Part2 [オープンカジュアル面談] こんなことまでやっている?!SEREALの意外な4つの事業 〜スタートアップスタジオ"SEREAL"代表安達誠寛さん〜
こんにちは、フリーランスでプロダクトマネージャーをしている@go-go-pdmです。(@go-go-pdm / 自己紹介ページ)
今回の内容は、前回の続き、Part2「こんなことまでやっている?!SEREALの意外な4つの事業」となります。
Part1「みなさんは『スタートアップスタジオ』をご存知ですか?」
https://note.com/go_go_career/n/n99e0789bc69c
Part3「0→1に特化した独自の新規事業プロセス・フレームワークとは?」
https://note.com/go_go_career/n/nc9becd5a3a41
Part4「SEREAL:プロダクトマネージャーなどの業務内容・待遇は?」
https://note.com/go_go_career/n/nb9f041c67131
今回オープンカジュアル面談のインタビューをさせていただいたのは、
スタートアップスタジオ" SEREAL"代表取締役の安達 誠寛さん
です。
https://sereal.jp/
インタビュー @Fukuoka Growth Next(福岡県)in 2024/7
SEREAL代表取締役 安達 誠寛さん
こんなことまでやっている?!SEREALの意外な4つの事業
Gota: 次に事業内容について、一体どんなことを具体的にしているのか教えてください。
安達: 具体的に大きく4つのことをやっています。
1つ目がチームアップ事業です。
スタートアップと一緒に事業を作ります。
スタートアップはどうしても足りないリソースというのがフェーズごとにあるので、僕らが持っている0→1支援に特化したUIデザイナーとか、UXデザイナーとか、プロダクトマネージャー、エンジニアというのを、一緒にチームとして入って、一緒に事業を作ることをしています。
2つ目がスタートアップ事業です。
僕らの0→1のスキル・ナレッジを活かして、SEREALで新しいサービスを作ります。
3つ目がコラボ事業です。
大企業とご一緒することが多いのですが、彼らが持っている有力なアセットと、
僕らの持っている「デジタル事業を作る力」を掛け合わせて、一緒に事業を作らせていただいて、レベニューシェアをさせていただく事業になります。
4つ目が、シードのスタートアップに特化した投資です。
ファンド事業と言っているんですけど、厳密にはファンドではなく、SEREALのBSの中から出資しています。
今は6社ほど、出資しています。
シードの段階に対して、500万円ぐらいのチケットサイズです。
これらの事業で公開できるものについては以下のページにまとめています。
よかったらご覧ください。
Gota: すごくやっていることが幅広いですね。
ちなみに「チームアップ・スタートアップ・コラボ・ファンド」と4つの事業を教えていただきましたが、それぞれの業務の割合はどのようになっていますか?
どれに対して1番自社のリソースを割いてやっていますか?
安達: 現状と将来こうしたいみたいな話はあるんですけど、現状で言うとチームアップ事業(スタートアップのPFM支援)に7、8割のリソースを割いています。
僕が創業してすぐのときには、チームアップ事業のみ、もっというと、UIデザインスキルしか提供してなくて。
僕は元々はUIデザイナーでしたので。
それが次第に会社として、UIだけじゃなくて開発もできるようになったり、プロダクトマネジメントもできるようになったりだとか、どんどん提供できることが増えていったっていうのがこの数年です。
このチームアップ事業は割と完成しており、全体の7~8割ぐらいのリソースを割いています。
ですが、これからはチームアップ事業で培ったスキルやナレッジを、もう少し自社のスタートアップ事業やコラボ事業に生かして、そちらの比率を増やしていきたいなと思っています。
Gota: ありがとうございます。もう少しそれぞれの事業について、詳しくお話しをお伺いしていきたいと思います。
①「チームアップ事業」
安達:
繰り返しになりますが、チームアップ事業は、スタートアップもしくは大企業の新規事業の方などと一緒に行う「共闘型」の事業です。
僕らが持っている0→1のスキルで、パートナー企業(主にスタートアップ)に足りないものというのを提供しています。
取り組み方というか、関わり方がけっこう特徴的だなと思っています。
いわゆる一般的な発注と受託の関係ではなく、その会社の1メンバーとして入ってやるんですよ。
Gota: どれぐらいがっつりと入っていくイメージですか?
