病院で働く事務さん

病院で働く事務さん

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事務さんの所属部署(物品管理編)

事務さんが所属するであろう部署をいくつかお話しします。 第2回は「物品管理課」です。 物品管理課の主な業務を以下に示します。 (病院で使用される言葉を使うと分かり難い部分もあるのでかなり砕けた文言でお示しします) ・院内で使用する物品の購入及び管理 ・各部署からの請求伝票の管理 ・業者さんとの値段交渉 ・在庫管理 ・購入物品における使用具合の管理 病院によっては上述に示した以外にも色々な業務があると思いますが、院内で使用する物品の購入及び値段交渉といった事が主な業務とい

    • 事務さんの所属部署(医事課編)

      事務さんが所属するであろう部署をいくつかお話しします。 第1回は「医事課」です。 医事課の主な業務を以下に示します。 (病院で使用される言葉を使うと分かり難い部分もあるのでかなり砕けた文言でお示しします) ・患者さんの受付 ・診察内容をお金(請求金額)に変換する ・書類(保険会社に提出するもの等)作成 ・患者さんの自己負担診療費(外来・入院)の会計 ・患者さんの自己負担分以外の診療費(外来・入院)の請求手続き ・診療内容のチェック ・診療内容の不備箇所の訂正 ・地方厚生局

      • 事務さんと賞与

        夏の賞与(ボーナス)支給が近づいてきました。 病院で働く人の賞与は景気との関係性があまりありません。 病院の売り上げは「診療報酬(点数)」という制度によって成り立っています。 「診療報酬」というのは簡単に言うと、医療行為に対する報酬という事になります。医療行為にはそれぞれ点数が定められており、その点数の合計分を報酬という形で医療機関は受け取ります。この点数は景気によって変動するものではなく、2年に1回国が決定するものとなります。 因みに1点は金額でいうところの10円にな

        • 事務さんのパソコン事情

          事務さんの使用するパソコンの特徴として、インターネットに接続できないという点が挙げられます。 理由としては病院のパソコンには電子カルテが入っているため、情報漏洩の観点からインターネットと切り離されています。 インターネットで調べものをしたりメールでやり取りをする時はインターネットに接続できる専用パソコンを使用します。ただ、各部署に一台しかないので、調べものをする時は自分のスマホを使います。最近は病院内でもWi-Fi環境が整ってきていますが、つい最近までそのような環境下には

        事務さんの所属部署(物品管理編)

          事務さんと製薬会社さん

          製薬会社さんは医師に自社の薬を売り込むべく院内で営業をしています。 製薬会社さんは以下2つの手法で医師との接点を図ります。 1、診療終わりの医師の導線でひたすら待機 2、秘書を通じてアポイントを取る 秘書(事務さん)を通じて医師とアポイントを取る際、医師の時と大きく対応を変えてくる製薬会社さんが一部存在します。 ・〇〇先生との時間をセッティングして ・手術が終わったら名刺に書いてある携帯にかけるよう伝えて ・△△先生に頼まれたものだから机に置いといて 上述したように秘書(

          事務さんと製薬会社さん

          病院の福利厚生

          病院に勤務する職員の福利厚生でよくあるのが診療費補助です。 実際の負担割合については医療機関によって様々だと思いますが、以下のような場合が多いようです。 ・保険診療分の診療費を全額補助 ・職員とその家族分の保険診療分の診療費を全額補助 ・診療費を含め全額補助(保険診療外分も。例:個室代) ・診療費の半額補助 ・診療費の三分の二を補助 ※上述とは別にワクチン接種も病院負担で実施するという施設もあるようです。 また、医療従事者は年2回の健康診断を実施しています。そこで要精密

          事務さんの有給休暇

          事務さんは配属先にもよりますが比較的有給休暇は取得し易いと思います。 というのも事務さんの業務は診療に直結するものではないので、「事務さんがいないと診療が滞る」というような事は起こりません。 言い換えると事務さんがいなくても問題は起きないので、休暇取得は他職種よりも概ね希望通りに取れる事となります。 ただ、実際に取れているかというとそうでもない実情も存在します。その理由として挙げられるのが事務さん側の環境です。 事務さんは古い考え方や体質が色濃く残っているので、以下のよう

          事務さんの有給休暇

          事務さんへの転職(その2)

          事務さんはある意味特殊な職場環境で働いているので、他業種への転職はかなり難しい部分があります。 まず、一般企業にはない部署での経験値というのは転職先企業でどのような考慮をすれば良いか分からないというのが実情です。 具体例を挙げますと、病院での以下経験は一般企業においてどのように活かされるのでしょうか。 ・診療報酬の請求ができる。 ・電子カルテ管理士の資格がある。 ・医師事務作業補助者の講習を終えている。 このような経験を一般企業の転職時にアピールしても、即戦力とはなかなか

          事務さんへの転職(その2)

