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駆けろ鉄路2千キロ!道東を鉄道で巡る旅 ~7日目(最終日)

2022年8月27日(土)9:50 札幌市時計台前

おはようございます。

いよいよ北海道旅行も最終日を迎えた。天気は残念ながら曇り。

今日の行程

今日は夕方に新千歳空港を発つ便で東京へ戻る。そのため最終目的地は新千歳空港駅だが、札幌駅から直通の快速エアポートには乗らず、例によって「遠回り」をする。

まずは昨日も乗車した函館本線で札幌から岩見沢へ。そこから伸びている室蘭本線で苫小牧に向かう。室蘭本線の岩見沢~苫小牧間はJR北海道の単独維持困難路線にも挙げられており、早めに乗車しておこう、という狙いだ。今日のメインイベント。
苫小牧からは千歳線で札幌方面に引き返し、南千歳駅から新千歳空港駅に乗車。これで今回の北海道鉄道旅は終了となる。

ちょっぴり札幌観光

単独維持困難なだけあって、岩見沢~苫小牧間の列車はやはり本数が少ない。岩見沢9:03発の次は12:45と、3時間以上時間が空く。岩見沢に向かう列車までかなり時間があるので、暇つぶしに少し札幌観光をすることにした。

ビルの写らないアングルを探求する。

何をやってるんだ、と言われそうだが…今になると、なんで中の展示を見ようとか思わなかったんだろう。
次回に備え、公式サイトを見ながら予習しておこう。

0:00の撮影以来、10時間ぶりのテレビ塔。

再びやって来た大通公園では、あるイベントの設営が行われていた。

お、北海道マラソンか!

真夏にフルマラソンの大会が行われるのはここだけとあって、かなり人気の大会のようだ。日曜の開催だが、前日に北海道入りして観光がてら市街地を走っている集団を何度か見かけた。
自分は冬ならなんとかフルマラソン完走できる程度の能力だが、涼しいとはいえ、25℃は走るにはちょっと暑いんだよなぁ…興味はあるんだけど。

と、イベント設営を眺めていたらまた「テレビ塔に登ろう」という考えに思い至らなかった。まぁ天気もイマイチだったし(言い訳

札幌市電に乗る

大通公園からさらに南に歩くと、目の前を路面電車が走っていった。

1100形。2018年デビューの新しい車両。
3連編成もあるようだ。A1200形。実はこちらの方が1100形より古い。
古い車両も残っている。新旧車両がすれ違う。

札幌市電は環状線となっており、およそ60分弱で1周できる。現在は10:10頃。札幌を発つのが12:00発の特急なので、1周はできそう。ふむ…
当初の予定には入れていなかったが、1周乗って札幌市電を制覇しておくことにした。

古いタイプの車両だった。

札幌市電は市街を見下ろせる藻岩山ロープウェイへ向かう足としても利用できるが、どちらかというと市民の足として使われているようで、1周する道中、車内はずっとそれなりに混雑していた。カメラを持って車内や景色を撮影する余裕はなく、黙々と乗車する時間が続いた。

およそ1時間後、最初に乗った西4丁目停留所まで戻ってきて札幌市電は無事制覇したものの、なんとなく不完全燃焼感は残ったw

札幌駅まで歩いて戻る。ちょっとだけ青空が見えた。

札幌を離れる時になって、そういえば、せっかく札幌に来たのにテレビ塔やJRタワーの展望台にも登らなかったし、ラーメンもスープカレーも食べなかったなー、と気づく。あくまでこの旅のメインは道東だったとはいえ、札幌の扱いがあまりにも雑だったような…まぁ、北海道完全制覇への道はまだ道半ばだし、今後札幌に来ることも何回かあるだろう。その時の楽しみに取っておくことにする。

室蘭本線で苫小牧へ

まずは特急ライラックで岩見沢へ。

12:00発の特急ライラック15号で岩見沢に向かう。

今日の苗穂車両基地。キハ183系が2編成いるな。

今回はトラブルに見舞われることなく、30分弱の乗車で無事に岩見沢到着。

特急では最初の停車駅になる。
ホームには木彫りのばん馬の像が立っていた。でかい。

室蘭本線の車両が停まっているホームへ向かう。

室蘭本線始発の駅名標。
お、2両編成だな。

一番手前のドアから乗車しようとしたところ…

えっ。

待て待て、この車両で合っているはずなんだが…混乱しながら前の車両へ向かう。

こちらは通常通り。びっくりしたー。

苫小牧から2両編成で来たが、ワンマン運転で戻るために実質1両編成にしているのだろう。他の地方でも似たような編成は見たことがあるが、後ろの車両はドアが開かないけど席は解放されていたような。利用者数に見合った編成にしているのだろうか。

「鉄」の人と向かい合わせで座る。車内も全般的に「鉄」の人が多いように見られた。5日目の留萌本線といい、地元の利用者が少ない路線は廃線へのカウントダウンが始まっているように思う。苫小牧~岩見沢間は明治時代からの歴史を誇る路線だが、今となっては札幌経由でも行けるからなぁ。

12:45、苫小牧に向けて出発。

室蘭本線はほぼ1駅分くらい函館本線と並走し、やがて少しずつ高台に登りながら別れていき…という写真を撮ろうと思ったのだが…

窓がすりガラス状態。霧がかかっているわけではない。

さらに悪いことに雨も降ってきたので外の見通しの悪さに拍車をかける。1時間前の札幌では青空も見えていたんだけどな…

この地域も田んぼが多いようだ。
たまに畑も見られる。何を栽培してたのかな?

