベ志向な美少女JK登場。
      勝手にやっててくれ(爆発しろ)。
      せめてCase 0位は読了する誠意で臨んだつもりだったが、いきなりの「なろう」常識洗礼を浴びるとは思わなかった。
      余りの「読みやすい」平易な文章も争点の一つとなった。これを約80万文字は苦行だ。余りに私は小説=(なろう)ラノベとして育った者では、なさ過ぎた。

  • 「日常の謎」の作り方

    • 堂々の既存下書き模倣→オリジナル昇華な、講師の塾生でも、独学でもない、(独学の)教科書上がりだとは恐れ入った。
      自分の感性を信ずる(≒横見るな)若竹/北村見解とは大いに逸脱する見解だ。
      実話を裏付け論拠に持ってくる辺りは佐藤と同じだな。個人的には、最終確認ではなく、現実社会に論拠を求めるというのは、そこまでして作者自身が、そもそもが「推理小説」に向いていない感性人間と、創作活動を中断していただきたい一大事項と認識している。

カクヨム

検索条件が恣意的なランキング不正操作扇動志向で、どれがどれだか分からない。素晴らしい一貫性至上/新参即排他、大手確定な、階層内で別格を作らせない「日常」横並びサイトだ。

累計ランキングでキッチリ「日常の謎」を謳っていた上位作品。

第一講は、サブキャラとのじゃれ合いに終始し、推理無し。オリエンテーションだったか。この分じゃ哲学ネタに足元を救われそうだ。

エブリスタ

書籍化を超え、最早「日常の謎」一端を担う別格の望月「京都ホームズ」シリーズを除く。

エピソード0読了まで。

警官を経た職業私立探偵が相棒の時点で何も信じていなかったが、脳筋が暴力で悪を成敗する、やはりその通りの内容に認められる出来だった。

ネット動画

動画全体をもって「日常の謎」ミステリー作品の動画作品。

キリがないので(略)。

元・プロ(本人は「かつて」と自称)推理小説家関田涙による日常の謎。時世柄か、何故か動画による文+朗読(音声読み上げ)配信。電子書籍、小説投稿サイト、ブログ、何なら、そのままホームページ一コンテンツに掲載などという選択もある程、テキスト媒体での提示は未だ健在の中(全世界の次元で支持されるX/Twitterが、正にその証)、やはりテキストを、捨てたら捨てたで動画相成った、児童作家としての読書目線や、業界人の自負・矜持が許さないという事なのだろうか。

さて、塾講師主人公が不審な動きを見せる生徒2人の「謎」を解く話。起承転結メリハリ、トリック、そして何より同「日常の謎」を尊重した児童書な世界観…主人公が主人公だけに、正に推理小説塾講師の、教科書手本を読む出来栄えだった。

それだけに、下記通り、表現手段が動画でなければならなかった方もいる中、安直な動画載せブーム追従(?)の滑稽は、残念であり、惜しかった。


「日常系ミステリー」らしく。

中身は、教室が不自然に掃除されている事の「謎」解き。殺人無しも、仕掛け主が犯人として御用になる(もちろん学生だけに逮捕は無い)ギリギリぶり。

ヒロイン画像は東北きりたんだが、素材画像なので気にしない。

動画作品に関しては、密室モノの推理小説自体、見取り図が様式美にもなる状況の可視化補助、機械音声も、阿津川辰海が犯行声明を機械音声に喋らせる作品を書いて業界として前例あるので問題ないでしょう。


同じく別作者による東北きりたん「二次創作」品。中身は、文化祭での「文房具屋」の商品が高い「謎」との事。

シルエットや考え時間演出もあり、往年のサウンドノベルやクイズ番組オマージュが見てとれ、小説ではなく動画作品での表現相成ったのだな、と好感が持てた。

ミニコラムまたは紙片断片

一 「日常の謎」一番手は北村薫? 若竹七海?

