第12話 鱧(はも)
はもは泥の中で寝てるんですね、このあいだテレビでやってました。
四国の青石という銘石があります。おじいさんが自慢してたあの庭石ですよ。青石は長い歳月をかけて吉野川でゴロゴロされて風化して微粒子になって、淡路の沼島の周辺にふりつもって深い、やわらかい、たっぷりした泥底が出来るんです。
ハモはその飛び切り上等の泥の寝床に放物線の逆というんですか、頭からゴボッと突っ込んで顔と尻尾だけ出して寝てるそうです。夜になると小魚やイカ・海老・タコを食いに泳ぎだすんでしょう。
研究されてる先生が泥を手に取ってみせてました。なるほど、なめらかでおいしそうな泥でした。あの泥がおいしくさせるんでしょうか。私もお気に入りの泥を見つけて頭からゴボッともぐりたいもんです。
はもがおいしくなって来ました。どうぞ御買上くださいませ。
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