第11話 新・京寿司
いづ重の小政(以下小政)
エッ、又これですか?
いづ重の大政(以下大政)
覚えたはったんですか。
いづ重のズズ(以下ズズ)
久しぶり~
いづ重の番頭(以下番頭)
コロナ禍で完全に消えたとばかり思ってたのに。
いづ重の店主(以下店主)
ジャジャーン
お花のリースを召し上がれ!
祇園石段下いづ重常連客のおじさん(以下おじさん)
なッ、なんやそれは!!
大政
あれッ、初めて見ましたか。
おじさん
なんやね、こんな子供だましみたいな寿司?寿司か?これ。
ズズ
新作のちらし寿司ですよ。私は好き。エディブルフラワーって言う食べられるお花ばっかり集めて来るんですよ。
おじさん
花を食べるのか?
ズズ
そう、お花を一つずつ食べると不思議な気持ちになって来るの。楽しいような、悲しいような。
おじさん
悲しい食べもんというのは奥が深そうじゃの。
ズズ
悲しいって言うか、なんというのかなあ。おっちゃんには解らんかもね~。
小政
大将と一緒に一年位前に「新・旧京寿司」っていう題で講演会までしたんですよ。ボク助手させられましたもん。
おじさん
これは、新・京寿司なのか。
番頭
大将の”説”によると、京寿司の歴史との対話を繰り返し一歩先の思考にたどり着いた、珠玉の新京寿司だといってました。又大風呂敷を身にまとって大ぼらを貝を吹くつもりかと思いきや、真剣に花を集めてくる姿を見ると、思いつきだけじゃなさそうですよ。私も全国花集めで大変なんですから。
おじさん
そら、あんたもごくろうさんなこっちゃ。あれせえ、これせえで。ほんでその大将の説ちゅうのはどんな説や。
番頭
京寿司には逝きし世の暮らしの物語が読み取れて、そこらあたりを含めて日本のごちそうは寿司だとか。
大政
人は物語を食べるのだとか。
小政
新しい京寿司は個人の物語が投影出来にゃならん、とか色々言うたはりますわ。
ズズ
このお寿司自体がまず、物語になってるんですよ。物語って時間でしょ。
店主
まあまあ、秘すれば花であります。
で、このお寿司の名前は『お花のリースを召しあがれ』と申しまして、恥ずかしいでしょ。私が名付けたんですがね。まあボチボチ固めていこうかな。…ところで誰が大ぼら吹きじゃい!
※原材料
百花・玉子・すし飯(国産米使用)・くるみ・アーモンド・松の実・かぼちゃの種・カシューナッツ・くこの実・あんずの実・レーズン・のり・クリームチーズ・しめじ・舞茸・椎茸・信州サーモン・ピンクペッパー・ベビーリーフ
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