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第2話 この継いである皿は…?

祇園石段下いづ重の番頭(以下番頭)
妹さんが金継ぎ仕上げてきてくださいましたよ。

祇園石段下いづ重の店主(以下店主)
コロナで家に居るあいだに腕が上がったようで、上手やなあ。

番頭
どうやって継ぐんですか?

店主
いろんなやり方があるみたいやけど、義理の妹はうるしを使っての本格派や。

番頭
大将も暇な時に金継ぎしてたじゃないですか。あれはどうやってやったんですか?

店主
あれはナンチャッテレベルという継ぎ方で上等の器には不向きや。

番頭
でしょうね、洗うの怖いですし。昔は金継ぎ屋さんがいたんですかね?

店主
銀の金具でホッチキスの姉さんみたいな、カスガイの小さいのを使って継ぐ人は、自転車で回って来て、カスガイ1ヶ1圓で修理してくれたって言うてたで。目の前でしゃはるんやて。写真に写ってるフランケンシュタインみたいなやっちゃ。

番頭
お店の中を見渡すと継いである器だらけですね。

店主
おおじいさんが昔金継ぎしてある器を買うたのかな?割れた器を再生してよそへ売る人がいたのかな?要するに割れた器と納得して使う人の間をとりもつ人が居たんやなあ。

番頭
なんかのんびりしてますね。

店主
当時は当時で丁々発止やったんやろけどな。

番頭
これから先、世の中そこへ戻りますかね?

店主
面白いで。自転車で割れた器ありませんか~、いうて。ええやんか、気楽で。

番頭
「金継ぎ屋はん、一杯のんでいきいな」とか言われてね。


割れていない器を買えるよう、店主は今日も寿司を作る…
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