安達: もうそのパートナー会社に、アサインされているメンバーを採用してもらうぐらいの気持ちで入っていきます。
もちろんフルコミットをするっていうのはできないんですけど、気持ちとしてはフルコミットメンバーと同じです。
その会社に採用されて、一緒に事業を伸ばしていくっていうつもりでやってます。 なので、当然仕事の仕方として、言われたことだけをやるとか、そういうスタンスではないです。
UIならUIで、自分が持っているミッションを実現するために能動的に動くっていうのは当たり前です。
先方もチームの一員として捉えてくれています。
たとえば一緒に飲みに行くとか、釣りに行くとか、ゴルフに行くとか、めちゃくちゃプライベートな付き合いもしたりします。
それで、もうすこし面白い話としては、支援先のスタートアップたちの横の繋がりができていて、僕らをハブとした横の繋がり、コミュニティの形成も意識しています。
なので、例えばゴルフに行ったら、スタートアップAの人も来れば、Bの人も来るみたいな感じです。
Gota: ハブになってるんですね。
安達: 合同会社スタートアップみたいな感じですかね(笑)
みなさん目指してることとか境遇とか近いんで、すぐ仲良くなって話も合います。
Gota: 面白いですね。
チームアップ事業においては、フェーズとしてもスタートアップの社長さんとのやり取りが多くなるのでしょうか?
安達: 規模の小さい会社だとそうなります。
一方で、規模が大きくなってくると社長と直にというよりも、その会社のプロダクトマネージャーの方や事業部長の方がいてそういう方々とのやりとりがメインになります。
Gota: 0→1に特化して、仲間としてやるとことなのですね。
安達: そうですね、こちらとしてもスタートアップを3回も4回もやるみたいな感じになるので、実際のところ大変ではあります。
でも、いろいろなPMFまでの道を経験することができるのが、SEREALにおけるる醍醐味です。
ドメインも様々で、B2CからB2Bまである。
ジャンルも、不動産だったり美容系だったり、医療だったり、いろんなことが経験できるんで、そういうのが好きな人はすごく飽きずに面白くできるかなと思います。
Gota: ここまで連続的に0→1を経験できるって、事業会社にいてもできないですからね。
安達: 事業会社って会社のフェーズが上がっていくんで、それに合わせて自分のスキルセットも合わせていかなきゃいけない。
ですが、ずっとPMFするまでのところのフェーズに居続けるという、そういうプレイヤーがいるのは社会的に価値があると思っています。
Gota: おっしゃる通りで、0→1に特化した人材って母数として相当少ないですよね。
0→1人材は、PMFを達成したら、1→10フェーズでの仕事に移行せざるを得ない。
僕もずっと新規事業に関わってきたので、本当にそう思います。
②「スタートアップ事業」
安達: 次にスタートアップ事業です。
自社の持っている0→1のスキルとかナレッジを生かして、自分たちで新しい事業を起こしています。
先ほど話していたチームアップ事業は、結局は労働集約型なのです。
なので、どれだけ効率化しても限界はある。
一般的なSIerさんのビジネスモデルだと、100人、200人、1000人と人を増やしていって、売り上げを増やしていく。
そうやって事業を拡大していくと思うんですけど、僕らはその戦略は取りません。
どれだけ単価を上げても、事業を効率化しても、限界があります。
では、スケーラビリティがあって、労働集約でもなくて、でも売り上げやレベニューを作るというのが大事になり、それを期待してるのがこのスタートアップ事業です。
自分たちでプロダクトを作って伸ばせる力があるので、それを実行して、実際に労働集約的じゃない売り上げを作っていく。
そこから得たレベニューをちゃんとみんなにも返す。
Gota: コンサルという話だけではなく、ちゃんと自分たちでサービスも作って、そこで稼いで社内のメンバーに還元するという仕組みを作る。初めてこんな構想を耳にしました。
安達: それで、このスタートアップ事業はいくつかロードマップがあります。
今のフェーズは、マイクロサービスをどんどん立ち上げています。
どういう戦略かというと、僕らはスタートアップでバリバリやれるスキル持っていて、それを活かして「スタートアップが参入してこない市場」でプロダクトをどんどん作っていく。
スタートアップでも通用する、スキル・プロダクト品質・マーケティングスキルなどをスタートアップが参入してこない市場で活かして戦うっていうのをやっています。
なので勝ちやすい。
ターゲットの具体的な市場規模で言うと、20億円ぐらいまでの市場を狙っています。
Gota: 資金調達を前提としたスタートアップと比較すると、狙う規模が小さいですね。
TAM(全体の市場規模)としては一般的なスタートアップが目指せない範囲です。
やることとしてはスモールビジネスに近い。
安達: そうなのですが、ひとつの製品でも例えば売り上げが1~2億だったとしても、10個それがあれば10~20億になったりすることもあります。
そういう、複数で売り上げを作るのを目指しています。
Gota: アメリカでも最近そういう会社が出てきてるという話もどこかで聞いたことがあります。
実際にSEREALで出されてるサービスはありますか?
