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【アタッチメント理論】子どものすこやかな成長を支えるために

はじめに
 
こんにちは、親御さんの皆さん。

 子どもの成長において、私たち大人のかかわりは欠かせません日々のかかわりの中で形成されるアタッチメント(愛着)は、子どもの発達全体を支える土台となります。この記事では、アタッチメントの重要性と、どのように子どもの発達を支えていくかについてお話しします。


1.子どもは未熟な存在として生まれる

 ヒトの赤ちゃんは、身体的にも精神的にも非常に未熟な状態で生まれてきます。例えば、赤ちゃんは自分で食べ物を摂ることができないため、大人がミルクを与える必要があります。また、首を支えることもできないため、大人が支えてあげる必要があります。このように、赤ちゃんは大人の手助けを前提に生まれてくるのです。
 成長するにつれて、赤ちゃんは様々な能力を獲得していきます。例えば、生後数ヶ月で首がすわり、やがてお座りやハイハイができるようになります。この一連の過程が「発達」です。大人とのかかわりの中で、赤ちゃんは栄養を与えられるだけでなく、おもちゃを使った遊びや絵本の読み聞かせなど、様々な刺激を受けることができます。また、転倒や怪我などの有害な刺激から守るために、大人が安全な環境を整えてあげることも重要です。こうした経験を通じて、赤ちゃんはすこやかに発達していくのです。

2.アタッチメントの役割

 木が育つうえで、日光は欠かせない存在です。日光が不足すると、木は十分に光合成ができず、健康に育つことができません。同じように、子どもが育つうえでも、愛情に満ちた温かい見守りが必要です。例えば、子どもが新しいことに挑戦するときに、親が優しく励ましたり、失敗しても受け止めたりすることで、子どもは安心して成長していけます。

 木がしっかり根を張れば、強風や大雨にも耐えられるように、太く大きく育ちます。この根の張りぐあいは、土の状態に大きく影響されます。同じように、子どもの発達において、アタッチメントは、木にとっての土のようなものです。例えば、親が一貫して愛情深く接することで、子どもは安心感を持ち、自信を持って新しい経験に挑戦できるようになります。よい土、つまり安定したアタッチメントが、子どもの育ち全体を支えるために重要なのです。

3.毎日のケアと環境整備

 水がなければ木は枯れてしまいます。同様に、子どもに対する毎日のケアも欠かすことができません。例えば、毎日しっかりと食事を与え、適切な睡眠を確保し、清潔に保つことが大切です。

 大きな木を育てるには、木の成長に合わせて大きな鉢に植え替えたり、鉢から庭に地植えにしたりすることが必要です。例えば、小さな苗木を大きな鉢に植え替えることで、根が広がり、木が大きく成長するためのスペースが確保できます。さらに成長したら、鉢から庭に移して、もっと自由に根を張らせることが必要です。

 子どもの場合も同様で、発達に応じた環境整備がさらなる発達を促します。例えば、赤ちゃんのころは安全なベビーベッドが必要ですが、成長して歩けるようになると、安全に遊べる広いスペースが必要になります。さらに、学齢期には学習環境を整え、好奇心を育むための本やおもちゃを提供することが大切です。このように、子どもの成長段階に合わせて環境を整えることで、子どもはより健やかに育っていきます。

4.感情の発達とアタッチメント

 気持ち、つまり心の状態にかかわる感情にはさまざまなものがあります。しかし、生まれたばかりの新生児には、「快」か「不快」しかありません。例えば、お腹がいっぱいで快適なときには満足そうに眠り、オムツが濡れて不快なときには泣いて知らせます。成長するにつれて、赤ちゃんはさまざまな刺激を受けるようになり脳の発達が進むとともに、感情も多様化していきます。例えば、おもちゃを見て興味を持ったり、親の顔を見て喜んだりするようになります。
 体が育ち、動けるようになるとさらに感情の種類は増えていきます。例えば、ハイハイや歩行を始めると、自分の意思で動ける喜びを感じる一方で、転んで痛い思いをすると悲しみや怒りを感じることもあります。初めての体験を重ねていく幼児期には、例えばブロックを積み上げようとしてもうまくいかずに挫折感を味わうなど、ネガティブな感情が生じることも増えるでしょう。
 乳幼児期は心身両面にわたり、大きな発達が見られる時期です。この時期は感情の崩れを整えるシステム、つまりアタッチメントのあり方が決まる重要な時期ともいえます。例えば、親が子どもの泣き声に素早く反応し、安心させることで、子どもは信頼感を育みます。この信頼感が、子どもがネガティブな感情を感じたときに、再び安心を取り戻す力となります。

5.親の役割

 動きが活発になるにつれ、大人は子どもを制止したり叱ったり、苛立ちを感じることもあります。しかし、これらの経験を通じて子どもの感情はさらに多様化していきます。視力や記憶力などの発達が進むと、生後6ヵ月頃から親などの身近な人とそれ以外の人の区別がつくようになり、とくに初めての人に強い恐怖や不安を示す場面も出てきます。

 子どもの成長を見守り、支えるために、親として心がけたいことは以下の通りです

①安心感を提供する
 子どもが安心して過ごせる環境を整えましょう。例えば、家庭内で安全な遊び場を作り、危険なものを手の届かない場所に置くことが大切です。また、毎晩寝る前に絵本を読んだり、抱きしめたりして、愛情を伝えることも重要です。こうした温かい見守りを続けることで、子どもは心の安定を感じ、安心して成長することができます。

②日々のケアを大事にする
 
毎日の関わりやケアを欠かさず行いましょう。例えば、毎朝「おはよう」と声をかける、毎晩「おやすみ」と言って寝かしつけるといった日々の習慣を通じて、子どもは安心感と信頼感を育みます。また、食事の時間に一緒に座って食べることで、親子の絆が深まり、子どもは家庭の安定感を感じるようになります。

③発達に応じた環境整備
 
成長に合わせて環境を整えましょう。例えば、赤ちゃんの頃は安全なベビーベッドや柔らかいマットを用意し、ハイハイや歩行を始める時期には広いスペースを確保しましょう。また、幼児期には手の届く場所に絵本や知育玩具を置くことで、子どもが新しいことに挑戦しやすい状況を作りましょう。

最後に
 子どもがすこやかに育つためには、大人の関わりが不可欠です。愛情を持って接し、アタッチメントをしっかりと築くことで、子どもは安心して成長していくことができます。親としての役割を果たしつつ、子どもの成長を見守っていきましょう。

 これからも一緒に子育てを楽しんでいきましょう!

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