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言葉・おしゃれ・哲学の関係性♪ 感想その2

「言葉の服 おしゃれと気づきの哲学」を

ゆっくりと読み進めています♪

この本は、まるで「言葉の宝石箱」のように
私の心に響きます。
新鮮な知識の波を受けとめながら読み進め
ていくと出会える、やわらかく光る言葉たち。


今日は、「映り」と「あわい」について。
↓感想 その1はこちらです。


「映り」=取り合わせの不思議

今日の料理はどんな器に盛り付けようかな?
と、食器棚をあれこれ探すのは楽しい。
このパスタには木のボール、里芋の揚げ煮に
は土味のざんぐりした陶器、そして鮮やかな
トマトサラダには繊細な赤絵の磁器。
花と器の関係はどうだろう。
日本には「花映り」と言う言葉がある。
大輪の牡丹には格調高い銅や青磁の瓶がふさ
わしく、それをのせる敷板も黒漆で塗った「
真塗」が引き締まる。
そして服にも「映り」がある。
試着室の鏡の前で、自分の体と今の気分
にぴったり寄り添う服を見つけたときの
嬉しさ!
流行や価格よりも顔映りが良く、私と言
う存在を生かしてくれる服が、「本当に
似合う服」だ。

私が、飽きずに20年近くも生業としている
パーソナルカラーコンサルティングが正に
そう。
自分好みの色で押し通すより(OFFならOK)
TPO(時間・場所・場合)に沿わせて
自分のパーソナルカラーでコーディネート
したほうが【顔映り】がよく見え素敵です♪

「あわい」=関係性の美学

物と物との空間的な関係=「間」の取り方
にも、日本人らしい美学があるとよく言
われる。
時に「余白の美」とも言う。
だが「余った白」という
ネガティブな言葉よりも、もっと綺麗な
日本語がある。
それを「あわい」と呼ぼう。
水墨画もまた淡いの芸術だ。
安土桃山時代に長谷川等伯が描いた国宝「
松林図屏風」は驚くべきことに六曲一双=
十二画面のうち半分近くが何も書かれてい
ない。
だがむしろその描かれなかった霧のあわいに
、見えない樹々の存在が次第に強く感じられ、
松林はやがて私たちを取り巻き圧倒する。
「あわい」はまた、空間だけでなく時間的な
関係性にも使われる。
黄昏と夕闇とのあわい。
挽歌と初秋との季節のあわい。
ゆるやかにつながっていく時の後先。
繊細な心で感じなければ通り過ぎてしまう、
はかない一瞬。
「あわい」という言葉は、なぜかそんな
無常の響きを持っている。
移ろう季節にかすかな気配を感じ取ること
も、自然なバランスで花を生けることも、
部屋のしつらえや配置に自分らしい生活の
美を作ることも、そんな「関係性の美学」
だろう。
人は年齢を重ねると筋肉も感覚器官は衰え
るものだが、経験とともに「物を見る目」
だけは鍛えることができる。
大人になってもずっと成長できるのは、
なんて素敵なことだろう!


今日の読書も、素敵な「言葉のシャワー」を
浴びることができました♪

※著者「matou」デザイナー堀畑裕之
堀畑は大学で哲学を、関口真希子は法律を学
んだ後、文化服装学院で出会う。企業のパタ
ンナーとしてパリコレクションに携わった後、
ともに渡英。ロンドンコレクションに携わる。
 帰国後、2005年matohuを設立。

(法律と哲学を学んだ2人が創る異色なブランド)



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