ここまで順に読んできた読者なら分かっていると思うけど、私的には企画・設計=若竹七海(、戸川安宣)、実践=北村薫。よって若竹七海>北村薫。

若竹七海は『ユリイカ』1999年12月号にて「極私的九〇年代女性探偵総括」というコラムを寄稿。この中の日常の謎の件で北村薫の『空飛ぶ馬』『夜の蝉』『六の宮の姫君』(今や全部《円紫さんと私》シリーズ、一シリーズ作)を挙げている。「日常の謎」裁断の権利は若竹が握っていた。

一方の北村薫は、まだ未調査ながらも私の知る限りでは該当なし。読書家の北村薫の事だから、きっと若竹作も読んでいた事だろう。もちろん、媚び諂い忖度を殴り返すものを持ち合わせてなどいなかった事は周知の事実。

今や、まず北村薫が男性をバラし、米澤穂信『氷菓』を始めとする「古典部」シリーズが対談者北村さえ遮ってみせる独り歩き、そして坂木司とかいいう、事実上専属の日常の謎もとい日常ミステリー作家さえ搬出してみせた「日常の謎」現実を、どう思っているだろうか。是非とも聞いてみたいところだ。

興味深い両者見解を一つづつ引用する。

犯罪事件と違って<日常の謎>は、謎を謎としてとらえる目、感性がなければ、そもそも謎そのものが存在せず、従って探偵も存在しえない。

『ユリイカ』1999年12月号「極私的九〇年代女性探偵総括」若竹七海

とにかく、見つける気になることが重要なのです。そうすれば,
世界は豊かになる。

『週刊ポスト』1998年7月17号「著者に訊け! 北村薫氏--殺人を書かないミステリー作家の日常の謎 シリーズ第5作「朝霧」」北村薫

共に、そもそもが謎でない、下らない事象を「謎」と見なし、あえて推理し、一定の結論を下す点を互いの語り口で挙げ、一致している点が面白い。

ま、受け身ありきで「餌、よこせや」と、あえて客を選び、履き違えた真性の、喧嘩売りにすら来た傍若無人(荒らし)に、客の椅子でこそない、人を選ぶ、選んでいるミステリージャンルという事ですね。

二.一 コージー・ミステリー相違調査顛末記1

日常の謎のレジェンドがコージーと兼任とは驚いた。

「日常の謎に対するコージーを説明してみろ」と要望が上がっているのですがどのような認識でおられますでしょうか。

ただでさえ競合という現実がある中、同著「解説」で若竹本人による「コージー・ミステリ」定義案内が引用されていたので再引用してみる。

小さな町を舞台とし、主として誰が犯人かという謎をメインにした、暴力行為の比較的少ない、後味の良いミステリ――これすなわちコージー・ミステリです

同書光文社文庫版「解説」

警察沙汰な殺人事件の後に「後味の良い」オチとは、これ如何に。

本格な推理小説として止むを得ない残念な殺人過程にして犯人逮捕結果は、この際容認し、せめてもの希望の光を見出す、という事なのだろうか。

「いや、殺人で《後味の良い》など終わった事。まして身内が犯人など、むしろ皆で殺しの残念を共有し合うものだ」なタブーにもなる、だからこそ唯の謎解きにも解決の重要度を下げてでも謎解きの本質を死守する日常の謎とは全然違うようだ。

「暴力行為の比較的少ない」か。ボコボコリンチはNGで、一発KOはOK、マシンガンでハチの巣/肉塊はアウト、ライフルで一発はセーフ、といった所か。

全国・全世界の時代に「小さな町」って何だ? 「地域密着」程度か。

まとめてみる。

  • 殺人はありも目先の事件に囚われてばかりでもいけない。

  • 適当に被害者を出し(推理の理由を作り)、適当に推理し、適当に犯人を特定し、適当な「後味の良い」展開で丸く収める。

  • 本格ロジックパズルゲーム割り切り新本格でも、殺しを直視し謎解きの実現には殺さずも止むを得ない日常の謎でもない。

  • 後味悪いイヤミスは明確に否定

日常の謎を前にした結論としては、やはり適当に一連の流れを凌ぐ、やり過ごす「無難」「微妙」で相違ないようだ。

答えは出ているけど、念の為古巣用語定義を見てみる。

正に「これは酷い」だな。何とか定義を押し込め記事の体裁は保たせられた苦し紛れ。こんな「いや、あるじゃないか」レベルで、紛いにも一編集者として記事初版作成/寄稿にも記事編集に携わった当事者一に言われたくないものだ。

二.二 コージー・ミステリー相違調査顛末記2

「コージー」に拘らず、あえて「ライトミステリ」なる用語を新造、移行の方が分かり易いな。具現化出来ない感覚的曖昧さは、具現化が至上のWikipediaなどは、さぞ気苦労が知れる案の定の苦し紛れとなった訳だ。お疲れさん。

