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駆けろ鉄路2千キロ!道東を鉄道で巡る旅 ~1日目
2022年8月21日(日) 7:25 羽田空港
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…なんとかここまで来れた。
これから北海道への旅を始めようとしている人らしからぬ言葉ではある。
旅に出るまで紆余曲折あったとか、寝坊せずにここまで来れたといった意味もあるが、一番不安だったのは飛行機に乗る前の保安検査。飛行機に乗ること自体が10年ぶりくらいで、勝手がわからな過ぎて不安だったのだ。
確かパソコンや液体物は荷物から取り出してトレイに入れる必要があったはず。ん、モバイルバッテリーは…?
しかし、結果的には杞憂だった。パソコンや液体物を入れたままで検査ができるようになっていたのだ。トレイにリュックをそのままポンと置き、そこに手持ちのスマホ、腕時計だけを置いて、無事通過することができた。
航空機サービス、知らない間に進化してるぞ。
帯広空港へ
7:35、いよいよ搭乗。本格的に北海道への旅が始まる。
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10年ぶりの本気の加速を感じ、飛行機は帯広空港へ向け飛び立った。
機体は若干揺れながら雲の中を通り抜け(どうもこれは慣れない)、あっという間に雲海の上へと突き抜けた。
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北上を続けると、やがて雲が切れ、そこには松島から牡鹿半島にかけての海岸線が広がっていた。ちょうど良いタイミング!
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飛行機は次第に陸地から離れていく。
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反対側の席に座っている家族連れが「わぁ」と歓声を上げる。どうやら北海道の陸地が見えてきたようだ。しかしこちら側は見渡す限り海。陸地はまだかと、妙にやきもきする。
飛行機が降下を始めてから数分、ようやくこちらにも北海道の陸地が見えてきた。眼下には大きく四角で区切られた農地が広がる。
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畑、畑…あれ、畑の中に突っ込むんじゃないか?と心配になるような勢いで飛行機は帯広空港へ着陸した。
実際、畑の中に唐突に空港がある。
飛行機を降りたときに肥料の匂いがしたのは気のせいではないはずだ。
帯広市街へ
空港から出ている連絡バスに乗り、帯広駅へ向かう。
空港を出た途端この景色。
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しばらくすると、バスは「幸福駅」の前に着いた。
ここは昭和62年まで存在した国鉄広尾線の駅で、その縁起の良い名前から今でも観光地として有名だ。
鉄道車両も綺麗に残されており、しっかり観光地となっているようだ。
これはちゃんと立ち寄るプランを立てるべきだったな…と後ろ髪をひかれながら幸福駅を通り過ぎた。
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ちなみに、もう少し先には「愛国駅」があり、「愛の国から幸福へ」ということで幸福駅と一緒に観光地となっている。恋人の聖地だそうだ。
…なんか、これを書いて、一人で行くのはちと恥ずかしくなってきたw
バスは畑が広がるエリアから、市街地へと入ってきた。「西6条41丁目」という停留所名に耳を疑う。ちなみに42丁目まであり、日本一だそうだ。
JRの高架をくぐり抜けると、バスは帯広駅バスターミナルへ到着。
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帯広駅前、気温は30℃。夏の日差しは強いが、空気が乾いており、すこぶる快適な陽気である。
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というか、この温度計、一番下が-36℃ってどういうことだ。
昼飯:帯広の豚丼
北海道最初の食事は、帯広駅前の「ぱんちょう」にした。いわずと知れた、正真正銘「元祖」の豚丼の店だ。
店の前には、11時の開店を待つ行列ができていた。ざっと20人くらいか。
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行列に並ぶか少し悩んだが、幸い今日乗る電車まではまだ2時間ある。きっと回転も早いだろう、と判断し、行列の後ろに加わった。
強い日差しに照らされること約30分、店内に入ることができた。「暑いところありがとうございます」と言われて差し出された水をがぶ飲みする。
豚丼は安い順に松、竹、梅、華の4種類があるが、違いは豚肉の枚数とのこと。それならばと、一番枚数の多い華を選択。併せてなめこ汁も注文。
15分ほどで豚丼が運ばれてきた。
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丼から肉がはみ出ている…これは期待が高まる。
では、いざ御開帳!