安達: 今は「HAREMA」っていうサービスをやっています。
(以下からダウンロード可能です)
このアプリの狙いとしては、気圧とか気温とか気象の変化によって結構体調悪くなる人が一定いて、その方々を対象としています。
Gota: ありますよね。雨降ったら頭痛いとか。
安達: そういう悩みを持った方々に対して、不定愁訴を予報するアプリを作ってます。
明日頭痛くなりやすいよ、みたいなことをアプリが教えてくれる。
これはかなりニッチなビジネスではあるのですが、一方で、数億くらいの売り上げ見込める試算は立っています。
今はステルスで運用していますが、オーガニックでユーザーが増えていって、有料ユーザーも増えている状況です。
Gota: このアプリについては、広告モデルじゃなくて、有料課金モデルなんですね。
HAREMAについて、今どれぐらいの規模になってるとか、言える範囲で教えていただけますか?
安達: 非公開なんであんまり具体的に言えないのですが、数万ユーザーは今オーガニックで獲得できています。
ノーマーケティングで、ということです。
Gota: なんか近いサービスで行くと「サウナイキタイ」とか、分野は違いますが、割とそういうサービス・アプリに近い気がしました。
安達: そうだと思います。
サウナイキタイって、めちゃくちゃ品質高いですよね?プロダクトもすごく良い。
サウナめっちゃ好きな人がやってるんだろうなというのが伝わります。
Gota:愛が伝わりますよね。
安達:だからサービスとして強いと思っていて、僕らもそういう要素を取り入れてやっています。
要するに、ユーザー感覚が持てないサービスはやらないと決めています。
実際に、このサービスのPOをやってるのは女性のUIデザイナーがやっていて、彼女も頭痛があったりとか不調になりやすい悩みを抱えています。
なぜユーザー感覚にこだわるか?と言うと、自分がユーザーじゃないとリサーチしたりするコストが大変になってしまう。
Gota: めっちゃ大変ですよね。プロダクトマネージャーだけでなく、新規事業関わる人なら共感できると思います。
安達: 1個1個の機能設計とかする上で、ユーザー理解を深めるというのは、実際かなりコスト(時間)がかかる作業です。
そこを効率化するために、ユーザー感覚のあるサービスをやりましょうというのを何個かある条件の一つとしています。
Gota: 自分自身が大きく抱えてるペインで、かつある程度の市場規模があるサービス・プロダクトを作っていく、ということですね。
安達: そうです。
それに加えて、マーケティング的にオーガニックで獲得できそうだとか、勝ち筋がある程度見えるものをやります。
戦略的に勝てそうなことをやってると決めています。
Gota: この発想はなかなか思いつかないですね。
やっぱり頭がいいなって思いました。
他にも戦略があったりしますか?
安達: はい、これはまだフェーズ1なんです。
実はフェーズ2もあります。
フェーズ1ではこういったマイクロサービスどんどん立ち上げていき、やっていくうちに、実はマーケットやポテンシャルが思った以上に大きかったというのも出てくると思っています。
もしそういうサービスが出てきたら、それは会社の中で続けるのではなく、スピンアウトさせて、VCなどから資金調達し単独で伸ばしていく。
これをフェーズ2として考えています。
Gota: もしそういったサービスが出てきたら、子会社でエグジット(事業売却)を目指していくのでしょうか?
