誰もが『美点』を持っている

電話の向こうのA子さんは、こう言いました。

『社長が心配されていたあの件ですが、今日、こういう動きがありました。対応は済んでいますので、会社に戻られた後の報告でも問題ないかと思いましたが、早くお知らせしたほうがご安心でしょうから。』

あのA子さんが、こんな細かな気配りを。

それはYさんにとって、とてもうれしい出来事であると同時に、一つの気づきを得るきっかけでもありました。

Yさんは当時を振り返って、こう語ります。

『やはり人間ですから、気の合う人もいれば、なかなか剃りが合わない人もいるものだと思います。それでも、どんな相手にも一つや二つ、必ずいいところがあるはずです。ですから、まずそれを見つけようという気持ち、さらには相手のいいところに学ばせてもらおうという気持ちで人と接していくことが大切なのではないでしょうか。』

長所や美点が見えてくると、相手に対する思いが変わってきます。

それと同時に、相手のいいところが見えるようになった自分自身も、一つ成長できたと言えるのかもしれません。

その意味では、苦手な人、気の合わない人に出会ったときこそ、人間として成長できるチャンスなのではないでしょうか。

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