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(連載50)回顧展のファッションショーで、悔恨のうっかりミス:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2006年


まずこの上の写真(見出し画像)を見てください。

回顧展の初日のファッションショーです。


何か変だと思いませんか?


ファッションショーに行った事のない方には、わかりにくいですかね?

行った事ある方は、おわかりになるか?とも、思いますが、、、、。


これはどうでしょう?


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中央にいるのが、モデルなんですが。。。


観客がモデルの方をむいてないでしょ?

そうです。


椅子の方向が間違ってるーーーっ!!!


観客の座ってる方向が、


。。。。モデルが歩くランウェイの方を向いてなかったんです!!


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だから、観客は振り返って、見ることに。。。。

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大ショック!!


これは、もう10000% 私のミス!!

誰もせいでもない、

このワタシがギャラリーのスタッフに伝えてなかった!!

なぜならば、

観客はランウェイ側に向いてるっていうのが、ファッションショーの常識だと勝手に思い込んでいたからなんです。

やっと、長いこと夢にまでみた、個展のオープニングでランウェイのショーをやるのが実現したのに、、、、なんという失敗!!



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このイベントのために私は全エネルギーを集中したのでした。

今までの全てと言っても過言ではありませぬ!

つまり、アート、ファッション、音楽、!!

それらを全て絡ませて、

自分の展覧会プラス、この、いつかやりたかった自分のイベント。


それが、コレでした。

この夢が実現した(この時点での)この日の全てを詳しく、今から語ります。

(え?まだ、本題ではなかったのかい?)


実はこのイベント、3部構成にしたんです。

1部は、私の長年のテーマである「汚れの首輪」を学ぶスライドショー。


「汚れの首輪の歴史」を紙芝居みたいに

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19世紀終わり頃の白襟 / ホワイトカラーが、
現れたあたりからはじまり、

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1950年代頃、
夫のシャツの襟のシミと奮闘する主婦

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襟にシミのある男性は、
社会的にもダメな人。。。。。

夫をそうさせないためにも。。。
主婦の努力は、すざましい!!

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そんな戦っている女性を大袈裟に、
面白おかしく、

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でも、くそ真面目な教育テレビのように作ってみました。


2部は「汚れの首輪」のファッションショー。

汚れたメンズの白シャツの襟=汚れの首輪を繋ぎ合わせた服をいろいろと披露します。(これで、奨学金をもらって、ギターを買ったんで、マジでやらないと怒られる!苦笑)

汚れの襟のパンツとヘルメット

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汚れの首輪で作ったブームボックス型のバッグ

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3部は、回顧展なので、今まで作った「作品としての服」を見せるファッションショー。
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そしてこの3部のみ、ショーの音楽は自分のバンド、ジャンポール・ヤマモトのライブ。 隅っこの方で。。。


この内容は自分からしたら、すごくシンプルなのですが、

他人からみたら、無茶苦茶、複雑なセッティングのイベントだったのでした。(後から気がついた、汗)


一つの場所で、同じ日に、展覧会の展示、スライドショー、ファッションショー、バンドのライブ!!

こういうのは、未だ、見たことない

そのスペースの設定だけでも、プロジェクター機材、スクリーン、サウンドシステム、ファッションショーのランウェイ、バンドの舞台、モデルのフィッティング・ルームなどなど、無茶苦茶いろいろあったのでした。


しかも!!

同じ会場で、作品の展示をまずやってから、このオープニングのイベントのために、会場のセッティングを変えなければならなくて。


そのうえ!!

ファッションショーが始まるわずか2時間しかなくて、時間差で、スペースを展示用からイベント用に様変わりさせる。椅子を100脚くらいならべて、舞台になるスペースを作って。。。と。


今から考えたら、展覧会の会場とイベントのスペースが同じっていうだけでも、かなり無理があると思うのですが、

しかし、すべてギャラリーのスタッフの人が素早くこなしてくれたのです。

彼らは、ムッチャ仕事できる人たちの集団だったのでした!!
ありがたい!!」

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それにしても、こういう時のアーティストって神様のような。。。。

すごい権力?を持ってる存在?


会社でいうともちろん社長!CEO!

政府でいうと、忖度まみれの総理大臣!

コマーシャル製作でいうと、大衆が命のスポンサー!!

お店でいうと、言いたい放題のお客様、、、=神様だ!


「これ、やっといてね〜」

「はい!!」 


以上!!


まあ、私は一時的ではあったが、

そんな最高の権力者のような、アーティスト様になり?
(理想やね)

ギャラリーの方々は、何でもいう事をきいてくれた。

そして、テキパキ、片付けてくれて、終わり!!