何だ、ありましたか、ライトミステリー。兼ねてより紛らわしくて相応用語へ変名しただけの水平移行を希望していた私にとっては、既存のハコへ売却→吸収合併程度だった「間違い」に過ぎない話だ。

何作か日常の謎としての紹介作が「ライトミステリー」の作品として挙がっていたが、まぁ、良いや。向こうもさぞ曖昧の中での苦し紛れだろうし。

枠にはまりたくない、いや用意すべき無名のホワイトボードの手配すら拒絶、唯推理小説なら推理小説で制作の一時を乗り過ごしたかっただけの無難・普通同士、仲良くやっていてくれ。

日常の謎は、知名度からの「ライトミステリー」混合こそあれど、用語定義としては安泰だな。自他で定義・実例が明示されている。末永くあらん事を。

二.二 コージー・ミステリー相違調査顛末記3

殺しを直視し「いや、唯の謎解きが楽しめないじゃないか」と殺しを「後味の良い」妥協に異を唱えた作家が、互いに内訳こそ違えど私の知る限り7名(1+1+5)。

  • 北村薫

  • 坂木司

  • 2023年、『殺人事件の起きないミステリー』類似としてアンソロ参加の体で名乗りを挙げた5名

    • 岡崎琢磨

    • 小西マサテル

    • 塔山郁

    • 友井羊

    • 柊サナカ

ミステリ方程式実現の為には、殺しも止むを得ないコージーが女で、謎解き本質追及の為には、殺さずタブー破りも止むを得ない日常の謎が、北村は男とした坂木と共に(元)覆面作家なのが面白い。

2023年に刊行されたアンソロで女性作家(柊サナカ)が一人名乗りを上げ、上記が図式として崩れたのは大きい(感謝)。もちろん自身で普通にペラペラ打ち明けて素性を隠そうともしていないさるやんごとなき御方が今更の事態には変わり無し。

三 『新世代ミステリ作家探訪 Season II』第9回 井上真偽インタビュー『探偵が早すぎる』予習前日譚

2022年9月現在、東大卒・数式を駆使した本格推理に、堂々のインテリ、これを担保とし滅私奉公したラノベ庶民派を隠そうともしない「覆面作家」様が音声出演されるようで。

肩書・実績でノーチェック・シード枠の中、この期に及んで堂々の「覆面作家」とは、どういう了見なのだろうか。偶然の一致だろうか。

音声出演から加工無しでバレバレで「深く考えていなかった」結論で、概ね問題なかったようだ。あえて「謎の人」神通力を演出し、客評を操作している前例があるだけに勿体無いね。素性を明かし誤解を解く良い機会となれた訳だ。おめでとう。

なんだ、いたのか。

いや、「無神経」とは正にこの事だ。末端一読者など言うに及ばず「著者本人」こそ吹き飛ばしての「出版社」など、どうお考えだったのだろうか。

個別作品の概要・解説・感想をあえて語らず堂々の提灯持ち公意識だけは持っている「書評家」様まで現れるのだから苦労はない。

お疲れ様でした。「ジャーロ」は内一部署として存続のようですので、今後とも普及活動よろしくお願いします。

講座

次の書き手方々へ(何を一読者が職業小説家の代行しているのだか)。

書籍

「ミステリー入門」と総合論としてながら「日常の謎」も扱うらしく。

中身は、「ミステリー」全体の講座で「日常の謎」言及は、内一編、第四章『「日常の謎」ミステリーのつくり方』部としての言及。当該部のみとして。

「日常の謎」概念説明は、若竹『五十円玉――』側の説明で、実例サンプルは『氷菓』と、流石専門学校講師ですらある著者の講座。あえて詳細削り落としの全体概略趣旨だけあり100点満点には遠いが、まぁまぁの無難落とし所で及第点評価。

