読書感想『ツミデミック』一穂ミチ
タイトル通り、罪を題材にした短編集。
夜の街で客引きをしてる大学生、再就職先の見つからない妻子持ちの男、高校生の娘の妊娠に戸惑う父、気づけば高校にある願掛けの木に立ち尽くしていた少女、ツイッターで知り合って待ち合わせをした人々、フードデリバリーにはまった主婦…違った主人公の短編6編が収録されている。
それぞれの話に繋がりはないが、時代背景はまさに今、コロナに少なからず翻弄された人々がモチーフの物が多い。
基本的に出てくる彼らは、悪人とも善人とも言い切れない狡さも優しさも持ち合