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◎海外に住む日本人の方へ◎食養法◎海外でも「米が食べたい!!」は正しい◎

幕末の明治時代に、自然食を最初に唱え実践して、多くの人々の病気を治した石塚左玄先生がいました。

現在の医者は、患者に対して薬の処方箋を出しますが、左玄先生は「石塚食療所」という看板を掲げ、食事療法として必要な食材や料理のレシピを処方箋として出していました。

紀元前5世紀、世界で最初に医者と呼ばれたと言われているヒポクラテスの言葉があります。

「人は誰でも身体の中に100人の名医を持っている」

病院へ行って医者に診てもらって、薬を飲んで病気を治さなくても、人には自然治癒力があるのです。

日々の食事を改善することで、医者いらずの健康な体を維持することができるということです。人の身体は素晴らしいのです◎

そこで、石塚左玄先生が実践していた食養法を元に、海外に住む日本人の方に向けて発信したいと思います◎

なぜ海外に住む人たちへ?

左玄先生の教えに「身土不二(シンドフジ)」というものがあります。

身土不二とは、「身体と、そのおかれている風土は不可分の関係にある」ということです。

そして、「風土食論」と唱えています。

風土、気候、地形によって食物も異なり、生活も異なるのだから、みだりに他国の食習慣を真似てはいけない。「郷に入っては郷に従え」ということです。つまり、その土地、その地方に先祖代々伝わってきた伝統的食生活には、それぞれ意味があるということです。

そこで、「海外に住んでいる人たちへ」ということを考えました。アジアならまだ近く、食文化も似ている部分があります。私もエストニアに住んでいたので、その土地の食材で日本食を食べ続けるということは難しいということは知っています。

それでも、「米が食べたい!!!」と湧いてくる氣持ちは正しいのです。その氣持ちに従って、できる限りの日本食を摂ることを私は推奨します◎


肉食人種になるのに2万年!?

「人間は穀食動物である」ということは以前にも書かせていただきました。

伝統的なイヌイットは、食生活は狩猟によって得た生肉が中心だったそうです。

イヌイットは、日本人と同じモンゴロイドですが、彼らは肉ばかり食べるイヌイットになるためには、1万年から2万年の長い歳月と厳しい淘汰が必要でした。


人力車夫の話

ドイツ人医師のベルツに、「ベルツ日記」があります。
そこで記されている人力車夫の話です。

日本人の2人の人力車夫は植物性の食事だけで、東京から日光までの110キロを休むことなく10時間も走り続けました。

そのことに驚いたベルツは、彼らの食べ物を調べてみました。彼らが摂っているタンパク質は少なく、炭水化物が異常に多いことが分かったのです。

そこでベルツは、彼らに牛肉を与え続けたところ、3日目に

「肉を食べ始めたら疲れやすくなり、このままでは走れないので、肉は止しておくんなさい。」

そう申し込まれたため、食事を元に戻すと、彼らは以前のように元氣な車夫に戻ったのでした。


米中心の食事を摂り続けたイギリス兵

第二次大戦中、日本軍がマレー半島に、3千人のイギリス軍捕虜を3年半ほど収容したときのことです。

イギリス兵が日本兵と同じ環境下、同じ食事を支給していたことで、イギリス兵だけが病気になったということでした。

そこに興味を抱き、100人の青年将校を選んで、彼らに5年間同じ献立の食事を与え続けたところ、やはり捕虜たちと同じ病気になりました。

そのときの食事はインド米が中心だったはずですが、日本兵向けの献立であったことは確かです。その原因は栄養に夜ものと考えられるのですが、日本兵とイギリス兵の間に歴然として生じたのは、紛れもない事実でした。


これらのことから、伝統的食生活を変えることは、簡単なことではないということがわかると思います。
出典
幕末名医の食養学 沼田勇 光文社文庫


その土地が食生活を決める

日本の土地は、米作りに向いていて、米が主食として食べられてきました。同じように、麦類を育てるのに向いている土地では、それを原料とするパンなどを主食にします。

それは発酵文化にも言えることです。日本にしか生息しない「ニホンコウジカビ」を使った食べ物は、日本独自に発展して食べ続けられています。私たちには欠かせない調味料の味噌や醤油、みりん、酒などがそうです。

西洋の発酵文化は、パンやビール、ワイン、チーズ、ヨーグルトなどです。現在では日本でも好まれ、食卓に並ぶことは多くありますが。

「米と味噌汁は毎日食べても飽きない!」と思うのは日本人で、その土地が食生活を決め、それが文化となっているのです。


海外に住む日本人の方へ

これじゃ、海外に住んでいたらできない!!!!

と感じてしまう人もいるかもしれませんが、海外でもを買うことができます。玄米も手に入れることができました。日本の食材店や大きなスーパーへ行くと、味噌や醤油も買うこともできます。(少し高いですが。。。)

私は米糀を作ったり、味噌を作ったりしていました。

海外に住んでいても、日本食を毎日自炊することはできます。
きっと、海外に住んでいる日本人の方々も、日本食を何とか自炊して食べていることと思います!!!


「あなたの先祖のたどった道を歩きなさい」カンボジアのことわざ◎

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