はじめに
この記事はその①の続きのお話です。まだ読まれてない方は必ず先にその①を読んでから読んでみて下さい。
登場人物の紹介
その①でも紹介しましたが、今回は対話形式で書いてみたので、登場人物だけ紹介しておきます。3人登場します。(本記事以降はほぼ2人ですが…)
エンジニア:Eさん
Eさんの評価者:Sさん(非エンジニア)
Sさんの友人のエンジニアマネージャー:Mさん
簡単なあらすじ
エンジニアのEさんに退職されてしまい、途方に暮れたSさんは、元同僚で今は別の会社でEM(エンジニアマネージャー)をやっているMさんと飲みに行って相談して、これまでの経緯を聞いてもらったのでした。詳しくはその①を読んで下さい。
Sさん:「実はさ・・・カクカク・シカジカ・・・何が駄目だったのかな・・・」
Mさんは一連の話を一旦だまって聞いたあと、まずは
と前提を念押ししてくるので
Sさん:「そりゃもちろんだよ」
と伝えて、続きを待ちました。そして最初に言われたのが
という言葉でした。
「人」や「コミュニケーション」は職種関係ない?
どういうことか聞くと、
Sさん:「えっ?そうなの?Mさんは全然その辺出来てる感じするんだけど・・・」
Sさんが当たり前だと思ってフィードバックしていた論点は、実はエンジニアにとっては当たり前ではない可能性があるということだ。 そもそも、コミュニケーションや人付き合いが苦手なのがキッカケでエンジニアやものづくりを選んでいるという人も多いとのことだし、対面よりもリモートやテキストコミュニケーションを好む人も多い。そういう特徴は、営業と一緒にしてもらっては困るというわけだ。
そう聞くと、学生時代にそれに似た友人がいたことを思い出し、少し分かるところもあった。
不満ではなく納得する。でも疲弊する。
Sさん:「でも、フィードバックはみんな納得してたみたいで・・・」
Sさん:「なるほど、じゃあ、俺からの指摘はみんな本当に納得していた可能性はあるのか・・・」
Sさん:「え、そんな大げさな・・・そんな大変なの?」
Sさん:「いや、まぁ、確かにそれを両方やれって言われたらちょっと自分にはできる自信がないな。技術の理解ってあの黒い画面を理解するってことだよね?分からなすぎて怖いというか、なんか拒否反応出る感じする・・・俺は絶対向いてないって肌でわかる。ノルマがある中でそれやれって言われたら尚更無理だなぁ」
Sさん:「えー、でも、それと一緒?それと一緒のこと言ってたの?そんなに?もしそうならかなり苦しい課題を突きつけていたことになるけど、本当にそんな難しいのかピンと来ないな・・・」
Sさん:「おいおい、まるで俺が鬼のような言い草じゃないかw」
まぁでも、気を付けているつもりでも、実は知らない間に自分の当たり前という物差しで評価していたのかもしれないわけか。
コミュニケーションコストをどちらに持たせるか
Sさん:そういえば、さっきの極端な例?を聞いた時に、営業やマーケからあがった「専門用語が多すぎる」みたいな不満は「君たちが専門用語を勉強して理解しなさい」と営業やマーケに指摘しする事もできたんだよな・・・当時は全く思いつきもしなかったけど。
Sさん:「でも、であれば、実際にはどっちを指摘するべきだったんだろう」
Sさん:「それでいくと、うちの会社は営業が重要だから、そのコストはエンジニアに払わした方が合理的、つまり合ってたということになるのかな。
いや、でも、今回Eさんが辞めてしまった結果、思っていた以上に『作り手がいなくなると経営にインパクトが出てきてしまうビジネスモデル』だった事を、今は実感してるんだよね。エンジニアにコストを払わせすぎだったのかな・・・分からなくなってきた。」
コミュニケーションコストの大きさ
Sさん:「確かに社内はほとんどSlackになってきたね。取引先とのやりとりも、メールでなくSlackでお願いされることが増えてきてるよ。」
Sさん:「確かに30年のギャップって聞くと相当だな・・・」
Sさん:「10年前か・・・取引先とは対面で会いに行くのが基本だったし、社内も顔を合わせて話するのが常識だったなー。メールでさえ大変だった記憶があるから、そんな提案、正直やめてくれって感じだろうな・・・
Slackを数年前に初めて聞いた時、メールとの違いが分からなくて捉えるの苦労してた人がそこそこいたんだよね。数年前でそれだから、10年前だと何時間かけて説明してもらっても理解できなかったかもな。なんというか、Slackって文化も含めて使ってみないと分からないとこあるよね。」
Sさん:「ああー、それはなんというか、あの当時の俺に良さを説明させるのは不毛というか、時間の無駄というか、多分聞く気もないだろうし、やめとけって思うな・・・なんとなく分かってきたかも。」
Sさん:「うーむ…」分からんでもないが、たかがコミュニケーションで少し大げさな気もした。そう思ってしまうところが既に違うのかもしれない。
その③に続く・・・