見出し画像

大学生が宮崎で1ヶ月間自分と向き合ったら、5キロ太っていた話

「何が怖いの?」

Oさん


私は沈黙した。確かに何かに対して、恐怖心を抱いている気がしたからだ。

ヤッチャの学校

大学生の私は、長い春休みのうちの1ヶ月間を使い「ヤッチャの学校」という宮崎県日南市を舞台とした地域留学プログラムに参加した。簡単に説明すると、

「地域を通して、人と自分と向き合う1ヶ月」

というコンセプトのもと、パートナー企業との活動をベースに大学生6人が1ヶ月間、共同生活を送るというものである。


なぜ参加したのか

友人の紹介でこのプログラムを知ったわけだが、横浜在住の私がなぜ、遠く離れた宮崎まで行こうと思ったのだろうか。大きな理由がひとつあったように思う。

自分は一体誰なのか、どうなりたいのか

このような漠然とした疑問を時折、特に大学生になってから考えることがあった。しかし、何度計算しても答えは見つからず、出る解は「わからない」という感情のみ。このまま時が流れていけば、就活がやってきて、なんとなく就職するのだろう。あまり考えたくはない。

そのような中で「地域を通して、人と自分と向き合う1ヶ月」というコンセプトを見て即決に至ったわけだ。


自分と向き合った1ヶ月

こういった経緯で、日南市にある油津商店街のゲストハウスで共同生活を送っていた。

4日目の夜、ヤッチャの学校の運営陣の方々とお話をしていた時、そのうちの1人の方から「何が怖いの?」と問いかけられた。何に対してだろうか。この時この問いには、納得のいく回答ができなかったが、なぜか痛いところをつかれたような感覚になった。

この後も数時間、さまざまな問いを投げていただいた。私はたびたび、言葉が詰まった。会話の中で、合点がいくことが多かった。今までの自分の人生での様々な行動の本質を気付かされていったように感じた。

この日以来、日常のありとあらゆる物事に対して考え、それを毎朝、整理する時間を設けた。運営陣をはじめ、多くの大人、一緒に生活を共にするメンバーに出会い、対話をさせていただいた。同じ問いを投げかけることも少なくなかった。その度に考え、整理していった。

以降、考えて気づいたことを記したい。


自分にウソをついていた

これまで表面的なことに囚われていたと強く感じた。そのように考えると、今までの行動が腑に落ちる。

私は他者評価を非常に気にしていることに気がついた。例えば、自分の考えが及ばないことや、知らないことに対して何か投げかけられた時に、抽象的な言葉を紡いでその場を凌いでいた。

つまり、他人に「この人分かってないんだ」と思われたくないということである。このようなことを数年間続けてきた結果、少し口が達者なだけの人間になってしまっていたように思う。

分からないことから逃げるだけで、もっと知識を蓄えよう、難しいことを考えよう、時間とお金を投資して行動しようとしなかった。

部分的に自分を騙して、偽って、他人に対して実力以上の体裁を保とうとしていた。


手段から考えていた

漠然と過ごしてきた大学生活の中で、いくつか実践的なスキルを身につけようと、実用書を購入し眺めていた時間は長い。どれも中途半端に知識はついていったが、習得という部分までは踏み込めなかった。何か曖昧な、

「将来役に立つ」「やって損はない」「就活に有利」

以上のような志では、途中で継続するモチベーションが保てない。それは先に手段から考えていたからなのであろう。その前段階に必要な過程である、

なぜ学びたいのか」「習得後どうしたいのか」「そもそも働きたいのか」

といった部分を飛ばしてしまっており、自分の行動の意味を考えられていないのだ。手段からでは目的にたどり着けない。

「これからどうしていきたいのか」を考え、明確にしていくためには、現状の自分の世界ではあまりにも狭すぎるのだ。


自分の世界を広げる

これまで物事に対する「分からない」や「なぜ」をそのままにしていたが、これからどうしていきたいのか。

もう自分から目を背けない。もっと自分の世界を広げる

これまでは一定の位置で線引きされた部分でしか、物事を考えられないし、呼吸ができなかった。このままでは息苦しい。気づいてしまったからにはもう現状に甘んじることはできない。もっともっと深く、様々な視点で物事を観たい。

・多ジャンルの物事を知ったり、本を読んだりする
・体験や経験することを面倒くさがらず行動する
・他者と向き合う

解決策としてひとまず、以上を実行していこうと思う。そしてその都度、考えを整理していくことが大切だ。逃げずに自分と向き合っていく必要がある。


何が怖かったのか

ここまで、この1ヶ月の出来事と気づきを語ってきたが、1ヶ月以上越しに、冒頭の問いに答えたい。結局のところ何が怖かったのか。

「このまま時が過ぎるのが怖かった」

なんとなく気づいていたのだろう。しかし、あの場で言語化することはできなかった。気づくのも言葉にするのも怖かった。これまでの自分を全否定はしない。ただ、自分と向き合うことをサボってきたことは事実だ。

これからは前進するために、今までの自分が築いた障害を認知し、一つ一つ取っ払っていかなければならない。


人生を楽しもう

何よりも大切なことがあった。

人生は有限だ。ありのままに、心の底から楽しもう。

このことに気づかせてくれた「ヤッチャの学校」と関わってくださった方々には感謝してもしきれない。今は本気で自分にワクワクしているし、生きている実感が湧く。たった1ヶ月前とは世界が違って見える。生きるって楽しそうだ。

ところで合同会社ヤッチャのホームページに掲載されているビジョンは

「本気で遊べば、もっと楽しい。」

ここは私のスタート地点。これからの歩みはきっと楽しいものになる。
私は5キロ太れただろうか。

























この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?