安達: その通りで、海外のスタートアップスタジオだとこのパターンの方が多かったりします。
Gota:そうなんですね、驚きました。
安達: でもこれを狙ってやろうと思ったら、やっぱり資本があるプレイヤーでないとできません。
僕ら自身も少し前まではできなかったんですよね。
なので、戦略的にそこに行きたいとは思いつつ、チームアップ事業やりながら、スタートアップ事業のマイクロサービスを始めたりとか、段階をちゃんと作っていくことを考えています。
Gota: これの構想は興味持つ人が多そうだと思いました。
この事業についてはぜひ今後に期待しています。
③「コラボ事業」
安達: コラボ事業は、デジタルが苦手だけど売上の大きい会社さんと、僕らが持ってるデジタルの力を掛け合わせて、売り上げをアップさせて、その分をレベニューでシェアしてもらいます。
やはりパートナー企業だけでできる事業というのは限りがあります。
例えば、デジタルは苦手だけど、めちゃくちゃ売り上げが大きいとか、顧客抱えてる会社さんというのはいっぱいある。
そしてこの事業の良さなのですが、僕らSEREALがその企業でやっていることと同じことを単独でやるよりも、手を組んだ方が売上規模をもっと作れそうということです。
そして、組んだ方がその成功確度は高いとも思っています。
既存事業ですでに大きな価値を提供しているところに、そのバリューアップになるためです。
でも、ウェブとかアプリとかでどうやったらいいか分からないというお悩みに、僕ら自身がソリューションとご一緒させていただくので、僕らからしても成功確率が高くなるし、パートナー企業からしても自分たちだけでやるよりも規模が大きくなるといった面でwin-winになると思います。
コラボ事業も大枠としては先ほどと一緒で、非労働集約的なレベニューを得るという点を目的としています。
それによって0→1の人材にちゃんとリターンを返していきたいです。
④「ファンド事業」
安達: 最後にもう1つ、ファンド事業です。
実はシードのスタートアップにバンバン投資をしています。
でもいわゆるVCさんやエンジェル投資家と何が違うかというと、基本的にチームアップ事業で関わっている、一緒に仕事したことあるスタートアップに限定して出資しています。
それの何がいいかというと、出資検討をしている会社がどういう思想でやってるのか、社長やコアメンバーがどういう人柄なのか、プロダクトの状況はどうなのか、などを隅から隅まで理解した上で出資するので、成功確率が高いと思っています。
Gota: 隅から隅までなんですね。
安達: 一緒に仕事をやっているので、こちらとしてもかなり理解しています。
Gota: デューデリジェンス(DD)みたいなことを一緒にやりながらやれてしまう。
安達: そうですね、パートナーの中に入って一緒にやるからこそわかることが多いのが事実です。
あと、僕らは「共闘する」と謳っているので、投資をすることで「契りを交わす」という意味も持たせています。
Gota: 安達さんって意外と「共闘」とか「契りを交わす」とか、そういったワードや雰囲気がお好きですよね。
安達: 見た目は結構ドライですけど、ウェットなマインドを持っています。(笑)
意外かもしれないですが、パートナーの方々とゴルフに行くとか、そういったコミュニケーションをとても大事にしてます。
さきほどのメンバーへのリターン(報酬)の話と関連づけてお話しすると、投資したスタートアップがExit(バイアウトや上場)したら大きくキャッシュが入ってくるので、それを社内のみんなにボーナスとして返すことができます。
それを狙っています。
Gota: なるほど、そこはボーナスで還元してくれるんですね。
安達: そうです。
どうやって0→1人材に対して、リターンを返すか、最大化するかを会社の裏ミッションとしてとてもこだわっています。
SEREALに入社できるのは20名まで
安達:少し話が変わるのですが、僕らは会社のメンバー数に上限を設けていて、20名をキャップとしています。
Gota: 20名キャップとはどういうことですか?
安達: 20名までしか採用しませんっていうキャップをつけています。
なぜキャップをしてるかというと、さっきお話した、0→1ができる人材になるべく多くリターンを返したいところが関わってきてます。
どうしてもやっぱり人が増えるとパフォーマンスがいまいち上がらない方が増えたり、そういう方を頑張らせるためにマネジメントする人を採用しなきゃいけないなどの課題が出てきます。
そういった構造だと、できる人に対してリターンを返せなくなってきてしまう。
なので僕らは、自律型で自分たちでちゃんとできる人を採用している。
マネジメントコストがかからない、マネージャーとか入れずに自分たち自身でちゃんと頑張る。
その代わりにダイレクトにリターンを返します。
となると、それができるのは多分20人か30人ぐらいが限界なのではないかと思い、このキャップをつけました。
Gota: 確かにそうなるでしょうね。
それで、今後マックス20名という組織規模だけどもビジネスを拡大していくために、自社で新規事業をしたり、大手企業と手を組んだり、ファンド事業をしているということですね。
Part3「0→1に特化した独自の新規事業プロセス・フレームワークとは?」へ続く
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