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食育がわからなくなってきた

 イタリアの人って、レストランに行って注文のセンスがやっぱり抜群にいいと思う。私なんかは食べたいもの、食べたい食材だけで選んでしまったりするけれど、AntipastoがこれならPrimoはこれ、PrimoがこれならSecondoはこれ、なんというかバランスがいいということもあるが、素材、野菜や畜産などの土地のことまで考えている、あと季節感とか、なんか自然がつながっているなあとハッとさせられることがある。挙げ句の果てにはこの料理食べた後なら、Dolceはこれだよねとまでいう。

 食育という言葉が最近よくわからなくなってきた。2005年に成立した食育基本法においては、「生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの」と位置づけられているそう。私も子供の舌が敏感になると、全てのことに対してのものの考え方が変わるのではないかと思って、そのいしづえとして、野菜はほぼ有機、そして出来合いのものは食べさせないようにしている。しかし今はマクドナルドも食育をしているというし、ベジタリアンとかマクロビオティックなどにも発展している。食育という言葉が発展していることもあると思うのだが、使い古された雑巾見たいに感じることもある。

 あと最近欧米ではCO2排出を減らすために牛肉を食べないという人が若者を中心に増えてきている。確かに地球全体の二酸化炭素の14.5%は家畜からきているという報告を見ると、実際の行動に移している若者たちは立派だと思う。(畜産業全体の排出ガスの78%は牛肉生産に起因。ドイツやスウェーデンは食肉税を課している。)ただなんとなく躊躇してしまう。私もじゃあ子供に牛肉を食べさせることをやめるべきかどうか。(我が家はそもそも牛肉の消費量はそんなに多くないと思う。ステーキやひき肉も食べない。日本人ってもともと牛肉をそんなに食べる人種ではないと勝手に思っている)私の個人的な意見としては、人間が古代から食べ続けていた牛肉を全く断ち切るというのはどうも不自然な気がする。自然の恵みとして牛肉を取り入れることも大事なのではないかと思ってしまう。味を経験として知っておいた方がいいと思うし、牛の体のことを知って、牛が家畜としてどのようにされているかを知ることも大切だと思う。牛からはミルクも出て、チーズもヨーグルトも作ることができて、お肉もいただくことができるということを私なら子供に教えたいなと。(映画 エルマンノ・オルミの「木靴の樹」みたいなリアルな農民の生活を見ていると、私はより、そう思う)


 もしCO2排出削減という観点ならば、食品ロスを減らした方がいいと思う。外食産業の人には申し訳ないが、家食を増やせば食品ロスは減ると思う。(もしくは外食も注文の量と作る量をなるべく等しくするようなシステムにすべきと思う)

もし野菜ストックの方法などに興味があればこちらの記事>>


 夫が港町出身の人だからだろうか。私の夫もあまりお肉をそもそもそんなに食べない気がする。(食の嗜好が合うということは、家族になる条件として本当に重要なポイントだとしみじみ思う)この料理はイタリアを思い出すとよく言う。”Gamberi gratinati" 海老のパン粉焼き。とてもシンプルで15分ぐらいでできてしまうお手軽料理だけれども、確かにイタリアのレストランでよく出てくるなーと私も思う。海老ってなんでこんなに美味しいのでしょう。殻やミソが出汁となってよく絡み自分で自分を最高に味付ける海老。

 作り方は至って簡単。海老をオーブン皿(フライパンでもいい)に並べ塩胡椒し、Prezzemolo(イタリアン・パセリ)を刻んでたっぷりかけ、オリーブオイルを回し入れる。そしてその上にパン粉を乗せ、200度のオーブンでたった10分。これだけなのにすごい美味しいです。今みたいに暑い日は、こんなお手軽料理がいいですよね。試してください。

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 ポイントは夫曰く、やはりPrezzemolo(イタリアン・パセリ)とpangrattato(パン粉)。日本のパセリだとやはり味が違う。イタリアン・パセリは本当に育てた方が楽。Erbaccia(雑草。ちなみにErbeはハーブのこと)のように抜いても抜いても生えてくる、他の鉢に飛び火する。(Come essere il prezzemoloというのは「でしゃばり」という意味) パン粉も日本のパン粉では違う。イタリアのパン粉はもっと細かく、家で硬くなった余ったパンを挽くのが普通。(私は自分で焼いたパンが硬くなったものをミキサーで細かくして使う。)ちなみに逆にイタリアも「日本風パン粉」というのが最近売っているそう。(”Cotletta alla milanese con il Panko giapponese"というのを私はコモ湖近くのレストランで食べて驚いた。それは日本人の私にとっては、ミラノ風というよりただの神戸風牛カツだった。ちなみに神戸牛もイタリアで有名で「コッベ!」とお発音されている)

 食育のことはもう少し考えなければならない。(自分なりの答えが出ていない、自信のない迷った文章になってしまった)しかし今はとにかく行儀が悪いのを承知でこれをScalpettaして召し上がってください。(Scalpettaは靴底を押し付けるように、パンを余ったスープやオイルに付けて食べることをいう。行儀が悪いが、家庭などではやったりする。これが美味しいことをみんな知っているからだ!)さっきも言ったように海老の出汁がパンに染み込むと、これだけで逸品!なんて美味しいことか!これも食育の線引きの微妙なところ。


 

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