光文社 文芸編集部|kobunsha

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「小説宝石」「ジャーロ」などの文芸雑誌と単行本を作っている編集部。 みなさまに本の魅力や読書の楽しさをお伝えするべく、毎日更新で奮闘中。 応援よろしくお願いします! XやInstagramのフォローも是非!

マガジン

  • 【なにげに文士劇2024】リレーエッセイ

    筆一本で世にはばかる文士(作家)とその仲間が集結! 130年以上の歴史を持つ文士劇、大阪では実に66年ぶりの旗揚げ公演となる『放課後』。出演者の想いをお届けします!

  • 光文社 文芸

    毎月の新刊情報や、試し読みを公開しています。

  • 『ツミデミック』一穂ミチ

    祝!直木賞受賞!!一穂ミチさん『ツミデミック』の情報を随時更新中!お見逃しなく!

  • 斎堂琴湖『燃える氷華』特集

    日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した斎堂琴湖さんの『燃える氷華』に関する記事をアップします!

  • 【小説宝石】

    1968年創刊の総合小説誌です。奇数月22日ごろ発売。 発売情報や著者インタビュー、特集、新刊エッセイなどを公開します。

最近の記事

稲田豊史『このドキュメンタリーはフィクションです』刊行記念イベントリポート|稲田豊史×大島育宙×てれびのスキマ

アーカイブ配信告知動画はコチラ↓↓↓ 構成=光文社文芸編集部 第一部開演!イベント前半は、稲田さんと大島さんの対談。 初対面のお二人でしたが初対面とは思えないほどに開始直後から弾む会話! 前半のテーマは「ドキュメンタリー」。 稲田さんご自身が過去にインタビューを受けた際の経験談などを交え、いわゆるドキュメンタリーとされているものの裏側は実は作為にまみれている!という裏話などが放出されました。 佐村河内守さんを撮ったドキュメンタリー『FAKE』や『水曜日のダウンタウン』

    • 【9月新刊発売!】光文社文芸編集部の新刊5作品をご紹介!

      2024年9月は5冊の新刊を刊行しました!今回も読み応え抜群! ①『このドキュメンタリーはフィクションです』稲田豊史★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ 『荒れ地の種』江上剛★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ ③『わたしたちは、海』カツセマサヒコ★あらすじ クラスの女子たちが、タイムカプセルを埋めたらしい。6年3組のぼくは、親友のシンイチとヨモヤとともに、遠くの煙突の麓にある公園まで自転車で行ってみることにした――「海の街の十二歳」 小学校教諭の岬と

      • 澤田瞳子『赫夜』×薬丸岳『籠の中のふたり』刊行記念対談!|聞き手:ブックジャーナリスト 内田剛

        澤田さんは直筆サイン本ですね。いったい何冊書きましたか。 澤田 すべての本に、ですから約1万冊ですね。文字数は「澤田瞳子」の4文字×1万=4万字ですから、原稿用紙でいくと100枚。大したことはないですよ(笑)。 いやいや、大変なことです。『赫夜』の最後のページに、「全冊サインに寄せる著者の言葉」があって、メッセージを書店だけでなく読者にも発信していますね。書店はいま経営的に苦しい。そんな中でも転売ヤーの問題には書店員も非常に頭を悩ませています。これは、澤田さんにとっても非常

        • なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#6【村角太洋】

          超えた先にあるもの文:村角太洋  最近まで恐れの日々であった。  11月16日に1ステージだけ上演される祭典のような舞台、なにげに文士劇「放課後」(原作:東野圭吾)の脚本・演出を担当することになった。  文士劇とは作家による芝居のこと。  役者として舞台に立たれるのは、文章と言葉を巧みに操るワードマジシャンたちである。  さて、ここで、私の今回のポジションを思い出していただきたい。  私、脚本を担当しておりますね。  これが何を意味しているかお分かりですか。  そうです

