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『あなたの大切な人に殺人の過去があったらどうしますか』

少しネタバレします。
すぐしますので、ネタバレが嫌な方はここで終わってください。





文中に、大切な人が殺人者と知った時、
触れたく感じた右手が、急に怖くなった…
のような文面が出てきます。

殺人者と知ることもですが、
大切な人に触れることが怖くなるって
どれほどツライのだろうと。
罪は償ったはずなのに、
法律的には許されたはずなのに
大切な人のはずなのに
そんな想いを持ちつつ、
体が強張ってしまう、怖がってしまうなんて。

タイトルが、テーマなので
私ならどうしようかな?
主人公と共感できるかな?
それとも無理かなぁ〜
なんて、少し軽めに考えていました。
が、この手に触れれない描写にビンタをされたような衝撃を受けました。

そんなこと、考えもしなかった。と…

答えなんてないのです。
大切な人に母親を殺されても
好きなんて言えますか?
でも、嫌いにもなれないような
気もするのです。
いや、もちろん殺し方とか理由とか
色々と葛藤や悲しみ、怒りなどはあるのでしょうが…

なので、答えは多分当事者たちも
分からないのだと思います。

小説なので、必ず終わりはあります。
その最後を読んだ時、
天袮先生は、いつでも救ってくれるのです。
社会派ミステリーで、気が重くなったり
やるせなさしか残らないものもある中で
必ずと言っていいほど、救ってくれる天袮先生。

ぜひ、ぜひ、
読んで欲しい作品です。

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