京都祇園石段下いづ重の話

京都祇園石段下いづ重( https://gion-izuju.com/ )のお寿司以外のお話し | 商品ではなく、店の内側・祇園町に焦点をあてていきます | 新規投稿はInstagram, Facebookでもお知らせしています!

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    最近の記事

    第13話 貝

    8月30日です。 緊急事態宣言発令中で祇園もガラーンとしております。店も静かです。表の車の騒音も波の響きのようで穏やかです。 あぁ、遠く呼ぶのは唯の声でしょうか。懐かしいような、秋を感じる季節です。 この貝をもらったのはいつだったでしょう。私(店主)が8つか9つの頃です。私のおじいさんはとっくに居ませんが、あの頃から40年以上経ちました。 おじいさんがどこで手に入れたものかわからないのですが、『何々貝』と名前を告げながら説明も交えて一つずつくれた貝です。昔々に一度きり聞

      • 第12話 鱧(はも)

        はもは泥の中で寝てるんですね、このあいだテレビでやってました。 四国の青石という銘石があります。おじいさんが自慢してたあの庭石ですよ。青石は長い歳月をかけて吉野川でゴロゴロされて風化して微粒子になって、淡路の沼島の周辺にふりつもって深い、やわらかい、たっぷりした泥底が出来るんです。 ハモはその飛び切り上等の泥の寝床に放物線の逆というんですか、頭からゴボッと突っ込んで顔と尻尾だけ出して寝てるそうです。夜になると小魚やイカ・海老・タコを食いに泳ぎだすんでしょう。 研究されて

        • 京寿司調理師の休日【花見】

          前回の投稿(番頭解説⑦ -週休二日の理由-)で予告した通り、今回は従業員のエッセイを。 【新・京寿司】『お花のリースを召し上がれ』(参照:第11話 新・京寿司、番頭解説② -お花のリース-)は、中路先生(お茶の名人)の2・3茶会100回記念でお出しした点心でしたが、割と好評でした。めでたし、めでたし。 3月にはいると、定番の小さな小さなおひなさん用のちらし寿司を作ります。毎年のことながら、小さな折箱の包装です。小さなちょうちょ結びを致しますが、もっと手先が器用ならかわいい

          • 第11話 新・京寿司

            いづ重の小政(以下小政) エッ、又これですか? いづ重の大政(以下大政) 覚えたはったんですか。 いづ重のズズ(以下ズズ) 久しぶり~ いづ重の番頭(以下番頭) コロナ禍で完全に消えたとばかり思ってたのに。 いづ重の店主(以下店主) ジャジャーン お花のリースを召し上がれ! 祇園石段下いづ重常連客のおじさん(以下おじさん) なッ、なんやそれは!! 大政 あれッ、初めて見ましたか。 おじさん なんやね、こんな子供だましみたいな寿司?寿司か?これ。 ズズ 新作の

            第10話 五寸皿

            (ひっそりとした祇園にて) 祇園石段下いづ重常連客のおじさん(以下おじさん) 又、祇園が静かになって来たのう。人影もまばらやな。 祇園石段下いづ重の店主(以下店主) おいでやす。ご無沙汰でしたねえ。 おじさん GOTOの時は皆バタバタしとったのう。近寄れんかったんや。 店主 そうです。GOTOの時は京都以外の常連さんがいっぺんに来はったさかいにテンヤワンヤでひっくり返ってたんです。スンマセン。 おじさん 忙しいのは結構結構。 いづ重の大政(以下大政) 又、掃除の日

            第9話 本日、国宝に指定さる

            天の声 一同面を上げ。 そこもとら市井のまめ人らの八坂神社への千余年に亘る疫病退散への祈りの伝統ひたぶるに直し誠に天晴れ誉めてつかわす。現今の流行りの疫病み大難が小難そして無難になるべく、信心以前に増して堅うせよ。 全員 ハハァー、かしこまりましたー。 天声じゃ、天声じゃ。おらが在所のお宮さんが国宝じゃ。重文じゃ。誉めてもろうたぞ、喜ばしいことじゃぞ。 新規投稿はInstagram, Facebookでも通知しています! ●京寿司調理師を募集しています。 詳しくはこちら

            第8話 炉開き(若手の間では…)

            祇園石段下いづ重の大政(以下大政) これ椿の木の火鉢らしいで。 祇園石段下いづ重の小政(以下小政) 朝から火いれて鉄びん磨いてはりましたで。 ヅヅ 火鉢に栄養あげなあかんちゅうて。かづら清さんの椿油ぬって磨きたおしたはりましたよ。 大政 又、これから春先まで『火の用慎、火の用慎』て言うで。 小政 今日は雨で杯が落ち着いてるから。灰渡してきれいにしとけとか言うで。 ヅヅ ズクズクのふきんで拭くのやない、乾拭きせーとか言うで。 大政 鉄びんの向きがあかんとかも言うで。

            第7話 炉開き

            祇園石段下いづ重の大政(以下大政) 何をさっきからバタバタしてはりますにゃな? 祇園石段下いづ重の小政(以下小政) そうでっせ。仕事私らさして。 祇園石段下いづ重の店主(以下店主) あしたが炉開きなんやがな!準備や、準備! 大政 炉開きて何の日です? 店主 詳しいことは中路さん(※)に聞くけど、うちは昔からこの日に火鉢の火をいれるんや。 小政 …寒かったら火入れたらええやないですか。 店主 あかんにゃ、ガマンすんにゃ。 大政 火入れる日まできまてますのか? 店

            番外編:Go to トラベル 地域共通クーポン使えます!

