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【アドラー心理学】子育て原則#2~聞くことの大切さ~

はじめに
 
アドラー派の理論では、親の態度が子どもに大きな影響を与えるとして、下記のように子育ての6つの原則が示されています。

①子どもの個性を伸ばせるように関わる
②子どもの話をよく聴く
③子どもと共有する時間を有意義に使う
④適切な助言をする
⑤一貫した態度を取る
⑥脅さない

 これらの子育て原則を、ひとつずつ解説していきます。
今回は、②子どもの話をよく聴く についてお話します。


1.子どもの声に耳を傾ける

 子育ては、日々の忙しさの中で様々な課題が待ち受けています。仕事や家事、子どもの学校や習い事など、親は常に時間とエネルギーを要求される状況にあります。その中で、つい子どもの話に耳を傾ける余裕を失いがちになります。例えば、仕事から帰ってきたら夕食の準備をしなければならなかったり、子どもが宿題をする時間を見守らなければならなかったりすると、子どもの話にじっくりと向き合う余裕がありません。

 その結果、親子間のコミュニケーションは指示や要求に偏りがちになります。例えば、子どもが部屋で遊んでいるときの、「宿題は?」「明日の準備は?」という声かけなどです。これらは大切なことですが、子どもの内面や感情に焦点を当てることなく、単なるタスクの実行になりがちです。

 しかし、子どもの行動には必ず理由があります。単に指示を与えるだけではなく、その行動の背後にある目的を理解することが重要です。子どもが宿題をしない理由を知ることで、その問題に対処する方法を見つけることができます。

 したがって、親は忙しさに追われる中でも、子どもの行動に対する理解と共感を忘れないようにする必要があります。例えば、子どもが宿題をしない理由を知るために、彼らとコミュニケーションを取る時間を確保することが重要です。子どもが自分の気持ちや考えを自由に表現できるような環境を提供し、彼らの視点を尊重することで、親子関係を深めることができます。

2.子どもの声に耳を傾ける重要性

 子どもが問題行動を示した時、私たち親は叱ったり、長々と説教したりするかもしれません。しかし、このアプローチが本当に効果的なのでしょうか?実は、子どもが問題行動を示す背景には、彼らなりの考えや感情があります。例えば、ある日の夕食時、息子がご飯を嫌がって食べようとしなかった場合を考えてみましょう。

 私たちが怒って「なぜ食べないんだ!」と叱りつけても効果はあれません。もしかしたら、彼の背後には「今日は学校で嫌なことがあった」「お腹が痛い」といった理由が隠れているかもしれません。このような状況では、ただ怒るのではなく、まずは彼の話を聞くことが重要です。彼の視点や感情を理解することで、その問題の本当の原因を見つけることができます。

 たとえば、彼が学校で嫌なことがあった場合、私たちは彼の気持ちを受け止め、「それは辛かったね。話してみる?」と声をかけることができます。そうすることで、彼は安心感を得て、自分の気持ちを表現しやすくなるでしょう。そして、その後に「お腹が痛い」という理由があった場合は、それに応じて対処することができます。

 要するに、子どもが問題行動を示した時は、まずは彼らの話を聞くことが大切です。彼らの視点や感情を理解し、共感することで、問題行動の背後にある真の原因を見つけることができます。そして、その原因に応じて適切な対処をすることで、より良い解決策を見つけることができるでしょう。

3.親子の絆を育むコミュニケーション

 子どもが親に話をすることで、彼らは自分を受け入れてもらえると感じ、安心感や認められたという気持ちを得ることができます。例えば、ある日の夕食時に、娘が無表情で席に座っています。そんなとき、親はまず、彼女が何か悲しいことがあったのかどうか尋ねましょう。

 「何かあったの?」と尋ねると、彼女は「今日の算数のテストで悪かった」とつぶやきます。この時、私たちはただその事実を聞いて叱るのではなく、彼女の気持ちや不安に寄り添いたいと思います。その後、彼女の不安を解消するために一緒に勉強する時間を作ったり、彼女の頑張りを褒めたりします。

 このようなコミュニケーションを通じて、彼女は自分が受け入れられていると感じ、安心感を得ることができます。また、親が子どもの意見や感情を尊重し、受け入れる姿勢を示すことで、彼女もよりオープンになります。これによって、親子間の信頼関係がより深まり、将来的にも彼女が親に何かを話しやすくなるでしょう。

最後に
 親として、子どもの問題行動に対処する際には、説教や叱責だけでなく、対話と理解に基づいたアプローチを取ることが重要です。子どもの立場に立ち、彼らの感情や視点を尊重し、共に成長していくことが大切です。

 他の5つの子育て原則も参考にして下さい。
  ①子どもの個性を伸ばせるように関わる
  ③子どもと共有する時間を有意義に使う
  ④適切な助言をする
  ⑤一貫した態度を取る
  ⑥脅さない


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