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自由エネルギー原理×心理学

長らくこれといってパッとした創作単語がなかったので更新が疎かになってしまいまいた。
とあるyoutubeのコメントに気になる単語を見つけたので面白そうだと思いましたので色々考えてみました。


Ⅰ自由エネルギー原理とは

自由エネルギー原理は、脳や生物がどのようにして外界とのやり取りを通じて生き残り、学び、行動しているかを説明する理論です。これをシンプルに説明すると、「予測」と「コスト」、「神経伝達物質」が重要な役割を果たします。まだまだ、仮設段階であり、脳の働きの現段階での有力な考え方になります。また本当に理解するために大学院レベルの数学の知識が必要になる分野らしいので簡単に説明します。

1. 予測とエラー

脳は常に、外界や自分の体に関する情報を予測しています。これらの予測は、過去の経験に基づいて行われ、例えば「次に何が起こるか」「環境がどう変化するか」を推測します。しかし、実際に起こることと脳が予測したことには違い(予測誤差)が生じることがあります。これが「予測エラー」です。
小脳の働きはバランスを司ります。指で鼻を触ろうとする際に微妙な指の位置を調整しながら触ることになるがある程度予測をたて調整をして触ることができるのです。バスケットのドリブルも歩きながらボールをダムダムしなければならないため、体の均衡バランスとボールの位置調整をするのが小脳の役割です。

2. コスト(自由エネルギー)

自由エネルギーというのは、脳がこの予測誤差を減らすために払う「コスト」に相当します。脳は、予測エラーを最小限に抑えるような行動を取ることで、生き延びるために必要なリソース(エネルギー、注意、行動)を効率よく使うようにします。このコストを減らすには2つの方法があります。

  • 予測の精度を上げること:例えば学習を通じて未来の出来事をより正確に予測する。

  • 行動を変えること:環境に対して行動し、予測に合った結果が出るように自分の行動を適応させる。

有言実行と不言実行 効果があるのは?|樹秀 公認心理師 (note.com)

脳は上のタイトルで書いたように非常に曖昧に捉えます。目からの情報量は膨大な量になるため視覚で捉えた映像は、少なくなってしまうのですが、過去の経験やイメージの補完により色、形、距離感を把握し脳内で投影します。これ、何かに似てませんか?生成AI画像が微妙に人間らしくない画像を生成した時の違和感。指が6本だったりよくわからない所から手が見えたり、こうした明細さを欠いた状態で目に飛び込むわけで、それを脳内で補完した映像を処理し正しく認識していくのです。これもある程度の脳の予測での処理をしコストを軽減するのです。

3. 神経伝達物質の役割

神経伝達物質は、このプロセスにおける「調整役」として機能します。特にドーパミンなどの神経伝達物質は、予測エラーを検知したときに放出され、学習や行動の変化を促進します。たとえば、ドーパミンは報酬を予測する際に重要で、予測と実際の報酬が異なる場合、ドーパミンがその誤差を修正するために脳内でシグナルを送ります。
1. 活動の頻度や強度の変化
神経細胞がどれだけ強く、頻繁に刺激されるかによって、放出される神経伝達物質の量や効率が変化します。たとえば、繰り返し刺激を受けると、シナプスからの放出量が増加することがあります。逆に、あまり刺激がないと放出量が減少します。
2. 共放出(コ・トランスミッション)
一部のニューロンでは、複数の種類の神経伝達物質を同時に放出することがあります。たとえば、グルタミン酸を放出するニューロンが、同時にGABA(抑制性神経伝達物質)やペプチド(ニューロモジュレーター)なども放出する場合があります。このようなケースでは、状況に応じて、神経伝達物質の組み合わせが変わることがあります。
3. プラスティシティの影響
長期にわたる神経活動や学習の過程では、シナプスの可塑性(プラスティシティ)と呼ばれるメカニズムによって、シナプスの機能が変化します。この変化により、放出される神経伝達物質の量や、その感受性が変わる可能性があります。例えば、長期増強(LTP)や長期抑圧(LTD)によって、シナプスの効率が変わることで、伝達物質の動きも変わります。
4. 病理的な変化
神経伝達物質の種類や放出のメカニズムは、特定の病気や障害の影響を受けることがあります。例えば、パーキンソン病ではドーパミンを放出するニューロンが損傷を受け、その結果ドーパミンの放出が減少します。これが運動障害などの症状を引き起こします。
5.つまり
神経伝達物質の変化は、脳の予測誤差の修正やエネルギー消費に大きな影響を与えます。適切な神経伝達物質が適時に放出されれば、予測精度が向上し、エネルギーコストを削減することができます。しかし、伝達物質の放出が過剰になったり、バランスが崩れたりすると、脳のエネルギー効率が悪化し、コストが増大する結果になります。

Ⅱ量子力学の観測からみるコスト

あくまでも外部からの影響を与えるという角度での話であり、自由エネルギーは生物学的観点であり、量子力学は現象を取り扱うものであり扱うレベルとメカニズムは異なりますので注意してください。科学的な見解ではありません。個人の妄想うわごととして捉えてください。

遅延選択実験とは?

