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第11話 新・京寿司

いづ重の小政(以下小政)
エッ、又これですか?

いづ重の大政(以下大政)
覚えたはったんですか。

いづ重のズズ(以下ズズ)
久しぶり~

いづ重の番頭(以下番頭)
コロナ禍で完全に消えたとばかり思ってたのに。

いづ重の店主(以下店主)
ジャジャーン

unnamed - コピー

_花盛りちらし寿司 (27)

_花盛ちらし寿司_漆器入り (15)

お花のリースを召し上がれ!

祇園石段下いづ重常連客のおじさん(以下おじさん)
なッ、なんやそれは!!

大政
あれッ、初めて見ましたか。

おじさん
なんやね、こんな子供だましみたいな寿司?寿司か?これ。

ズズ
新作のちらし寿司ですよ。私は好き。エディブルフラワーって言う食べられるお花ばっかり集めて来るんですよ。

おじさん
花を食べるのか?

ズズ
そう、お花を一つずつ食べると不思議な気持ちになって来るの。楽しいような、悲しいような。

おじさん
悲しい食べもんというのは奥が深そうじゃの。

ズズ
悲しいって言うか、なんというのかなあ。おっちゃんには解らんかもね~。

小政
大将と一緒に一年位前に「新・旧京寿司」っていう題で講演会までしたんですよ。ボク助手させられましたもん。

おじさん
これは、新・京寿司なのか。

番頭
大将の”説”によると、京寿司の歴史との対話を繰り返し一歩先の思考にたどり着いた、珠玉の新京寿司だといってました。又大風呂敷を身にまとって大ぼらを貝を吹くつもりかと思いきや、真剣に花を集めてくる姿を見ると、思いつきだけじゃなさそうですよ。私も全国花集めで大変なんですから。

おじさん
そら、あんたもごくろうさんなこっちゃ。あれせえ、これせえで。ほんでその大将の説ちゅうのはどんな説や。

番頭
京寿司には逝きし世の暮らしの物語が読み取れて、そこらあたりを含めて日本のごちそうは寿司だとか。

大政
人は物語を食べるのだとか。

小政
新しい京寿司は個人の物語が投影出来にゃならん、とか色々言うたはりますわ。

ズズ
このお寿司自体がまず、物語になってるんですよ。物語って時間でしょ。

店主
まあまあ、秘すれば花であります。
で、このお寿司の名前は『お花のリースを召しあがれ』と申しまして、恥ずかしいでしょ。私が名付けたんですがね。まあボチボチ固めていこうかな。…ところで誰が大ぼら吹きじゃい!

_花盛ちらし寿司_漆器入り (12)

※原材料
百花・玉子・すし飯(国産米使用)・くるみ・アーモンド・松の実・かぼちゃの種・カシューナッツ・くこの実・あんずの実・レーズン・のり・クリームチーズ・しめじ・舞茸・椎茸・信州サーモン・ピンクペッパー・ベビーリーフ

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