          事務さんへの転職(その1)

          事務さんに転職する方もここ数年増えてきました。 病院における専門職の経験者採用というのは多くありますが、事務さんに限っていうと昔はほぼありませんでした。病院で働く事務さんというのはある意味専門職に近い部分もあるので、他業種からの転職というのは即戦力にならず敬遠されてきたという歴史があります。一部同業種からの転職はありますが、クリニックからの転職はほぼ皆無で同じ規模の病院からの転職が多かったと記憶しています。 病院で働く事務さんの仕事はアナログな部分が色濃く残っていますが、こ

          事務さんへの転職(その1)

          新入職者を迎える事務さん

          4月1日は新入職者を迎える日です。 実は病院の事務さん以外については直前まで入職するかどうか分かりません。その理由として挙げられるのが「国家試験の合格発表日」です。 以前にもお話しましたが、事務さん以外は国家試験をパスして初めて入職となります。故に、内定を出していても国家試験をパスしなかった方はそのまま入職取り消しという扱いになります。 参考までに各職種の国家試験合格発表日(2024年版)を以下にお示しします。 医師:2024年3月15日 看護師・助産師:2024年3月2

          新入職者を迎える事務さん

          事務さんから見るナースマン

          一昔前まで看護は女性が担う仕事という面がありました。最近では男性看護師(ナースマン)もまだまだ比率的には多くないですが、増えてきたと思います。 看護師さんの業務は力仕事という面も存在します。患者さんの姿勢を変えたり、ストレッチャーからベッドへの移動といったものがあります。2人分の仕事を1人でやるといった事はありませんが、ナースマンが1人いると安定感は増しているように感じます。 また、ナースマンがいると患者さんからのいわゆるセクハラ的な言動への抑止力も働くようです。 一方

          事務さんから見るナースマン

          事務さんの苦情対応

          事務さんは苦情を受ける事も多いです。 事務さん自体の対応間違いや誤った情報を伝えてしまった事によるもの等もありますが、他職種に関するご意見を頂く事も多くあります。 患者さんの導線で最初と最後に対応するのが事務さんという事もあり、前回の受診時に伝えられなかった事を忘れない内にという事で最初に対応した事務さんに伝えるという場合と、会計時のタイミングで「今日はこんな事があった。お宅の病院はどうなっているんだ」とのご意見を頂く事があります。 一方で「直接対応してくれた先生や看護

          事務さんの苦情対応

          事務さんの休日勤務

          病院は24時間365日動いています。 事務さんの仕事には通常の業務以外に休日や当直業務というのがあります。 今回は休日の業務内容と当直業務をお話しします。 <休日業務> 休日業務は電話対応、救急車対応、休日受診対応、お会計、お見舞い対応等が主な業務となります。 電話対応は内線・外線共にあるので色々なパターンを覚えておく必要があります。当然、救急車対応や休日受診対応も電話対応に含まれます。 休日につき通常の診察は行っていない為来院する患者さんや家族等の数は少ないですが、それ

          事務さんの休日勤務

          事務さんの人事異動

          事務さんの人事異動は行き当たりばったりが多く見られます。 キャリアプランといったものはなく、上司受けの良くない人や課における貢献度が低い人が左遷的な感じで他課に出される事が多いです。 (※課における貢献度とは上司に好かれているか否かという事であり、具体的な指標といったものは残念ながらありません) 一方で、上司受けの良い人はその課の長が自分の手元から出さず、10~20年近く同じ部署で仕事を続けます。なお、所属長が変わっても変化はありません。おそらく、前任の長から「この方はこ

          事務さんの人事異動

          事務さんのお昼ご飯

          病院にもよりますがお昼ご飯は以下となる事が多いようです。 ・病院の職員食堂 ・院内のコンビニで調達 ・仕出しのお弁当 ・お弁当やカップ麵等を持参 病院の食堂は多くのスタッフが利用しますが、実際にはそれだけのスペースは確保されておらず、時間をずらして利用する事が多いです。 現場に誰もいないという状況を作らないように、11:00、12:00、13:00と3部に分けてお昼を取っています。 医療は24時間365日稼働なので、みんなでまとまって休憩を取るという事はありません。また、

          事務さんのお昼ご飯

          病院で働く事務さんってどんな感じ?

          一昔前の病院で働く事務さんの特徴として以下が挙げられます。 ・地元出身 ・既に勤務している職員の身内や繋がり ・高卒や専門卒が多く大卒は稀 最近の傾向としては大卒や中途入職者の割合も増えてきているようです。 以前「以外とアナログな病院組織」というタイトルでお話ししましたが、事務さんの雰囲気もアナログな部分が多いと思います。 まず、年功序列と体育会気質は色濃くあり、仕事においても「先輩からこう教わったからこの通りやって」「〇〇さんからこのようにやるよう言われているから」と

          病院で働く事務さんってどんな感じ?