長男の友達関係と、「幸せ」について(1)
長男はギフティッドの特性があって、学校の勉強は退屈と感じるし、色々と爪弾きにされたり、友達ともやったやっていないでトラブルになることもある。決して学校が居心地が良いわけではないものの、それでも学校は苦しくはないそうだ。
友達との関係
長男が友達と接する姿からは、同級生と話が噛み合わなくて浮いてしまう様子は感じられない。朝学校に行くときも、たまに少しだけ見送りで見守ることがあるのだが、途中で同級生に会ったりすると、長男から「よっ」っと声を掛けたりして、そのまま自然と一緒に学校に行っていたりする。
過去に学童に通っていた時も、学年問わず誰とでも活発に運動をして遊んでいた。他の学童との合同ドッジボール大会などがあると、とても燃えていたし、普段から自分より年下の子の面倒見も良かったように聞いている。
実際、週末に近所を長男と歩いていると、年下年上問わず、「おっ、ドラ」と声を掛けてくれたり、遠くの方からも長男に気づいて「ドラ~!」と笑顔で呼んでくれたりする。こういうのを見ると親としてはとても安心する。
浮いているかもと思うことも
一方で、振り返れば浮いた経験もあったと思っている。小学校の低学年の時、クイズ係になったと言って家でせっせとクイズを作っていた。見せてもらうと化学のクイズと思われるものを作っていて、私と夫がおいおいと言って止めたことがある。
長男がそういうのが好きなのは分かるけど、他の子はなぞなぞみたいなクイズじゃないと参加できなくて、化学だと答えが分からなくて楽しめないと思うよと話して聞かせたのだった。
正直に述べると、当時の我々の反応はもっと辛辣で、第一声は「アホか、そんなもん他の子が楽しめるわけないだろ。」という風だった。みんなで楽しむことが目的なのに、自分しか答えが分からないようなクイズを作ってどうするのだ、それでは自己中になってしまうと思ったのだ。でも長男がしょんぼりしてしまったのを見て、あれ、この子は悪気はなかったのだと気づいてもう少し丁寧に説明したような記憶がある。
こういう兆候を基に、親の方で長男の特性に気づいて別の環境を模索できていたら良かったのかもしれない。でもその時は全くそのような発想がなかった。
長男が気を遣っている可能性
でも周りの子と話が合っているように見えるのは、長男が周りに合わせて会話をしているからで、人知れずかなり気を遣っているのではないかと指摘されている。
例えばスクールカウンセラーからは、長男には学校で話が合う相手がいない可能性が高く、カウンセリングの時間が長男にとって自分の知識を披露できる唯一の場になっている、かつそれは長男にとって心地良いようだし、必要な時間なのではないかと言われている。
カウンセリングの時間には、その時々のニュースになっている話題を長男が自分の知識を交えて説明したり、日常の些細な話も含めて話したいことを聞いてもらえる時間になっている。しりとりも良くしているそうで、使った言葉の意味を解説したり、先生が詰まったら長男がヒントを出すそうで、そのヒントから単語を言い当てるようなことをやっているそうだ。
先日受診した子どもの心相談医からも、「かなり気を遣っているはずです」と言われた。私が「長男はよくスポーツの話を友達とはするそうです」と言うと、それは長男がそれなら話が合うと分かってのことだろうから、そういった日常的な気遣いもストレスになっている可能性がありますと言われた。
一般的にギフティッド児が同級生と話が合わなくて浮きやすいというのは知っていたが、長男には当てはまらないような気がしていた。それで長男にそれとなく訊いてみることにした。
(2)につづく