            祇園石段下いづ重の店主 これがゴーツーか! 大政 寿司券みたいなもんやね! 小政 (…安っぽい券やな。) 電子クーポンも使えるんですか…? 番頭 QRコードを設置すれば電子クーポンの方もいける、のか? 短期間で設計させた役所も随分大変だったでしょうね…。 Go to Eatも10月20日から使える予定です。 どうぞご利用くださいませ。

            第6話 表の行燈

            いづ重の小政(以下小政) …表の行燈、貼りかえてくれはりましたか? いづ重の店主(以下店主) へぇ、貼りかえときました。 小政 …破れて、ボロボロで、みっともなかったでしょうが。 店主 へぇ、今度はええ紙使いましたので長持ちすると思います。 小政 …ええ紙て、どんなん? 店主 50~60年前の越前の繊維の長い紙やから強いと思うよ。 【イヤミ】あんたらが、もっと丁寧にあつこうたらもっともっと長持ちすると思うよ。 小政 【聞こえないそぶり】 …しかし、この行燈も古いし

            第5話 今はもう秋

            祇園石段下いづ重の店主(以下店主) この前の連休だの、土日だのGO TO の影響なのかすごい人出やったなあ。 若手筆頭改め大政(以下大政) めちゃくちゃでしたね。 いづ重の小政(以下小政) …ばたばたしましたね。 店主 観光地は芋の子洗う如しやったちゅうことやで。 ♪今はもう秋 だれも居ない海~ 大政 閑散として商売あがったりでしたけど、この半年間綺麗でしたよね。 店主 静かでね。京都てええとこやと思うたなあ。 小政 …夕焼も美しかったなあ。 これからの京都はど

            第4話 100年前の御品書き(其の一)

            いづ重常連客のおじさん(以下おじさん) 又、古いもん出してきたなあ。 祇園石段下いづ重の店主(以下店主) はい、大正九年のお品書きですわ。 おじさん 大正九年ちゅうたら1920年。ちょうど100年前やなあ、 誰の字や? 店主 おおじいさんの字です。 おじさん なになに『其他、…』、『薄利多売を旨として…』 ………がんばってるやんか…… 店主 当時はうちが開店10年目位ですから、がんばらんと子供も増えていく頃ですしね。 筆頭心得改め小政 なんですか、これ…… 東京寿

            第3話 自分で作ってみんかい!

            祇園石段下いづ重の若手筆頭(以下筆頭) どや!特製まな板立て!! これが今流行りのDIYっちゅうやっちゃ! 祇園石段下いづ重の筆頭心得(以下心得) …ネットで買ったほうが早いですよ。 筆頭 なんちゅうこというねん! いるもんは自分で作って、完成した日を生年月日として書くのがうちの不文律やろ!大将みてみぃ!未だに商品に使う「あて紙」の新作発表し続けてるやんけ!なんでも自分でやるんや! 心得 …業者に頼んだらいいんじゃないですか。 …でも商売にできそうですね、あて紙も。

            第2話 この継いである皿は…?

            祇園石段下いづ重の番頭(以下番頭) 妹さんが金継ぎ仕上げてきてくださいましたよ。 祇園石段下いづ重の店主(以下店主) コロナで家に居るあいだに腕が上がったようで、上手やなあ。 番頭 どうやって継ぐんですか? 店主 いろんなやり方があるみたいやけど、義理の妹はうるしを使っての本格派や。 番頭 大将も暇な時に金継ぎしてたじゃないですか。あれはどうやってやったんですか? 店主 あれはナンチャッテレベルという継ぎ方で上等の器には不向きや。 番頭 でしょうね、洗うの怖いです

            第1話 NHK 美の壺に出る!

            いづ重常連客のおじさん(以下おじさん) 今晩NHKの美の壺に出るらしいやないか。予告編にここの寿司らしいもんが映っとったぞ。 祇園石段下いづ重の店主(以下店主) そうです、春先に取材に来はったんですわ。 おじさん 「美の壺」に出さしてもらえるちゅうのは大したもんやぞ! 店主 そうです、誠に大したもんです。 おじさん 自分で言うな、あつかましい。 ここは昔からの京都の寿司が多いから引き立てに合うたんや。続けて来はったこと大事にしていかにゃならんぞ。 店主 まだまだ掘り