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継続することがどれだけ難しいかを考える

ローマは1日にしてならず

「継続は力なり」という言うように、世の中には、大きな達成を収めるためには、小さなことの積み重ねを継続的に行うことが大事であることを述べている格言が多く存在します。確かに、大きな達成をするということは、何か特別なことをすることではありません。短期的には、違いがわからないような小さな変化の積み重ねが長期的に見た時の大きな違いにつながると考えます。

よって、どんな達成においても、時間と努力が必要です。残念ながら、簡単な方法はありません。「ローマは1日にしてならず」と言うように、偉業が達成されるためには、時間が必要です。よって、継続的に、1歩1歩前に進むということは、大きな達成を成し遂げるために必要不可欠な要素となります。

継続することの難しさ

しかし、たとえ多くの人が、継続することは達成するために必要だということを理解し、同意したとしても、実際には、継続的に物事を達成することは簡単ではありません。

例えば、サイコロを振って1の数字を出したいとします。1の数字になる確率は、16.7%になります。これは、1を6で割ることによって求められます。次に、サイコロを2回振るとします。2回とも数字の1がでる確率は、2.8%です。これは、16.7%に16.7%をかけることによって求められます。簡単な例ではありますが、サイコロの場合、同じ数字を2回継続させることでさえ、達成が難しいことがわかります。当たり前ではあるのですが、ここでの重要なポイントは、なにか特別なことを継続的に行うことは、かなり難しいということです。つまり、継続的に何かを成し遂げるためには、できるだけ簡単な作業に落とし込む必要があるということです。

では、達成率を上げるために、今度はサイコロを振って1以外の数字を出すことを目指します。1より大きな数字がでる確率は、83.3%です。これは、先ほどの16.7%を100%から引くことによって求められます。一見すると、この数値は高い確率に思えますが、これを20回継続的に達成できる確率は、2.4%(83.3%の20乗)になってしまいます。たとえ、比較的簡単に達成ができるようなことでも、長期的に見ると、継続的に同じことを続けることがどれだけ難しいことがわかるかと思います。

より極端な例として、99%の確率で達成できる業務があると考えます。99%と聞くと、ほぼ確実にできることと感じるかと思います。しかしながら、そこには、1%達成できない確率が存在します。例えば、年間250日の営業日があるとし、99%の確率で達成できることを毎営業日継続させようとします。そこに1%達成できない可能性が存在する場合、年間2.5日は達成できない可能性があることがわかります。つまり、99%の確率で達成できることでも年間で数日は達成できないことがあり得るということです。

ここから分かることは、たとえ、どんなに簡単に達成できる業務であっても、長期間に渡り継続的に達成し続けることは非常に難しいということです。そのため、継続的に実施することに完全性を求めることは困難であることを認識する必要があります。

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継続をすることは必ずしも完全であることではない

ある小さな物事を達成したからといって、次の日にその違いが見えることは、ありません。そういった小さな達成は、積み重なった時に大きな違いとなって見えてきます。逆に、数回小さな達成ができなかったとしても、長期的に見れば大きな影響を与えないということです。継続とは、小さな達成を積み重ねていくことであり、どれだけ完全に積み重ねていったかを意味している訳ではありません。よって、継続を考える際に、必ずしも完璧さを求めなくとも良いということを認識し、継続することに主眼を置くことで、最終的に大きな違いを生みだすことが出来ると考えます。

継続するということは、同じことを長期に渡り繰り返し実施するということであり、必ず達成することを目的にしてしまうと、出来なかった時のプレッシャーが大きくなりすぎてしまい、逆に続けられなくなってしまう要因にもなりかねません。継続的に行うという観点から考えると、続けられなくなる状況は出来るだけ避けたいものです。よって、必要十分な達成率を得られていれば、多少できない日があったとしても問題ないと余裕を持つことが大事だと思います。ただし、必要十分とはどのくらいであるかに関しては、結果の度合いを見ない限りわかりません。よって、当初、どれだけの達成率を目指すかについては、それぞれの感覚で問題ないと思います。全く根拠のないことではありますが、まずは80%の達成率を超えるということを、目標として十分ではないかと思っています。そして、統計的に達成率が判明し、そのルーティン化された業務がどの程度実施で可能であるかがわかることにより、より実態に即した継続的達成率の目標がわかってくると思います。


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