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日本の常識は世界の非常識で何が悪い? N104

 「日本の常識は世界の非常識」という言葉を生み出したのは竹村健一さんだった(本人がテレビで言っていた)。その言葉を初めて聞いた頃はまだ高校生で海外には一度も行ったことがなかったから海外の常識を確かめようもなかった。  

 しかし海外に旅行をしたり、外国の人と話をするようになったり、居住をしてみたりするうちに何が違っていて何が同じかわかるようになってくる。そしてその原因のルーツを探るようになるとこの常識と非常識という意味合いがわかってくる。海外経験の豊富な竹村さんの言葉の意味がこうゆうことかと腑に落ちる。  

 最近はやはり9月入学を巡って日本の4月入学は特殊だから9月にすべきだとくにをあげての大きな論争に発展した。このガラパゴスになってしまう(あるいはできてしまう)背景には確かに島国であることも要因として働いているが、経済大国であったことが私は最も大きな要因と考えている。逆に言うと世界で最も非常識なのは米国で、その次は中国(もしかしたら北朝鮮)が現実だろう。  

 国の戦略を考えると自国のスタンダードを広げることが利益につながる。今の米中の対立の構図はわかりやすく互いのスタンダードをまさに競っている(デジタル分野は1 or nothingなのでTikTokが世界のシェアをとればYouTubeもFacebookも巻き取られてしまう)。 

 そう言った意味でなんでも海外に合わせろという論調には私は正しくないと考える。むしろ国益として損得を判断すべきである。北朝鮮はそう言った意味で戦略的にサバイブしている好例と言えるかもしれない。実際、竹村さんが報道2001の中で世界の非常識と指摘する時は防衛の観点、つまり国益の観点だった。  

 この海外と比較してどうこうのような発想こそ日本の成長を止めている原因で、国としてどう戦略をとるか?国益は何か?国民をどうハッピーにするか?を追求してこなかった結果である。 

 失われた20年あるいは30年の間で他国が重視してきたのは1人当GDP (GDP per Capita)であったりFDIを指標としてきた。日本は1周あるいは2周遅れて着手をはじめたところだが、世界情勢は目まぐるしく変わるのでこのトレンドも古臭くなってくる。つまりゲーム理論的だが各国の動きの相対的なポジションで損得が決まってしまう(特に相対的に経済規模のなくなった日本は相手の動きに影響されやすくなっている)。  

 中国のコロナ対応はかなり乱暴に見えるが、コロナをチャンスと捉えて突き進んでいる。国も経営者も結論の出ない議論を繰り返すよりもまずは自分たちのGoal(損得)を設定してそれに向かって突き進んでみる方が不確実な時期を過ごすのは良いのではないだろうか。 

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