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(連載50)回顧展のファッションショーで、悔恨のうっかりミス:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2006年
まずこの上の写真(見出し画像)を見てください。
回顧展の初日のファッションショーです。
何か変だと思いませんか?
ファッションショーに行った事のない方には、わかりにくいですかね?
行った事ある方は、おわかりになるか?とも、思いますが、、、、。
これはどうでしょう?
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68385263/picture_pc_7dc4c9086ca6850a44684bdc2601f456.jpg?width=1200)
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68380301/picture_pc_67faf670aaf0d5a40d34da36789b7676.jpg?width=1200)
中央にいるのが、モデルなんですが。。。
観客がモデルの方をむいてないでしょ?
そうです。
椅子の方向が間違ってるーーーっ!!!
観客の座ってる方向が、
。。。。モデルが歩くランウェイの方を向いてなかったんです!!
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68385638/picture_pc_e714bad26d5a0aee5fc4190a7c438579.png?width=1200)
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68385724/picture_pc_15a7f75696f440ef40ff93be55337b17.png?width=1200)
だから、観客は振り返って、見ることに。。。。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68380475/picture_pc_e0f16529a0b986dc6b42d98e487d9ca6.jpg?width=1200)
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68380477/picture_pc_215636f4132a046c94e2c54cb2111fd9.jpg?width=1200)
大ショック!!
これは、もう10000% 私のミス!!
誰もせいでもない、
このワタシがギャラリーのスタッフに伝えてなかった!!
なぜならば、
観客はランウェイ側に向いてるっていうのが、ファッションショーの常識だと勝手に思い込んでいたからなんです。
やっと、長いこと夢にまでみた、個展のオープニングでランウェイのショーをやるのが実現したのに、、、、なんという失敗!!
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68385765/picture_pc_e95581e2f08066911dbffe9c2d48df0b.jpg)
このイベントのために私は全エネルギーを集中したのでした。
今までの全てと言っても過言ではありませぬ!
つまり、アート、ファッション、音楽、!!
それらを全て絡ませて、
自分の展覧会プラス、この、いつかやりたかった自分のイベント。
それが、コレでした。
この夢が実現した(この時点での)この日の全てを詳しく、今から語ります。
実はこのイベント、3部構成にしたんです。
1部は、私の長年のテーマである「汚れの首輪」を学ぶスライドショー。
「汚れの首輪の歴史」を紙芝居みたいに
![画像19](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68439328/picture_pc_16d1391c1d65d87cc9902bd3172d2ee2.jpeg?width=1200)
19世紀終わり頃の白襟 / ホワイトカラーが、
現れたあたりからはじまり、
![画像20](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68439360/picture_pc_914a98ed7b45cfac44a7079815f707a5.jpeg)
1950年代頃、
夫のシャツの襟のシミと奮闘する主婦
![画像22](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68439371/picture_pc_e582a587ae45d4bea136bd85b43cce71.jpeg)
襟にシミのある男性は、
社会的にもダメな人。。。。。
夫をそうさせないためにも。。。
主婦の努力は、すざましい!!
![画像21](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68439369/picture_pc_31416ee1b1502ca4606d0671c3e90835.jpeg)
そんな戦っている女性を大袈裟に、
面白おかしく、
![画像23](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68439372/picture_pc_d6fad613a79abfa48c30438ef7601fdf.jpeg)
でも、くそ真面目な教育テレビのように作ってみました。
2部は「汚れの首輪」のファッションショー。
汚れたメンズの白シャツの襟=汚れの首輪を繋ぎ合わせた服をいろいろと披露します。(これで、奨学金をもらって、ギターを買ったんで、マジでやらないと怒られる!苦笑)
汚れの襟のパンツとヘルメット
![画像13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68385931/picture_pc_84d0e01b0d2d71fba63b4facfdce03eb.jpeg?width=1200)
汚れの首輪で作ったブームボックス型のバッグ
![画像27](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68440459/picture_pc_14deacabc7d1d795e173f0f0d1600af2.jpg?width=1200)
3部は、回顧展なので、今まで作った「作品としての服」を見せるファッションショー。
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68386117/picture_pc_7e69a99ad293e95196d5e37a43ccc9a9.jpg?width=1200)
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68386128/picture_pc_00fa2dc5eed1170db074e3edb4bd6b33.jpg?width=1200)
![画像16](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68386325/picture_pc_3e5da3acec71cbef5069dfc490e1c023.jpg?width=1200)
![画像27](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68711057/picture_pc_64350c18ad7b6aa107a6cd37b2ec9fef.jpg?width=1200)
そしてこの3部のみ、ショーの音楽は自分のバンド、ジャンポール・ヤマモトのライブ。 隅っこの方で。。。
この内容は自分からしたら、すごくシンプルなのですが、
他人からみたら、無茶苦茶、複雑なセッティングのイベントだったのでした。(後から気がついた、汗)
一つの場所で、同じ日に、展覧会の展示、スライドショー、ファッションショー、バンドのライブ!!
