駆けろ鉄路2千キロ!道東を鉄道で巡る旅 ~序章
2022年8月、長い間待ち望んでいた、道東を6泊7日で鉄道で巡る旅に行ってきました。何回かに分けて、旅行記を書き記そうと思います。
今回は序章ということで、旅立つまでの様子を。
動機 ~憧れ、そして焦り
どこまでも広がる夏の緑、あるいは冬の銀世界。そして何より、うまい食べ物。旅が自分の趣味になって以来、「いずれは北海道を旅したい」と、常に憧れを持っていた。
旅の移動手段は色々あるが、自分は乗り鉄なので鉄道メインの旅をしたい。
そして自分が「駅メモ!」という鉄道を題材にしたゲームをやり始めてから、「北海道を鉄道で回る」ということは、単なる「憧れ」から「果たすべきミッション」へと変貌した。
日本各地への「遠征」という名の旅を重ねながら、頭の中には常に「北海道を、いつ、どうやって攻略しようか?」という思いがあった。
そして最初に北海道旅行の計画を立てたのが2019年。
行程を決め、往復の飛行機と宿の予約も済ませ、準備万端に思われた矢先の8月23日、当時一緒の案件で働いていた先輩がありえないミスをやらかし、その穴埋めで自分の夏休み、そして旅の予定はものの見事に吹き飛んだ。キャンセル料がかかったこともあり このことは未だに根に持っている。
リベンジを決意した自分に次に襲い掛かったのはコロナ禍。不要不急の外出の自粛、都道府県をまたぐ移動の自粛の要請が行われた。
自ら粛む(つつしむ)から自粛なのに「自粛の要請」とは…とモヤモヤしながらも、それらを無視してまで旅行を決行する度胸は自分にはなく、ひたすら耐え忍ぶ時期が続いた。
そして、コロナ禍が追い打ちをかける格好で、北海道の鉄道路線は駅や路線の廃止が相次いだ。それは現在進行形で進んでおり、2023年3月の廃止が決まった路線もある。
駅メモでは廃駅、廃止路線もアクセススポットとして残るため、たとえ路線はなくなっても現地に赴く必要がある。廃止路線はバス転換されている例が多いが、便数がさらに減らされている可能性もあり、やはり鉄道があるうちに行っておくのが最も手っ取り早い攻略方法となる。
行けるうちに行かねば。今しかない。
コロナの第6波もようやく落ち着きを見せた2022年5月、北海道旅行の計画を立てることにした。
今回の旅行プラン
北海道はどの季節に行っても素晴らしいと思うが、今回は夏の旅とした。
メインとなる攻略地域は道東。クソ暑い時期に北海道の中でも特に涼しい地域に行くことで、避暑をしたい、という目的もある。
期間は8/21(日)から8/27(土)の6泊7日。1週間丸ごと使った旅行は自分史上最長となる。
主な行程は以下の通り。[鉄]が鉄道での移動、[飯]は食事を表す。
1日目
帯広空港から北海道入り
[飯] 帯広の豚丼
[鉄] 帯広 ←(根室本線)→ 新得
ばんえい競馬
2日目
[鉄] 帯広 -(根室本線)→ 釧路
[飯] 釧路の和商市場で勝手丼
[鉄] 釧路 -(花咲線)→ 根室
[飯] 根室の旅館で花咲ガニ
3日目
[鉄] 根室 -(花咲線)→ 釧路 -(釧網本線)→ 網走 -(石北本線)→ 旭川
4日目
[飯] イクラ盛り放題の朝食
レンタサイクルで神居古潭へ
[飯] 旭川ラーメン
[鉄] 旭川 ←(富良野線)→ 富良野
[飯] 旭川の良さげな居酒屋
5日目
[鉄] 旭川 -(函館本線)→ 深川 -(函館本線)→ 留萌 -(沿岸バス)→ 増毛
[飯] 増毛の寿司
[鉄] 増毛 -(沿岸バス)→ 留萌 -(函館本線)→ 深川 -(函館本線)→ 滝川
[飯] 滝川の松尾ジンギスカン本店
6日目
[鉄] 滝川 -(函館本線)→ 札幌 -(函館本線)→ 美唄
[飯] 美唄の焼鳥
[鉄] 美唄 -(函館本線)→ 滝川 -(根室本線、代行バス)→ 新得
[飯] 新得そば
[鉄] 新得 -(石勝線)→ 南千歳 -(千歳線)→ 札幌
7日目
[鉄] 札幌 -(函館本線)→ 岩見沢 -(室蘭本線)→ 苫小牧
[飯] 苫小牧のほっきカレー
[鉄] 苫小牧 -(千歳線)→ 南千歳、新千歳空港
新千歳空港から北海道発
…見事に[鉄]と[飯]しかない、目的に特化した壮大な計画が出来上がったw
北海道の地図に示すと、このような感じ。
道内での鉄道での移動距離は約1,800kmとなる。1日平均で約250kmの移動。乗り鉄の自分もさすがにここまでの大移動は経験がない。
これはある種の「修行」だな…と覚悟を決めることになった。
ちなみに、これだけの移動を行っても、アクセスできない駅がまだ半分残る。どれだけ広いんだ、北海道。
旅の相棒、北海道フリーパス
今回の旅の相棒になるのが、「北海道フリーパス」である。
7日間、JR北海道の在来線全線が乗り放題となる。特急も自由席であれば自由に乗車でき、指定席は6回まで乗車可能となっている。
料金は27,430円(2022年8月時点)と一見高価に思えるものの、7日間で割れば4,000円弱。鉄道を乗り回す自分のような利用者にとっては夢のような切符である。
ところで、北海道フリーパスを使って指定席の予約を行うと、切符に赤い★が印刷されるらしい。
★が6個並ぶ姿はカッコいいじゃないか。指定席を取る特急をきっちり6回分決め、切符を買いに近所の駅へ向かった。
券売機で北海道フリーパスを購入した後、その切符を再度券売機に投入しながら指定席特急券を買っていくのだが…
…あ。
切符の入れる向きを逆にしてしまい、本来の位置からずれた場所に★が印刷されてしまった。これはカッコ悪い…
自動改札機のような切符の反転機能は券売機にはなく、最初に切符が出てきた向きをキープしながら投入する必要があるようだ。
指定席購入の際はくれぐれも気を付けよう。カッコ悪くなるぞ!
まぁちょっとしたトラブルはあったが、切符の準備は整った。
荷物も整え、体調も万全。8月21日、ついに旅立ちの日を迎える。
ちなみに
今回の旅程、もう少し安くできるきっぷが販売されている。
AIRDO/Peach ひがし北海道フリーパス
「ひがし北海道フリーパス」を使うと、AIRDOまたはPeachで北海道発着、日数が5日、指定席特急券は別料金という制約がありながらも、価格が16,380円(2022年8月時点)と、実に1万円近く安くなる。
路線の方も、今回の旅で乗る路線はほぼカバーしており、十分代替になる。
道東を格安で攻略したい場合はこちらを検討してみるのも良さそうだ。
HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス
期間限定で、「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」という切符も販売されている。こちらはJR北海道全線、期間は6日間で、指定席特急券は4回までOK。そして値段は驚きの12,000円!安すぎるだろ!
北海道の公共交通利用促進キャンペーンの補助金を使っているのが安さの理由らしく、一定数販売で終了となってしまう。
この切符、最初は3月から発売されており、自分も狙っていたのだが、夏の本格的な行楽シーズンを前に売り切れてしまった。
まさか復活するとはな…
今回も早々に売り切れそうなので、近々北海道に行く予定のある人は是非チャレンジしてみてほしい。
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