        稲田豊史『このドキュメンタリーはフィクションです』刊行記念イベントリポート|稲田豊史×大島育宙×てれびのスキマ

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        • 【なにげに文士劇2024】リレーエッセイ
          6本
        • 光文社 文芸
          34本
        • 『ツミデミック』一穂ミチ
          2本
        • 斎堂琴湖『燃える氷華』特集
          5本
        • 【小説宝石】
          87本
        • 【ジャーロ】評論・コラム ★全文公開中
          85本

        記事

          カツセマサヒコ『わたしたちは、海』一話試し読み|「氷塊、溶けて流れる」

          氷塊、溶けて流れる一  父の姿を見て、僕の心は静かに凍った。  脳からつながる神経の一本一本が連鎖して、硬直していく、と考えるより先に指先まで動かなくなる。その場に立ち尽くすしかなくなり、じっと目の前の男を見ていた。  そもそも「いらっしゃいませ」に対して「ひさしぶり」なんて返してくるやつは僕の交友関係を考えてもそんなに多くはないはずで、でも、確かに今来た客は、そう言った。  失礼を承知で顔を見つめてみれば、紛れもなくその人は、僕の、実の父だった。何年も前に家族と縁を切り、

          カツセマサヒコ『わたしたちは、海』一話試し読み|「氷塊、溶けて流れる」

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#5【小林龍之】

          芝居心の火に焼かれ文:小林龍之   今回の文士劇の出演者に私がただ一人の編集者として参加しているのはなぜなのか。それは自分から出たいと言って手をあげたからです。  最初はそんなつもりはありませんでした。編集者はあくまでも作家の裏方です。初めてこの話を聞いた時は、某先生にお願いしている書き下ろし新作がますます遅れてしまうのではと考え、どちらかと言えば賛同できない気持ちでいたのです。  一方、日本で現在唯一毎年続いている盛岡文士劇を、私は長年観てきました。盛岡文士劇は194

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#5【小林龍之】

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート③

          ドラマ撮影現場見学レポート③ 麻美さんの書斎の机の前にはカメラが移動するためのレールが敷かれました。これが敷かれただけでドラマの撮影感マシマシに思えるのはやはり私がド素人だからでしょうか。 いよいよなのかな? とドキドキしていると山口紗弥加さんはある出来事が笑いのツボに入り、直前まで笑いが止まらないご様子。どうなってしまうの? と思っていたのですが、次の瞬間には泣いていました。 もう、本当にすごいものを見せていただきました。 だって、直前まであんなに笑っていらしたのに

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート③

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート②

          ドラマ撮影現場見学レポート② 撮影が行われる別荘にたどり着くと別荘のオーナーさまにご挨拶。とても趣のある素敵な別荘です。入った瞬間に目を引かれたのが壁に飾られた2体の鹿の首から上の剥製。 オーナーさまは狩猟をされる方なのかも? と思っていたら、やはりそうでして、別荘の奥にはクマの剥製もありました。クマですよ! クマ!!! どれくらいの距離から狙ったのかを思わずお聞きしたところ、50メートルとのこと。想像していたより近い。クマって確か時速60㎞くらいで走れますよね。想像した

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート②

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート①

          ドラマ撮影現場見学レポート① ドラマ撮影現場見学の日。 私は光文社のN氏に指定されていた電車に乗り裾野駅に向かいました。裾野駅のホームでN氏と合流。撮影が行われる喫茶店アムールは駅から見えるほどの距離で、もう撮影スタッフが沢山いる様子がうかがえ、わくわくしました。 テレビ東京のプロデューサー阿部真士さんの姿が見え、ほっとするのも束の間、出演者のおひとりである、本宮泰風さんを紹介していただいたのですが、私はここで早速やらかしてしまいました。 「ああ、神永役の?」 「「

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影現場見学レポート①

          一穂ミチさん【祝!直木賞受賞】『ツミデミック』特別寄稿エッセイ

          文=一穂ミチ  光文社さん、五十七年ぶりの直木賞だそうですね、おめでとうございます。……と、どこから目線かわからない書き出しで恐縮だが、本当に、そういう心境でいる。  ノミネートの時点で、すでに大きな驚きがあった。『ツミデミック』は二〇二三年十一月刊行、原則的には二〇二三年下半期の選考対象のはずが、二〇二四年上半期の候補作にぬるっと入り込んでいた。裏取引などはない。光文社にそんな権力があったら五十七年も空いていない。日本文学振興会から電話をいただいた時、三回目のノミネート