日常の世界にある謎は、何らかの「矛盾」となって現れます。

はじめて書く人のためのミステリー入門 ストーリータイプコレクション抜粋版

結論を、端的に「矛盾」と突いてみせたのは見事。

が、あえて具現化しない抽象論での列挙に終始し、学問事の理解で終わってしまうもので残念。

「アルバイトと、酸いも甘いも知り尽くした叩き上げ社長では、会社の認識に剥離があるのも当然だよね? 要するに、これを挙げ、ぶつけ合い、双方の言い分を挙げ(前述の「矛盾」)、擦り合わせられれば(推理)いい訳だ。例えば、アルバイトは、バイトテロによる静かな反抗(犯行)だけど、社長は金庫から横領だよね? 立場が違う、というのは、犯行内容でこそ変わってくる重要事項なんだ(ネットの様に曖昧の肯定は大変危険なんだ)。後は適当にストーリーを(もちろん(新本格)ミステリー的に)こじ付けたらいい。「小説」として書ける皆様なら(え? 書けない? 何処の反社組員の成り損ない様ですか? そもそもが「小説」サブジャンルの中で、何を「小説」を飛び越え、いきなりのミステリーの負い目ある疚しい身で、一からの要求か、とおかしい訳だ。これが「推理」というもの)、もうこれで((日常の謎)(ミステリー)小説が)書けるでしょう?」位は読者を突けなかったかな。

他『氷菓』実例他で大丈夫だとは思うけど《日常での代表的な事件、トラブル》項を念の為補足。

人が行方不明になる

はじめて書く人のためのミステリー入門 ストーリータイプコレクション抜粋版

「殺さず」なので、死体となって、海に浮いていたり、山に捨ててあったりしたら駄目。五体満足で見つかるのが大事。『トトロ』などが良き実例。

騙される

はじめて書く人のためのミステリー入門 ストーリータイプコレクション抜粋版

詐欺で逮捕ではない。あくまで内輪馴れ合い信頼関係に成り立っている「騙せれたー(棒読み)」と、むしろ、被害者側が、わざと騙される位の冗談である事が大事。

お仕事ミステリーにも言及があった――そもそもがお仕事モノ=(日常の謎)ミステリーではないのだが――が、残念ながら(数件)取材(による個別解釈から真実を取捨選択)といった、元ネタへの真摯な調査内訳への言及はなかった。

この辺りの軽視は、本講座は「小説」の講座ではなく、あくまで文字通り「ミステリー」の小手先創作技術講座と、本書単独での創作には、一抹の懸念を感じさせるものだった。

電子書籍(Kindle)品だが「講座」趣旨を鑑み、本項への配置とした。

動画

坂木先生なら「取材? 最低三人は訪ねていますけどね」と突っ込んでくれたでしょうね。一つ引き摺り出して直射日光に翳してもらえませんか

私の上記「基準」に則れば、当該作は僅か一作(『君を一人にしないための歌』)の中、小説創作教室の、創作総合論で、直接の携わり関係無し、という事なのでしょう。


開始早々「千反田える」(『氷菓』)で、ああ、凡百のラノベ畑さんか、と流していたら、次にニンニク事件→推理他。

シレっと若竹五十円玉硬貨事件に遡る「日常の謎」神髄を突いたものだったが、もちろんせいぜいが『氷菓』止まり(だろう)当事者達に、若竹を掘り起こしての理論展開が出来る筈もなく、内々に同「謎」体験の推理内輪事に終わってしまったのが残念。

何かが見えてたんだと思うんですよね

10:35

うん、見えてたね、あなたが。小手先の創作技術など関係無い「日常の謎」の神髄を。「謎」体験談に終わったのが悔やまれるが仕方ないね。

外部リンク

童心(好奇心)に勝る燃料などない。

今後課題

引き継ぎたい方、おられましたら喜んで譲渡致します(その為のWiki共有のつもりでしたが)。

占有している気は毛頭ございません。私は私に出来る事を唯成しているまでです。

  • 北村、戸川の寿命

    • 北村においては『遠い唇』文庫増補版で耄碌・老害、そして北村教ともいえる宗教化の様相を見せた。

  • 反逆精神旺盛な坂木、近藤×若林コンビの反乱懸念

  • 認識違いの事前出現抑止または別物切り離し采配(現に二例出現→許す手遅れ

  • 若竹の処遇

ご覧の通り人海戦術の話ではない事がお分かりいただけると思います。

無理に力まず時の流れに任せてレジェンド達の(全員)死亡をもって他人事フェードアウトという流れもまた「日常」流のフィナーレとしては粋で相応しい末路なのかもしれません。

番外:第〇層

かつて読んでいたあの作品は、時代が時代ならば「日常の謎」作品として評価されていたのかもしれない。

感謝。