進むにしたがって地元の利用者は下車していき、石勝線と交差する追分駅に着く頃には車内の客はほぼ「鉄」の人だけになった。

追分駅。隣の島に普通電車が停まっている。
「千歳-追分-新夕張」とある。

昨日通った石勝線を走る普通列車だ。自分は特急でサクッと通り抜けてしまったが、青春18きっぷを使って越えようとするとお世話になる列車だ。しかも追分~新夕張間は1日2.5往復しかない激レア路線。「鉄」の人以外に需要はあるんだろうか…

地図を見ると、追分から先、石勝線、千歳線、室蘭本線で囲まれた地域は牧場が多いようだ。中央競馬で活躍する馬を多数輩出しているノーザンファームもこの地域にある。車窓から馬や牛が見えるかな?と思ったが、あいにく確認できなかった。

こういう土地、牧場だと思うけどなー。

さて、車内に意識を戻すと、後ろの席でおばあちゃんと若いお兄ちゃんが話している。聞き耳を立ててみると、この方、かなり年季の入った「鉄」のようで、国鉄時代の鉄道の思い出話をお兄ちゃんに語っていた。お兄ちゃんも負けずに全国各地を旅した話をしている。
自分を含め、「鉄」の方々は各自の目的のために孤独に旅をする人種で、その姿は俗世間から離れたある種の修行僧のようにイメージしていたのだが、「鉄」同士でこういう語らいができるのは素敵だなぁ、と思った。何なら話に入っていきたかったw
おばあちゃんは苫小牧から日高本線に乗るという。かつては全長約150kmを誇ったが、ほとんどが廃線となり、現在は5駅だけ残る小さな路線だ。その選択がまた手練れ感を漂わせる。

車両は千歳線との分岐である沼ノ端駅で予定外の待ち合わせを行い、定刻より少し遅れて苫小牧に到着した。

室蘭本線、岩見沢~苫小牧間を制覇。
工場からもうもうと煙が立ち上る。さすが工業都市、苫小牧。

昼飯:ホッキカレー

時刻は14時を過ぎた。さすがに腹が減ったので昼飯にする。
改札を出てすぐのところにカレーの店があり、そこで名物の「ホッキカレー」をいただくことにした。

カレー専門店。駅弁も売ってるけど。
ホッキカレー。弁当のような容器で提供された。

大ぶりのホッキ貝がどどんと乗っている。なんでも苫小牧はホッキ貝の水揚げ量が多く、肉よりホッキ貝が安いくらいで、昔からカレーにホッキ貝を入れてきたのだとか。ただしここではホッキカレーの方が高かったのだが、まぁそれはご愛嬌w

苫小牧でホッキカレーを出している店は何店舗かあるようだが、ここではホッキ貝を煮込まずに上に乗せるタイプのようだ。そうなると生臭かったりしないかな…と少し心配だったが、全然問題なかった。ホッキ貝のコリコリとした食感をよりダイレクトに感じられる。なかなか美味かった。

昼食を食べ終わってふと外を見ると、さっきのおばあちゃんを乗せたと思われる日高本線の車両が駅を飛び出していった。

「飛び出す」という表現がぴったりの速さだった。撮影間に合わず。

新千歳空港へ

いよいよ今回の鉄道旅、最後の乗車となる。

731系。これに乗って南千歳まで行く。

14:53、札幌方面に向けて出発。

沼ノ端の辺りはその名の通り沼、正しくはウトナイ湖の近くを通るが、また車両の窓が白かったので車窓の撮影はできず。
そういえば今回の旅、シカは何回か見たが、キツネを見ることはなかった。見たかったなぁなどと思い返しながら、20分ほどの乗車で南千歳に到着。

雨に濡れる白樺の防風林。
石勝線はここが起点となる。

南千歳駅からは新千歳空港の一部が見えているが、ここから快速エアポートに1駅だけ乗車し、ターミナルの真下にある新千歳空港駅へ向かう。

新千歳空港駅に到着。

これで今回の北海道の鉄道乗車は全行程終了となった。

鉄道旅の終了を象徴する車止め。
北海道はでっかいどう、と言わせるための?比較地図。

比較すると、今回の旅、本州では関東、中部地方をくまなく回った感じになるんだなぁ、と実感する。そう考えると意外と狭いような?とも思ったが、本州では新幹線が走っているからかもしれない。普通電車で回ればなかなかの達成感になるだろう。やる?と言われるとあまり惹かれないんだけど…