もちろん、それまで、ど貧民=奴隷状態(この場合の奴隷主も自分)だった私は、今まで、そんな状況をまったく味わったことがなかったので、この状況に驚いた。

なんせ、企画、演出、音楽、服の制作、舞台監督、演ずる人、と、全部ひとりでやるのに、慣れてしまっていたので、もう、ただ、感激!

産業革命でいきなりブルジョアになった工場主とか、戦争で一儲けした武器商人とか、日本でいうと80年代に土地転がしで、自家用飛行機を買ったりするような、成金ピーポーのように、

テンポラリーな権力? 

もしくは幻のヒエラルキーの位置にあぐらをかいて、

確認忘れ!

ボ〜〜〜となってたのにちがいないス。


考えてみたら、ライブをやるのなら、舞台が必要で、普通、観客は舞台の方をむいて座る。それが普通でしょ?スライドショーはスクリーンの方を向く。それで当たり前だったのでした。

会場は T の字になっていて、正面がジャンポールのステージで、左右になっていて、ランウェイはそこから縦に、まっすぐ観客の方に伸びていて、


これです。

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でも、ワタシ的には、これだと、
ファッションショーじゃなくて、

歌舞伎の花道なんよ!!


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ファッションショーは、

歌舞伎とは、ちゃうんや!!!

ランウェイは、花道ではなーい!!



と、

わかったのも、

後から。。。。


当日は、私はずっと舞台裏で、超多忙。なので、なんの確認もしてなかったのであります。この間違いに気がついたのは、本番のイベントもはじまって、しばらくして!

1部と2部が終わって、すでに3部が始まってから、ジャンポールの楽曲のイントロが始まって、自分の出番になり、その舞台に出て行ってから、頭のベールをスルスルとあげみたら、

みんな私の方をむいて座っていましたぁー。


もう、気がついた時は、時、すでに遅し。。。。


これって???

瑪瑙ルンナのイチダイ・リサイタルかい?


いえ、、、汗、、、あの、、そうするつもりは、まったくなかった。

いくら、元ディーヴォのアランがコラボ?してくれたとはいえ、

あくまで、

ファッションショーがメイン!!


自分は脇でショーの音楽をやるくらいの、気持ちだったのですが、

結果、見るからに

もう自分、自分、自分のショーに

なってしまいました。 トホホ


今更、そんな事いっても、誰も、信じてもらえないと思います。

第一、このルックスですし。。。。苦笑

(これ、出て行って、間違いに気づいた、その瞬間です)

後ろの黒いのがベールです。

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アランも後ろでびっくり!!


それにしても、この厚化粧!!


これが、新宿歌舞伎座、瑪瑙るんなショーのムードに一気に拍車をかけた!

もー、ガチすぎる!!! 爆爆

これ、メイクの人が面白がって、超特大つけまつげを4つもつけたんです。

まったく、人の顔で実験しないで、もらいたかった。涙

しかし、これも当日のぶっつけ本番で、ちゃんと確認してな〜し!!

あのね、普通、するでしょ?鏡で自分の顔みるとか??

そこまで、時間がなかったって事???

覚えとらん。。。。。。今となっては。。。

これも、悔恨のミスですわ!!苦笑


このショーは、今はもう亡くなった父も、日本から来てくれてたんですが、この厚化粧にズラの娘を見て、もう驚いて気絶しそうになったらしいです。

コレ、現場の証拠写真。

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真ん中、気絶寸前の父


ともかく、今になっては、何を言っても言い訳っ!


こうなったからには、歌舞伎の花道仕様だったと 無理やり自分に思い込ませるしか、なかったです。

後日なるべく、考えないようにはしましたが、今でも、本当に悔しいです。

メイクも、ねーーー! 笑


しかし、そんな悔しい思いに反して、おかげさまで、当日は満員だったんです。(あ〜、それもあって、もっと悔しいっちゃー悔しいですがね)

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トラック16ギャラリーの人たちもこの人数にびっくりしたみたいで、ファッションショーというのは、こんなに人が集まるんだ。と認識してくれて、その後に「自分らのやってる事にファッションショーって書くように、なったよ。」とも、言ってくれた。

そして、これ以来、このトラック16で、自分のイベントや展覧会をやらせてもらえるようになり、そのたびに会場を探す手間もなくなり、ほんとうによくしてもらいました。

そして、この展覧会の方は、メディアでもロサンゼルス・タイムスが、写真入りで、とりあげてくれました。

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ただ、記事の内容はそんなに褒められても、なかったのですが、

しかし、夫のトッシュが言うには、

メディアというのは、別に褒められなくても、いい。

たとえ、けなされても、

載った誌面の面積が、勝負!

らしいです。苦笑

また、ひとつ、

ショービジネスの、一面を学びました。 汗

人生は学びの連続ですね。

では、また次回!

読んでくださってありがとうございました!!

L*

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