嘉納芙佐子

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嘉納芙佐子

訪問していただき、ありがとうございます。 読書好きによる、好きな本を、好き!と叫ぶページです。 良ければ、一読頂ければ幸いです。

最近の記事

『あなたの大切な人に殺人の過去があったらどうしますか』

少しネタバレします。 すぐしますので、ネタバレが嫌な方はここで終わってください。 文中に、大切な人が殺人者と知った時、 触れたく感じた右手が、急に怖くなった… のような文面が出てきます。 殺人者と知ることもですが、 大切な人に触れることが怖くなるって どれほどツライのだろうと。 罪は償ったはずなのに、 法律的には許されたはずなのに 大切な人のはずなのに そんな想いを持ちつつ、 体が強張ってしまう、怖がってしまうなんて。 タイトルが、テーマなので 私ならどうしようかな?

    • 『死霊魔術の容疑者』

      魔術を使うようなファンタジーな世界は、 イメージを作るのに時間がかかっていました。 前作もそうなのですが、駄犬さんの作品は、世界観より登場人物たちのキャラがはっきりとしているので、 まずキャラクターをイメージして、 その子たちが似合う世界を イメージしてあげると、電車を乗り過ごすぐらい、没頭してしまいます(笑) 師弟愛と友愛、そして恋愛と 様々な愛情の形も見えます。 むしろ、壮大な恋愛小説かも知れません。

      • 『あの日の交換日記』

        辻堂さんの作品はこちらが2作目。 初めましての本は、もうすぐ発売される 『ニ人目の私が夜歩く』です。 中央公論新社さんから発売されます。 プルーフで拝読させてもらったのですが 興味深い!と思い、文庫本を購入。 やりすぎると、そこにミステリー要素いる?って思われるギリギリのラインを攻めていらっしゃるなと。 本当に絶妙なミステリー要素。 なくても面白いのに、あることによって より楽しませてくれる隠し味感が好きです。 次はどの本を読もうかしら。

        • 『鼓動』

          久しぶりの投稿です。 久しぶりに本を読みました。 本を読むのって、体力と気力がいりますよね。 その2つが欠けていて、最近、ペースが牛歩並です。 葉真中先生の新刊。 内容は、明るくないですが、良かったです。 警察目線と犯人目線。 捜査状況と動機目線。 両方の視線から見れるのって フィクションだからであり、読者の特権ですよね。 もう大満足です。 引きこもる人が悪いとは言わないけど… 自分以外は他人なのだから 察して、分かってよ。を社会に、会社に、 バイト先にまで求めるのは酷だ

        『あなたの大切な人に殺人の過去があったらどうしますか』

          『木曜組曲』

          程よい女性同士の探り合いです。 恋愛が絡むと、めんどくさく、 感情的な場面が増えてしまいますが この本は、恋愛なしの本当にただの探り合いです。 そこがまた、ドキドキにやにやさせてくれます。 “本当のことよ。”って言われれば、 言われるほど疑心暗鬼になってしまうのは 何故なのでしょうね(笑) テンポもよく、語り手が変わっていくのですが、章が変わると語り手がが変わる。ではなく、スッと変わっていくのですが、 こんがらがることなく、脳内でも切り替えができるので、ノンストレスで楽

          『木曜組曲』

          『花屋さんが言うことには』

          ポプラ社さんらしい本。 最近、全然本が進まなくて。 読みたいのに、読みたいものが分からない状態が続いていました。 感動ものも疲れる。イヤミスは余計しんどくなる。 ミステリーは頭を使うし、社会派はメンタルに来る。 ホラーやファンタジーを読めるようなテンションでもない。 もう何を読んでいいのか分からない時は、 とりあえずポプラ社さんのコーナーにいきます。 程よい本を出版してくださっているので 本当にありがたいです。 特別なことが起こるわけでもなく、 人情過ぎず、夢見がちで

          『花屋さんが言うことには』

          『永遠についての証明』

          数学が苦手です。 その数学を取り上げた題材だったので 後回しにしていましたが、 気になって、気になって、仕方がなかったので、意を決して読みました。 岩井先生の本は不思議ですね。 面白かった。とか感動した。 と言う、よく抱く感想ではない 感想が出てきます。 この本に関しては、美しいと思いました。 研究者が突き詰めていくその姿勢。 実際に描かれているわけではない数式。 多分、記号の羅列なんだろうなとしか 分からないのに、それでも美しいと思い 涙がこぼれました。 見えない数式に