新千歳空港にて

新千歳空港の中央ロビー。3Fから見下ろす。

今の時刻は15:30頃。搭乗するのは18:05の便なので、2時間半近くある。東京の仲間たち(と自分)に向けたお土産を物色することにした。

友人の一人からバター飴のリクエストを受けていた。北海道土産の定番だからね、すぐ見つかるっしょと思ったのだが、なんか全然見つからない…あるお土産屋のレジ前にひっそりと売っているのを見つけたのは15分ほど経ってからのことだった。じゃがポックルやロイズのチョコたちに押されてしまったか…これも時代の流れ?

4Fにはこんな店が。

雪ミクカワイイヤッター!

北海道が生んだ全世界的アイドル「初音ミク」の北海道応援バージョン「雪ミク」のショップだ。その筋の友達向けにお土産を買う。

追加で自分用にシマエナガのぬいぐるみを買った。ぬいぐるみを扱う店なので、レジに並ぶ列には小さな女の子の客が多かったが、あまり気にしないことにする。

かわいいは正義。

さらば北海道

搭乗の時間が近づいてきたので、荷物を預けて搭乗ゲートへ向かう。

あぁ、帰るんだなぁ…
エアバスA350。初めて乗る機体だ。

おぉ、全座席にモニターがついている。進化したなぁ。早速現在位置や速度などを表示するレーダー風の画面に切り替えて出発を待つ。

18:13、加速一番、エアバスA350は羽田に向けて離陸した。

雨が降っていたので例によってガタガタと揺れながら上昇し、やがて雨雲の上に突き抜けた。

眼下一面に広がる雲。

実は、上昇したところで夕日が見れるかな?と思ってこの時間の右側の座席を取ったのだが、離陸が若干遅れたため惜しくも日は沈んでしまっていた。しかし日没後の美しい景色を見ることができた。

遥か彼方まで雲が広がっている。地表は全く見えないが、こんな景色もまた乙なもの。
次第に夜の闇が濃くなってきた。

やがて完全に日が沈み、外は暗闇に包まれた。

宮城県上空を順調に通過していた時、機体が急に左方向に傾き、高度が下がるのを感じた。うわ、なんだ?と思って外を見ると、遠くで雷が光っているのが見えた。なるほど、雷を避けたのか。明るければラピュタみたいな景色が見られただろうか。

福島県から栃木県の中央部を東側に避け、「雷都」とも呼ばれる宇都宮を過ぎたところで進路は元に戻った。それと共に雨雲が切れ、首都圏のまばゆい街の灯りが眼下一杯に広がった。

翼よあれが首都の灯だ。ただし手前は千葉県。
東京湾が見えてきた。大きく右に旋回して着陸態勢に入る。

ゆっくり降下しながら東京湾を横断し、無事羽田空港D滑走路に着陸。

帰ってきちゃった…異世界から帰ってきたような気分。

それにしても、東京、暑い。
1週間も北海道にいて、25℃以下の世界にすっかり慣れてしまったので、東京のじめじめとした陽気はかなり体にこたえる。明日から暑熱順化のやり直しだな…

さぁ、モノレールで帰りましょ。

おつかれさまでした。

本日の成果

  • アクセス駅数: 84

  • 北海道での通算獲得新駅: 258

  • 移動距離(駅メモ!基準): 1001km

  • 北海道での通算鉄道乗車距離: 1792.9km(+廃線33.4km)

…あれ?

「駆けろ鉄路2千キロ!」と言いながら、鉄道乗車距離が2000kmに届いていない。タイトルに偽りあり、じゃないか。

…そうなのだ。これはお詫びしなければならない。

そもそもタイトルの「駆けろ鉄路2千キロ!」は、国鉄全路線を乗車した「乗り鉄」の祖、宮脇俊三先生の著書「時刻表2万キロ」にあやかってつけたものだ。この旅行記を書くにあたり、乗車記録を洗い出して距離を計算した際、洗い出しは正確にできたものの、なぜか最後の合算をミスり、合計距離は2000kmを超える、と算出してしまった。お、ちょうどいいやということで「2千キロ」としたのだが、結果として釣りタイトルとなってしまった。1割少ないのはさすがにごまかせない…

「2千キロ」を掲げた手前、いつか2000キロのリベンジをしなければ。

その時はどの路線に乗ろうか。北海道の未到達の駅はまだ半分も残っている。一度乗った路線でも、季節を変えれば、また違った顔を見せてくれるだろう。

計画を立てるのが楽しみだ。

HOKKAIDO LOVE! 今までも、これからも。

駆けろ鉄路2千キロ!道東を鉄道で巡る旅
(2千キロは未遂だけど)完

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