遅延選択実験は、光子(または他の量子粒子)が波として振る舞うか粒子として振る舞うかが、観測のタイミングに依存するという量子力学の奇妙な性質を示しています。光子がどちらの振る舞いをするかは、観測が行われる時点で決定されます。特に、光子が既に途中まで進んでいたとしても、観測のタイミングによってその振る舞いが遡って決まるように見えることが、遅延選択実験の特徴です。

1. 予測と選択

  • 自由エネルギー原理では、脳が常に予測を行い、その予測に基づいてエラーを最小化しようとします。神経伝達物質の放出が、このエラーを修正し、脳の最適な状態を保つための「選択」を行います。

  • 遅延選択実験でも、量子の振る舞い(波か粒子か)は観測者がどう観測するかという「選択」によって決まります。この選択は、量子が進んでいる途中でも遡って影響を与えるように見える。

両者に共通するのは、システムが何を選ぶか、またはどう振る舞うかが、外部からの刺激や観測によって決定されるという点です。

2. 状況に応じた振る舞いの変化

  • 神経伝達物質の放出は、状況に応じて変化し、脳のコストを最適化するために調整されます。環境の変化やストレス、学習などによって、異なる神経伝達物質が放出され、システムの振る舞いが変わります。

  • 量子の振る舞いも、観測されるかどうか、どのタイミングで観測されるかによって変化します。量子は、観測の仕方によって波のように振る舞ったり、粒子のように振る舞ったりします。

どちらのケースでも、システムが外部の条件や観測に対して柔軟に振る舞いを変え、結果を決定するという点が似ています。

3. 未来の情報が現在に影響を与える

  • 自由エネルギー原理では、脳が未来の状況を予測し、それに基づいて現在の行動やシナプスの調整を行います。つまり、脳は未来の可能性に対して今のコストを調整していると言えます。

  • 遅延選択実験では、観測のタイミングが未来に行われる場合でも、その結果が過去に遡って量子の振る舞いに影響を与えるかのように見えます。

この点でも、未来の情報が現在や過去の振る舞いに影響を与えるという不思議な共通点があります。

Ⅲ「予測」「選択」「不確実性」プロスペクト理論リスク回避

1. 予測誤差最小化と意思決定理論

自由エネルギー原理の中で、脳は環境の状況を予測し、その予測に基づいて行動します。これは行動経済学の期待効用理論プロスペクト理論と相通じるものがあります。これらの理論では、意思決定者が未来の結果を予測し、その予測に基づいて行動や選択を行います。

  • 自由エネルギー原理の応用:人間は、常に将来の出来事に基づいて行動を予測し、リスクや不確実性を最小化しようとしています。行動経済学の理論と同様、心理的コスト(不安、ストレスなど)を最小化するために、リスクを避けたり、選択肢を変えたりする傾向があります。例えば、予測が外れた場合の不快感や不確実性が、行動選択に大きく影響を与えることがあります。

  • 行動経済学のフレーミング効果も、自由エネルギーの視点で説明できます。ある状況がどのようにフレーム化されるかによって、人々の予測や行動は変わり、それに基づいて脳がコスト(エネルギーやストレス)を最小化しようとします。人間は、損失を避けたいという強い傾向があるため、損失が強調されるフレーミングでは予測誤差が大きくなり、行動が変わるのです。

2. 量子の不確実性と曖昧さ回避

量子力学における「不確実性」や「遅延選択」は、心理学や行動経済学における曖昧さ回避(ambiguity aversion)に似たものと考えることができます。人間は、結果が不確実な状況を避けたり、予測できないリスクに対して過剰に反応する傾向があります。

  • 量子的な不確実性の応用:量子の振る舞いのように、人間の意思決定も常に予測不可能な要素を含んでいます。例えば、将来の出来事が完全に予測できない場合、人はその不確実性を避け、より確実な選択肢に頼ることがあります。これは「量子の観測による決定」に似ており、意思決定のプロセスが外部からの影響や情報によって大きく変わる点でも共通しています。

  • 行動経済学の曖昧さ回避量子の不確実性:行動経済学では、曖昧さ(例えば、確率が不明なリスク)を避ける行動がよく見られます。これは、量子力学における不確実性と似たものであり、未来の選択が曖昧であるほど、人間はその選択を避ける傾向が強まります。

3. 自由エネルギーと習慣形成

自由エネルギー原理は、学習や習慣形成にも応用できます。脳はエネルギーを効率的に使うために、繰り返し同じ予測や行動を行うことで、コストを削減しようとします。これは心理学における習慣化のプロセスと重なります。

  • 習慣形成のコスト最小化:脳が一度学んだ行動パターン(習慣)は、予測誤差が少ないため、エネルギーコストが少なくて済みます。これは、日常のルーチンや習慣が繰り返される理由です。行動経済学の文脈では、ステータス・クオ・バイアス(現状維持バイアス)としても説明できます。人は、予測できる行動に固執し、未知の選択肢を避ける傾向があります。これは、予測誤差を最小化するための自然な反応と言えます。

4. 量子力学の観測者効果と自己意識

量子力学では、観測者の存在が量子の振る舞いに影響を与えます。心理学においても、自己意識他者の視線が意思決定や行動に影響を与えることが知られています。

  • 観測者効果の応用:社会的な状況において、人は他者に観察されていると感じたとき、意思決定や行動が変わります。これは量子の観測者効果に似ており、社会的なフィードバックが行動に影響を与えることを示しています。行動経済学では、社会的圧力社会的証明が意思決定に影響を与えるメカニズムとして応用されます。

Ⅳまとめ

外部からの影響つまり環境の出来事により、自己の思考や行動の変化を与えることになります。量子の振舞が最小化適正化されていることは、その原理そもそも考えることは難しいが、他者という観測者がいることで人間の行動や未来予測をするこで大きく変化をもたらすことは大きな影響を及ぼすのでしょう。リスクの回避やコストが低減させることは人の行動に大きく左右されるため今後のAIを活用した商業価値や人が人として生存するためのプロセスがまだまだ未発見未知数すぎます。


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