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見るからに肉厚な豚肉が8枚ほど。これは食べ応えありそうだ。
食べてみると、とにかく豚肉の上質さに驚く。肉厚なのにとても柔らかく、それでいて脂のくどい感じもない。タレも肉の味を引き立てる程よいバランスで絡んでいる。
肉が8枚もあったら後半つらくなるかな?と思ったが、気がつくとペロリと完食してしまっていた。
店を出ると、行列は1組だけになっていた。ムリに開店時間を狙わなくても良かったかな…
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鉄道のお時間です
今日は帯広駅から新得駅までを往復する。
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北海道全体の地図で見るとほんのちょっとに見えるが、それでも片道43.8km。京都-大阪間の距離に相当する。ちょっとした移動だ。
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ホームにH100形気動車がやってきた。2020年から導入された比較的新しい車両だ。
北海道だと丸っこい形をした旧国鉄時代の車両が頑張っているイメージがあるが、次第にこのH100形に切り替わっている。直線をベースにした都会的なデザインなのに1両編成というギャップがどこか面白い。
13:19、帯広駅を出発。
しばらくは都市部を走っていたが、すぐに周囲は広大な畑に変わった。
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北海道は全国のジャガイモの生産量の8割、トウモロコシは4割を占めるそうだ。そりゃこの畑の広さだもんなぁ。やはり規模が違うと実感する。
帯広を出て30分、御影駅で特急の通過待ちのために一時停車。15分待ち。
外に出てのんびりと車両の写真を撮っていると、特急とかち8号が横をかっ飛んでいった。
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発車の時間が迫ってきたので、いそいそと電車に乗り込む。電車は無人の駅をゆっくりと後にした。
御影の前、芽室を過ぎたあたりから、少しずつ坂を登り続けているのに気づいた。この先にそびえる日高山脈の気配を感じたところで、新得駅に到着。
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さて、発車案内を見ると、ちょうど戻りの普通電車の改札中。
3方向すべての案内がまとまっているのでわかりづらいが、次の電車に乗らないと次は2時間後。
新得は蕎麦が名産なので食べたいところではあるが、2時間となるとちょっと微妙な待ち時間だ。
数日後にまた来るので、その時を信じて今回はとんぼ返り。
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14:35、行きとは異なり、自分を含めて乗客3人の寂しい車内で新得を出発。
帰りは行きとは反対側の座席に座った。あいにく道中電線が張っていたので風景がイマイチだが、電線越しに北海道を感じる風景が見られた。
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15:56、帯広駅に戻ってきた。途中で乗車した乗客を含め、ほぼ全員下車。
この列車は釧路行きなので「発車待ち」になるが、帯広駅発はなんと45分後である。車内でずっと待つ人はいるだろうか…
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駅に着いたところで、今日のホテルにチェックイン。
テレビをつけると、大泉洋はじめTEAM NACSの番組が流れていた。
あぁ、北海道来たなぁ。
ばんえい競馬
ホテルで軽く休み、帯広競馬場に向かった。
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帯広競馬場は、通常のサラブレッドの競馬ではなく、体重1トン近い「ばん馬」がソリを引く「ばんえい競走」が行われている。
到着すると、ちょうどレースの発走時間を迎えたところだった。早速観戦。
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目の前を高速で駆け抜ける競馬と違い、ソリを引く馬と一緒に歩きながら応援できるというのは斬新で面白い。馬が懸命に坂を越えようとする姿に、思わず「行け!」と叫びたくなる。こんなご時勢なので叫べないけど。
いや、しかし…難しいなこれ。
坂を最初に越えた馬が勝つ、というわけでもなく、残り数十mで足が止まってあっさり逆転を許す、ということがザラにある。当てられるかな…
間近で見るばんえい競馬の興奮に浸っていると、次のレースのパドックが始まったので見に行ってみる。
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パドックを見終わったところで、馬券…ではなく食堂へ。
名物というカレーラーメンを食す。
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気がつくと、自分が最後の客だったようで、食堂のシャッターが閉められていた。あ、もう一つの名物、砂糖をかけたアメリカンドッグを買おうと思ったのにw
食べ終わると、先ほどパドックを回っていたばん馬のレースが終わっていた。4番の黒王号が勝ったようだ。体格が段違いだったもんなぁ…馬券買っときゃ良かったか。
ここからは馬券を買いつつ、レースを観戦。ダイジェストで。
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そして気がつくと最終レース。
成績はわからんけど、ある馬の名前が気に入り、ゲン担ぎだと単勝+複勝の応援馬券を購入。勝ってくれ!
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…全然来なかったw
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おつかれさまでした。
本日の成果
アクセス駅数: 43
北海道での通算獲得新駅: 9
移動距離(駅メモ!基準): 985km
北海道での通算鉄道乗車距離: 87.6km
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ばんえい競馬収支: -1,600円
次回予告
初日からかなり濃厚な1日を過ごして北海道を満喫。
明日は一気に東へ移動。北海道、そして日本の最東端、根室を目指す。
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