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[解説と設問を発表]日本における「学問の自由」について(2)【英語で学ぶ大人の社会科】第68回 2/12(祝・月)20時@オンライン

日本における「学問の自由」と多様性、イノベーションについて英語で議論。


2024年2月前半の「英語で学ぶ大人の社会科:世界の知性が語る現代社会」のワークショップのお知らせです。2024年2月12日(祝・月)夜20時@オンラインで開催するワークショップは、「The Asia-Pacific Journal | Japan Focus に寄稿されたJeff Kingston教授の論文「Curbing Academic Freedom in Japan(日本における学問の自由の抑圧)」を使い、英語で議論します。なお、この論文はA4PDFで8ページあるため、今回は5ページ目のセクション「Propaganda, Intimidation, and Cooptation」より後ろの部分を利用します(前半部分の議論については、1月にワークショップを実施しました)。このワークショップの解説と設問を発表します。

【ワークショップ】

2023年末に、米国における学問の自由について議論しました。今回、文脈は違いますが、日本における学問の自由について、英語で議論します。

国際紛争から考える「学問の自由」と国家【英語で学ぶ大人の社会科】第65回 12/27(水)20時@オンライン|Global Agenda

1月はJeff Kingston教授の論文の前半部分を利用して議論しました。

日本における「学問の自由」について(1)【英語で学ぶ大人の社会科】第67回 1/21(日)20時@オンライン|Global Agenda

今回は、この論文の後半部分、「Propaganda, Intimidation, and Cooptation」「Online Harassment」の2節と結論部分を使い議論します。

ちなみに、co-optationの定義は、Merriam-Websterによると、以下のようになっています。

興味深いのは、この語彙には「新会員の任命」以外に、「(反対派を抑え込むために、反対派の意見を取り入れて)既存の組織や主張を元々の役割や意味とは違う用途に使う」という意味もあることです。むしろ、今では、後者の意味のほうが広く流通しているぐらいですが、この論文の上記の節の中で言及されているのは「日本学術会議の新会員任命拒否問題」です。

日本学術会議の会員候補、菅前首相が拒否した6人の名前開示…「外すべき者」と文書に手書き : 読売新聞オンライン

そして、後半部分で議論されているのが、日本の戦前・戦中のアジアにおける「帝国主義」「植民地」の歴史に関する研究や映画・アートなどの創作物への激しい攻撃です。くしくも、今月、群馬県で公用地における「朝鮮人追悼碑撤去」という決定が下され、多くの人権活動家やアーティストが反対運動を始めました。

群馬の森 朝鮮人追悼碑撤去をめぐり、アーティスト有志が反対の要望書を26日に提出する意向。賛同者も募る

実は、私も今年の初めに神戸市の会下山公園近くの誰も通らないような線路沿いの暗い場所にひっそりと佇む「神戸電鉄敷設工事、朝鮮人労働者の像」を見て、やり切れない思いを抱きました。

一方、戦国時代に神戸で戦った武士たちや戦前の海軍の戦闘の犠牲者を弔う堂々とした記念碑は、誰もが目にする公園内の海を見下ろす丘の上に建立されています。同じ人命でありながら、国籍や身分の違う人々の死後の扱いの違いに「表現の自由」と国家の関係性について、深く考えさせられました。

今回、教材で利用するKingston教授の論文は、上記の記事や論考を踏まえた日本のアカデミズムの現状分析です。このワークショップの詳細は以下のとおりです。ご関心のある皆様の参加をお待ちしています。

日時: 2024年2月12日(祝・月)20時~21時30分

場所: オンライン
定員: 10名程度まで
費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~

【教材】

Curbing Academic Freedom in Japan by Jeff Kingston

チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。

【チケット】

日本における「学問の自由」について(2)【英語で学ぶ大人の社会科】第68回 2/12(祝・月)20時@オンライン

【銀行振込での申し込み】

振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。

このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去のワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。

【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会

【解説】

社会を取り巻く環境の急速な変化に伴い、「学問の自由」の重要性は増しています。AI他テクノロジーの進化で、偽情報が氾濫し、人間の倫理観が試される時代になったからです。19世紀から20世紀にかけて、多くの大規模な戦争が起こったことは、情報化社会の出現及びプロバガンダの発達と無縁ではありません。これらの情報操作により、多くの国民を洗脳し、「総力戦」といわれた戦争に向けて、彼らを「総動員」することが可能になったからです。日本でも、戦前に「言論の自由」「学問の自由」が保障されていれば、この戦争は起こらなかっただろう、という前提のもとに日本国憲法は制定されています。

今回、利用する論文でも言及されている日本学術会議は、日本が無益な戦争に突入したことの反省から、戦後、政府から独立した特別な「科学アカデミー」としての役割を担うため設立されました。以下、「日本学術会議とは」と書かれた見出しの下にある文章の冒頭部分です。

日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年(1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。職務は、以下の2つです。
-  科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。
-  科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。

日本学術会議

日本学術会議とは

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