そのスペースの設定だけでも、プロジェクター機材、スクリーン、サウンドシステム、ファッションショーのランウェイ、バンドの舞台、モデルのフィッティング・ルームなどなど、無茶苦茶いろいろあったのでした。
しかも!!
同じ会場で、作品の展示をまずやってから、このオープニングのイベントのために、会場のセッティングを変えなければならなくて。
そのうえ!!
ファッションショーが始まるわずか2時間しかなくて、時間差で、スペースを展示用からイベント用に様変わりさせる。椅子を100脚くらいならべて、舞台になるスペースを作って。。。と。
今から考えたら、展覧会の会場とイベントのスペースが同じっていうだけでも、かなり無理があると思うのですが、
しかし、すべてギャラリーのスタッフの人が素早くこなしてくれたのです。
彼らは、ムッチャ仕事できる人たちの集団だったのでした!!
ありがたい!!」
![画像18](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68438406/picture_pc_da06cacc01018921c9f7351598212686.jpg)
それにしても、こういう時のアーティストって神様のような。。。。
すごい権力?を持ってる存在?
会社でいうともちろん社長!CEO!
政府でいうと、忖度まみれの総理大臣!
コマーシャル製作でいうと、大衆が命のスポンサー!!
お店でいうと、言いたい放題のお客様、、、=神様だ!
「これ、やっといてね〜」
「はい!!」
以上!!
まあ、私は一時的ではあったが、
そんな最高の権力者のような、アーティスト様になり?
(理想やね)
ギャラリーの方々は、何でもいう事をきいてくれた。
そして、テキパキ、片付けてくれて、終わり!!
もちろん、それまで、ど貧民=奴隷状態(この場合の奴隷主も自分)だった私は、今まで、そんな状況をまったく味わったことがなかったので、この状況に驚いた。
なんせ、企画、演出、音楽、服の制作、舞台監督、演ずる人、と、全部ひとりでやるのに、慣れてしまっていたので、もう、ただ、感激!
産業革命でいきなりブルジョアになった工場主とか、戦争で一儲けした武器商人とか、日本でいうと80年代に土地転がしで、自家用飛行機を買ったりするような、成金ピーポーのように、
テンポラリーな権力?
もしくは幻のヒエラルキーの位置にあぐらをかいて、
確認忘れ!
ボ〜〜〜となってたのにちがいないス。
考えてみたら、ライブをやるのなら、舞台が必要で、普通、観客は舞台の方をむいて座る。それが普通でしょ?スライドショーはスクリーンの方を向く。それで当たり前だったのでした。
会場は T の字になっていて、正面がジャンポールのステージで、左右になっていて、ランウェイはそこから縦に、まっすぐ観客の方に伸びていて、
これです。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68381313/picture_pc_9e5a6a33e14184986aedc0afc19d2f96.jpg?width=1200)
でも、ワタシ的には、これだと、
ファッションショーじゃなくて、
歌舞伎の花道なんよ!!
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68383619/picture_pc_011cd398ef1055d2b39d76b2258d52af.jpg)
ファッションショーは、
歌舞伎とは、ちゃうんや!!!
ランウェイは、花道ではなーい!!