          『永遠についての証明』

          『ため息に溺れる』

          読みたくなるなる石川先生の作品。 牛歩のごとく、物語が進まないです。 読みにくいわけでもなく、グダグダな わけでもなく、そういう進め方なのでしょうね。 その進まなさが、登場人物たちの 歪みを、関係性を表しています。 梅雨時期の、降り出しそうで降らない雨模様。 そんな感じのミステリーでした。 イヤミスが好きな方は、合う作品かと思います。

          『ため息に溺れる』

          『悪女について』

          沢尻エリカさんが主演でドラマ化されたものの原作です。 ぴったり(笑) わがままにも見えるし、かっこよくも見える。 美人さんだし、男性を翻弄させるたらしにも見える。 私は好きですけど、苦手な方もいるでしょう。 まさに原作通り。 悪女の定義って何なんでしょうかね。 富小路公子さんをあなたは好きになれますか? 私は、会ってみたいです。

          『悪女について』

          『ヴィクトリアン・ホテル』

          ヴィクトリアンホテルに 泊まるお客さまたちの短編集。 そのお客さまたちがまたひと癖もふた癖もあるワケアリな方々で… 短編としても、十分楽しめます。 何日かに分けて読むより、 時間を作って一気読みしたほうが より楽しめるかなと思います。 1番伝えたいことが、 1番ネタバレになるので、 書きませんʕ⁠´⁠•⁠ᴥ⁠•⁠`⁠ʔ

          『ヴィクトリアン・ホテル』

          『木曜日の子ども』

          重松先生の本は、どちらかと言うと 明るいイメージがありまして。 明るそうな本はまだ、読んだことがなくて いつもちょっと闇があるようなものを 手に取ってしまいます。 表紙やタイトルに惹かれるのですかね。 今回も明るくない内容でした。 あらすじに書かれているのですが 犯人に顔が似ているからっていじめられるって、おかしくないですか? いや、いじめること自体おかしいのですが、 いじめる理由が、こんなどうにもできないことなんですよ。 子どもの社会ってつくづく怖いなと。 そこから、展

          『木曜日の子ども』

          『神様の裏の顔』

          藤崎翔先生は、元芸人さん。 めちゃくちゃ笑える小説ではなく あぁ、自分もそんな願望をいだいたことが あるなと。 どんなことかは、読んでからのお楽しみです。 読んでいるときは、そんなに…って思うし 私自身、めちゃくちゃオススメ!とは いえないのですが、 何故か忘れられない作品になるんですよね。 不思議な感覚です。

          『神様の裏の顔』

          『彼女が遺したミステリ』

          物語の始まりは、婚約者さんの死後です。 抜け殻のようになってしまったパートナーのために、死ぬ間際まで、謎解きを残した彼女さん。 回想シーンを交えながら、物語は進んでいきます。 思い出を辿りながら、 少しずつ生気を取り戻していく彼氏さん。 謎解きに参加する人々の多さが 彼女さんの人徳を表しています。 物語に、不満はありません。 帯よ、何故“号泣”と書くのか。 そこまでは泣きません。 ウルッとはしたけど。 感動しそうなのは、 タイトルやあらすじから 分かることなのに、帯でもう

          『彼女が遺したミステリ』

          『背中、押してやろうか?』

          最近、ハマりだした作家さん。 バレンタインに『ご褒美にはボンボンショコラ』を読んで、衝撃を受けたのですが、 今回は、また違いすぎる雰囲気で ストレージパンチをくらいました。 全く救いがないのですが、 何か清々しいのです。 明確な理由がないところが 中学生っぽい。 表紙のモデルが娘さんなのかな。 まんまだったので、驚きました。

          『背中、押してやろうか?』

          『砂に埋もれる犬』

          母親ってだけで、子どもを自由に自分のものにできる。って言うことを見せつけられる小説でした。 ネグレクトでも、“私の子”で、手放さなくていいって言うのが、腑に落ちません。 育ててくれない実の親より 育ててくれるコンビニの店長の元のほうが 子どももご飯に困らないし、 ちゃんとしたコミュニケーションも とってもらえるだろうに。 と、思いながら、読みすすめていました。 小説では、それでも物語を完結させるために、主人公の立場に置かれる子どもは、 死ぬことはありません。 でも、現実は

          『砂に埋もれる犬』

          『芸能界』

          染井為人先生の最新刊です。 社会派ミステリー、長編小説のイメージが ありましたが、こちらは短編集です。 つめこまれた感がなく、 丁寧な短編の集まりで、内容に重々しさはなく、とても読みやすかったです。 どのジャンル?と聞かれたらミステリーに なるのでしょうが、決してミステリーだけではなく、色んなジャンルが含まれていて 飽きることも、疲れることもなく 読み終えることができます。 今、1番オススメする作品です。