          一穂ミチさん【祝!直木賞受賞】『ツミデミック』特別寄稿エッセイ

          星月渉『私の死体を探してください。』刊行&ドラマ化記念インタビュー

          「WEB小説の世界で15年、応援し続けてくれた読者は家族以上の存在でした」 ―まずは小説を書き始めたきっかけを教えてください。 「子どものころから本は好きでしたが、自分で書こうという発想は全くなかったです。結婚して子どもができて、姫路に引っ越して数年後、上の子がこども園に行くようになって、それまで慌ただしかったのにふと時間ができました。当時、ハーレクインロマンスが多く配信されていて、それを携帯で読むようになって気がついたらいっぱい課金をしていたんです。『やばい、ロマンス中毒

          星月渉『私の死体を探してください。』刊行&ドラマ化記念インタビュー

          【8月新刊発売!】光文社文芸編集部の新刊3作品をご紹介!

          2024年8月は3冊の新刊を刊行しました!今回も読み応え抜群! ①『阿津川辰海 読書日記 ぼくのミステリー紀行〈七転八倒編〉』阿津川辰海★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ 『鉄のほころび 刑事花房京子』香納諒一★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ ③『ぼくは化け物きみは怪物』白井智之★あらすじ

          【8月新刊発売!】光文社文芸編集部の新刊3作品をご紹介!

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#4【百々典孝】

          西の作家たちがつくってくれたいい流れ文:百々典孝  出版業界を盛り上げる。業界関係者たちよりもまず作家たちが動いた。 しかも勢いに乗っている西日本の作家たちが。  7月17日に一穂ミチさんの『ツミデミック』が第171回直木賞を受賞され関西の作家の直木賞受賞者がまた一人増えた。  その日は紀伊國屋書店梅田本店で【関西版元合同フェア】を7月5日~22日まで開催していた。関西版元合同フェアとは関西版元8社が集まり、それぞれの出版社が景品を出し合い、1冊購入頂いたお客様にプレゼ

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#4【百々典孝】

          【7月新刊発売!】光文社文芸編集部の新刊4作品をご紹介!

          2024年7月は4冊の新刊を刊行しました!今回も読み応え抜群! ①『赫夜』澤田瞳子★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ 『ミステリから見た「二〇二〇年」』千街晶之★あらすじ ☆担当編集の≪ココが推し!!≫ ③『私の死体を探してください』星月 渉★あらすじ

          【7月新刊発売!】光文社文芸編集部の新刊4作品をご紹介!

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#3【澤田瞳子】

          記憶の行き先文:澤田瞳子  ――えらいことになった。  最近ほぼ毎日、そう呟いている。言わずと知れた「なにげに文士劇」のことだ。  今から二十七年前、東京・よみうりホールで日本推理作家協会五十周年記念文士劇「ぼくらの愛した二十面相」が一度だけ上演された。小説を愛する大学生だった私に、四十三人もの作家による舞台は憧れだったが、チケットは何と十分で完売となった。幸いその後BS放送にて舞台の様子が放送され、私は録画をセットしながら、文字通りテレビに釘付けとなった。  脚本・辻

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#3【澤田瞳子】

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#2【一穂ミチ】

          私信文:一穂ミチ  文士劇、というものにお誘いいただき、「文士」の部分にも「劇」の部分にもまったく自信がないのだけれど、おもしろそうなので「やります!」と軽率に答えた。去年九月の決起集会では「なるべく台詞のすくない役を……」「木の役を……」と志願するメンバー続出で親近感しかなかった。演目って『与作』でしたっけ。  そのすぐ後、旅先でトレッキング中に足を挫いてしまった。不幸中の幸いというべきか最終日だったので翌日は亀の歩みでよちよち帰宅し、しばらくサポーターと湿布と杖が手放

          なにげに文士劇2024旗揚げ記念連載#2【一穂ミチ】