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【アドラー心理学】子育て原則#4~子どもの成長における助言の重要性と適切なアプローチ~

はじめに
 
アドラー派の理論では、親の態度が子どもに大きな影響を与えるとして、下記のように子育ての6つの原則が示されています。

 ①子どもの個性を伸ばせるように関わる
 ②子どもの話をよく聴く
 ③子どもと共有する時間を有意義に使う
 ④適切な助言をする
 ⑤一貫した態度を取る
 ⑥脅さない

 これらの子育て原則を、ひとつずつ解説していきます。
今回は、④適切な助言をする についてお話します。

 子どもの成長過程は、親にとって喜びと課題が共存するものです。その中で、親が果たすべき役割の一つに、適切な助言を通じて子どもを導くことがあります。しかし、助言が曖昧だと、子どもの理解にずれが生じ、混乱や誤解を招くこともあります。今回は、子どもの成長における助言の重要性と、適切なアプローチについて考えてみましょう。


1.助言の重要性

 子どもの成長において、親からの助言は非常に重要です。特に幼い子どもは、自らの行動や目標達成についての理解が不十分です。例えば、遊びの中で友達とのトラブルが生じた際、子どもはどのように対処すれば良いか分からないことがあります。このような場合、親が的確な助言を与えることで、子どもの方向性を明確にし、成長を促進することができます。

 子どもが友達との喧嘩に巻き込まれた場合、「その問題を一緒に解決するためには、まず相手の気持ちを聞いてみて。そして、自分の気持ちも大切に伝えることが大事だよ。それから、一緒に話し合って解決策を見つけよう」というように、具体的にアドバイスをすると有効です。このような助言を通じて、子どもは問題解決の方法やコミュニケーションの重要性を理解し、成長することができます。

 親からの的確な助言は、子どもが日々の生活や社会で直面する様々な問題に対処する際に、貴重な指針となります。そのため、親は子どもの発達段階や個性を考慮しながら、適切な助言を提供することが求められます。

2.曖昧な助言の問題点

 子どもにとって、具体的な指示がないと行動が難しくなることがあります。例えば、親が「ちょっとこれやっといて」と子どもに言っても、子どもは何をすれば良いのか分かりません。その結果、子どもは不安や混乱に陥り、適切な行動を取ることが難しくなります。具体的な指示がないと、子どもは自分の行動を選択する際に迷うことがあります。そのため、親は具体的な指示を与えることで、子どもがより明確な方向性を持ち、自信を持って行動できるようにサポートする必要があります。

3.適切なアプローチ

 親が子どもに助言する際には、具体的な言葉を使うことが肝要です。例えば、食事の際に「お箸をテーブルに並べて」と伝えることで、子どもは具体的な行動を取ることができます。このように明確な指示を与えることで、子どもは自らの役割や責任を理解しやすくなります。また、具体的な説明を通じて、子どもは自分の行動がどのような影響をもたらすのかを理解しやすくなります。例えば、「お箸をテーブルに並べることで、食事が円滑に進み、皆が快適に食事を楽しめるようになるんだよ」と説明することで、子どもは自分の行動の意義や重要性を理解しやすくなります。

4.主体性の育成

 子どもが成長し、主体性が育つ時期には、親の助言のアプローチも変化していく必要があります。小学校3~4年生以上になると、子どもは自らの意見や気持ちを表現する能力が高まります。この時期からは、親は一方的な指示ではなく、子どもの主体性を尊重し、共に考える姿勢が求められます。

 たとえば、子どもが学校で友達とのトラブルに直面した場合、親はただ解決策を提示するのではなく、子どもと一緒に問題を考え、共に解決策を見つけるプロセスを大切にすることが重要です。親が子どもの意見や気持ちを尊重し、共に考えることで、子どもは自らの主体性を発揮し、問題解決のスキルを身に付けることができます。このように、親が子どもの成長に合わせて、助言のアプローチを柔軟に変えることが必要です。

最後に
 
子育てにおいて、助言の適切なアプローチは子どもの成長を促す重要な要素です。明確で分かりやすい助言を通じて、子どもの自己理解や行動指針を支援しましょう。また、子どもの主体性が育つ過程で、関わり方を適切に変化させることも大切です。

 親は、子どもの成長に合わせて助言のスタイルを柔軟に変えることが重要です。明確な指示と共に、子どもの意見や気持ちに耳を傾け、共に成長する喜びを味わいましょう。

 他の5つの子育て原則も参考にして下さい。

 ①子どもの個性を伸ばせるように関わる
 ②子どもの話をよく聴く
 ③子どもと共有する時間を有意義に使う
 ⑤一貫した態度を取る
 ⑥脅さない


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