ジャーロ編集部|kobunsha
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記事をすべて見る すべて見る「私のはなし 部落のはなし」|稲田豊史・ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門〈語っておきたい新作 #04〉
文=稲田豊史 部落差別の歴史を丁寧に掘り下げながら、実際に被差別部落で育った人たちにその差別体験を語ってもらうドキュメンタリーだ。なんという直球。しかも驚くべきことに、彼らは顔や実名、出身地名を明かして話す。そこに一体どれだけの覚悟が必要だったろう。観客ひとりひとりが「考えること」を強制され続ける、圧巻の3時間25分だ。 部落問題についてまわる問題のひとつに、当事者以外が語ることの難しさがある。どれだけ真摯に論じようとも、いざ当事者からの「だけど、あなたは差別されたことが
スキ3シーズン4で取り上げたいシリアルキラーは誰?〈制作チーム対談〉朽網泰匡×小西正喜|『トゥルークライム アメリカ殺人鬼ファイル』の舞台裏【第4回】
この5月に、シーズン3配信を終えた『トゥルークライム アメリカ殺人鬼ファイル』。制作陣お二人のリモート対談をお届けします。朽網泰匡さんは企画・立案や公式Twitterの「中の人」として、小西正喜さんはプロデューサーとして、番組を作り上げてきました。制作の要を支える二人が、配信を終えて考えていることとは――。 ■リスナーコメントに変化が生まれた ――シーズン3を終えて、どのような感想を持ちましたか。 朽網 番組を開始した2020年頃と比べると、リスナーから届くコメントが変
スキ4気鋭の作家、今村昌弘氏のミステリ観、読書遍歴。その意外性と発見の連続とは。|若林踏 「新世代ミステリ作家探訪」通信【第3回】
文=若林 踏 まずは一点、ご報告です。本イベントのSeasonⅠに相当する内容を収めた『新世代ミステリ作家探訪』が第二十二回本格ミステリ大賞評論・研究部門の候補作に選ばれておりましたが、二〇二二年五月十三日に行われた開票式の結果、残念ながら受賞には至りませんでした。評論・研究部門の大賞受賞作は小森収編『短編ミステリの二百年 1~6』(創元推理文庫)です。小森さん、おめでとうございます(小説部門は芦辺拓『大鞠家殺人事件』、米澤穂信『黒牢城』の二作が受賞)。拙著を応援いただ
スキ8【連載 #04】外国人監督が忖度なしで「日本」を撮る|稲田豊史・ミステリーファンに贈るドキュメンタリー入門【第4回】
文=稲田豊史 外国人監督が日本の題材を撮る 観ごたえのあるドキュメンタリーには、はっとする視点が設定されている。見慣れた/聞き慣れた題材に、視聴者が想像もしていなかった角度からカメラを向ける。それはまるで、『桃太郎』を鬼側の視点から描くことで、「正義を掲げる侵略者に住まいごと蹂躙される異民族の悲劇」に仕立て上げるがごとし。 その、はっとする視点がもっとも顕在化しやすいのが、日本人に馴染み深い題材を外国人監督が撮ったドキュメンタリーだ。そこには、日本に生まれ育った者からす
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