夫婦エッセイ : 奥さんが作ってくれた料理を褒めることは簡単なことではない

彼女と結婚するまでは、彼女が作ってくれた料理に 君が作ってくれる料理は何でも美味しいよ、みたいに褒めていれば良いが、結婚するとそんなわけにはいかない。
褒める時は、良く考えてから褒めないと大変なことになる。

僕は筑前煮が大好きなのだが、夕食で出て来た筑前煮を美味しいと言って食べていたら、奥さんが、
気に入らないという顔をしていた。
不思議に思っていたら、奥さんの実家のお母さんが作った筑前煮だった。

奥さんが作ってくれたお弁当にお土産に頂いた佃煮が入っていた。
美味しい佃煮だった。僕は佃煮にが大好きなので
明日もお弁当に入れて欲しいと言った。
その次の日も明日のお弁当に入れて欲しいと言うと
奥さん
「私の作ったお料理は美味しくないの!? 明日からお弁当のおかずは佃煮だけにします!」
僕は、しまった、と思って平謝りに謝った。

料理を褒めるよりも僕が苦手なのが、奥さんに質問されることだ。
その日の夕食にコロッケが出て来た。
奥さんにソースをかけないで食べて欲しいと言われたので、ソースをかけずに食べたら美味しかった。
そのことを奥さんに言うと
奥さん
「何のコロッケだと思う?」
ポテトではないことは確かだった。
緑色をしていたので、

「枝豆のコロッケ?」
奥さん
「枝豆じゃないわ!あなた、もっと味わって食べてねえ、何のコロッケ?」
結局、分からなかった。
答えは、そら豆のコロッケだった。

だが、大当たりしたこともある。
お弁当に入っていた佃煮が美味しかった。
以前、佃煮にでドハマったことがあったが、本当に
美味しかったので、

「今日、お弁当に入っていた佃煮が凄い美味しかったんだけど、何処で買ったの?」
奥さん
「私が作ったのー!そんなに美味しかった?
明日のお弁当にも入れてあげるね。」
良かった、と思った。

若い男の人たちは、お洒落や女の人との接し方みたいなことばかり気にするが、料理の味をきちんと分かるようになっている、というのも同じくらい大切なことだと思います。




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