と、
わかったのも、
後から。。。。
当日は、私はずっと舞台裏で、超多忙。なので、なんの確認もしてなかったのであります。この間違いに気がついたのは、本番のイベントもはじまって、しばらくして!
1部と2部が終わって、すでに3部が始まってから、ジャンポールの楽曲のイントロが始まって、自分の出番になり、その舞台に出て行ってから、頭のベールをスルスルとあげみたら、
みんな私の方をむいて座っていましたぁー。
もう、気がついた時は、時、すでに遅し。。。。
これって???
瑪瑙ルンナのイチダイ・リサイタルかい?
いえ、、、汗、、、あの、、そうするつもりは、まったくなかった。
いくら、元ディーヴォのアランがコラボ?してくれたとはいえ、
あくまで、
ファッションショーがメイン!!
自分は脇でショーの音楽をやるくらいの、気持ちだったのですが、
結果、見るからに
もう自分、自分、自分のショーに
なってしまいました。 トホホ
今更、そんな事いっても、誰も、信じてもらえないと思います。
第一、このルックスですし。。。。苦笑
(これ、出て行って、間違いに気づいた、その瞬間です)
後ろの黒いのがベールです。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68383675/picture_pc_a39e52da3cd8d36206e4a910fac3d9fd.jpeg?width=1200)
それにしても、この厚化粧!!
これが、新宿歌舞伎座、瑪瑙るんなショーのムードに一気に拍車をかけた!
もー、ガチすぎる!!! 爆爆
これ、メイクの人が面白がって、超特大つけまつげを4つもつけたんです。
まったく、人の顔で実験しないで、もらいたかった。涙
しかし、これも当日のぶっつけ本番で、ちゃんと確認してな〜し!!
あのね、普通、するでしょ?鏡で自分の顔みるとか??
そこまで、時間がなかったって事???
覚えとらん。。。。。。今となっては。。。
これも、悔恨のミスですわ!!苦笑
このショーは、今はもう亡くなった父も、日本から来てくれてたんですが、この厚化粧にズラの娘を見て、もう驚いて気絶しそうになったらしいです。
コレ、現場の証拠写真。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68381575/picture_pc_3548e76ddadcc868df0da2e78b622a14.jpeg?width=1200)
ともかく、今になっては、何を言っても言い訳っ!
こうなったからには、歌舞伎の花道仕様だったと 無理やり自分に思い込ませるしか、なかったです。
後日なるべく、考えないようにはしましたが、今でも、本当に悔しいです。
メイクも、ねーーー! 笑
しかし、そんな悔しい思いに反して、おかげさまで、当日は満員だったんです。(あ〜、それもあって、もっと悔しいっちゃー悔しいですがね)
![画像23](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68439870/picture_pc_3a5c91d8ec66dca2b4e2d516fa27d495.jpeg?width=1200)
![画像24](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68439872/picture_pc_ba22130ecf3ab2a7e326ca9275785a97.jpeg?width=1200)
![画像25](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68439879/picture_pc_e47fe888a7370411712d0ab9a8b37aa4.jpeg?width=1200)
トラック16ギャラリーの人たちもこの人数にびっくりしたみたいで、ファッションショーというのは、こんなに人が集まるんだ。と認識してくれて、その後に「自分らのやってる事にファッションショーって書くように、なったよ。」とも、言ってくれた。
そして、これ以来、このトラック16で、自分のイベントや展覧会をやらせてもらえるようになり、そのたびに会場を探す手間もなくなり、ほんとうによくしてもらいました。
そして、この展覧会の方は、メディアでもロサンゼルス・タイムスが、写真入りで、とりあげてくれました。
![画像26](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68440176/picture_pc_310b25129c000f9fdab7bfb3b0458944.jpeg?width=1200)
ただ、記事の内容はそんなに褒められても、なかったのですが、
しかし、夫のトッシュが言うには、
メディアというのは、別に褒められなくても、いい。
たとえ、けなされても、
載った誌面の面積が、勝負!
らしいです。苦笑
また、ひとつ、
ショービジネスの、一面を学びました。 汗
人生は学びの連続ですね。
では、また次回!
読んでくださってありがとうございました!!
L*
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