第13話 貝
8月30日です。
緊急事態宣言発令中で祇園もガラーンとしております。店も静かです。表の車の騒音も波の響きのようで穏やかです。
あぁ、遠く呼ぶのは唯の声でしょうか。懐かしいような、秋を感じる季節です。
この貝をもらったのはいつだったでしょう。私(店主)が8つか9つの頃です。私のおじいさんはとっくに居ませんが、あの頃から40年以上経ちました。
おじいさんがどこで手に入れたものかわからないのですが、『何々貝』と名前を告げながら説明も交えて一つずつくれた貝です。昔々に一度きり聞いた貝の名前ですが、今も覚えているでしょうか。
忘れてしまったことはどこへ行ったんでしょうね。
夏が終わります。
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