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【老父母との旅行】イタリア珍道中③ホテル選び

投稿:020
【記事の要約】
海外旅行の経験がない両親を
日本国外に連れ出すと何が起こるのか?
「両親にも一生に一度は世界を体験してもらいたい」。
そんな気持ちでイタリア旅行に繰り出した親子旅を振り返る。

前回の記事はこちらから

今回の記事は「ローマのホテル」がテーマ


チェックインしてやっと一息。だが……

テルミニ駅近くのホテルに戻り、
チェックインを済ませた。
共用スペースに置き去りだった荷物が
無事で安心したものの、
ホテルは質素な作りでエレベーターはなく、
両親が持参したキャリーケースを
持って3階まで上がる。

テルミニ駅周辺は人通りは多いが、
その分盗難やトラブルのリスクもある。
ホテルの表玄関は20時以降施錠され、
ルームキーに記された暗証番号を入力しないと
出入りできない仕組みになっていた。

何をトレードオフするか問われるホテル選び

この時期のホテルはコロナ禍を脱した反動と思えるほど
ホテルの価格が高騰していた。
どこもかしこも、以前と比較して
こんな高い宿泊料金でしたっけ?
というほど値上がりしている。

私がホテルを選ぶ際の基準は、
立地、アメニティの充実や部屋の清潔感、
それに対して相応な価格かどうかだ。
だが、要素のうちどれかをトレードオフしなければ
予算内で宿泊できそうなホテルがなかった。

そこで立地と価格を優先した結果、
今回のホテルが候補に
上がったのだけれども……。
(とはいえ、このホテルも割高で決して安くはない)

通された部屋は謎の芳香剤の臭いで満たされていた。
芳香剤が強烈すぎて
もはや逆効果と言っていいほどだ。
元々2人部屋だったところに
3人泊まれるよう相談していたので
エクストラベッドを無理やり詰め込んでくれたようだ。
ベッドの間に隙間がない状況から
そんな推察をしていた。

両親も私も街を歩き回って
汗でベタベタの状態だったが、
同時に動けないほど疲れてもいた。
食事もほどほどにシャワーを浴びて
いつでも休める状態になりたい。

相談の結果、
私が最初にシャワーを使うことになり
ユニットバスらしきスペースに足を踏み入れた。
ところがシャワールームがコンパクトすぎて、
直立不動でシャワーを浴びることしかできない(泣)。

しかも、物を置いておく棚がない。
仕方なく床に置いたシャンプーや
石鹸を取ろうとするが、
私だと体を前屈させる余裕がない。
日本人の私が腰を曲げられないほど狭いスペースで、
体格のいい旅行者は
どうやってシャワーするのか
非常に気になった。
両親も同様の状況に陥ったようで、
さすがに難儀している様子だ。

公共交通機関へのアクセスの良さと
コスト面からホテルを選んだものの、
これで大丈夫だったろうかと
ベッドに横になって考え込んだ。

両親も疲れ切ってしまったようでもはや会話すらない。
「本当にお疲れ様」と思いながら、
私も静かに目を閉じる……が、
部屋の外から学生らしき
男女複数名の騒ぎ声が聞こえて眠れない。

うるさいと思って窓を見ると
建て付けが壊れていて隙間が空いている。
ここに3泊するんだが……と言葉を失った。

強烈な部屋の臭いと外から聞こえる騒ぎ声に包まれて、
腰のあたりが妙にへこむベッドに
身を委ねながら意識を失った。
ちなみに外の騒ぎは宿泊中、
毎晩23時まで続いて参った。

ホテルスタッフの温かさ

翌日は早朝から電車でフィレンツェに移動した。
それに伴い、チェックイン時の段階で
スタッフに朝食の相談をしていた。

ホテルの朝食は7:30から始まるルールだ。
だが、私たちが乗る列車は
7:10頃テルミニ駅を出発する。
何かテイクアウトできるものはないだろうか。

スタッフの方の厚意で、
簡単なサンドイッチを作ってもらえることになった。
本当に時間より早く対応してくれるのか
ドキドキしながらロビーで待機していると
6:30ごろにキッチンの担当者が出勤してきた。

そこで具材について簡単な希望を聞かれ、
ハム、チーズ、トマトをブレッドに挟んでもらう。
加えて市販のヨーグルトもつけてくれた。
両親と合わせて3人分となるとそれなりの量になる。

食事担当のスタッフは嫌な顔をせず
事情を理解して用意してくれた。
こういうところに人柄の温かさを感じる。

用意してもらった軽食を紙袋に入れてもらい、
先にテルミニ駅に向かった両親を追う。

雑踏のなかで両親と落ち合い、
無事に予定の電車に乗ることができた。
車内で両親と一緒にサンドイッチを食べ、
空腹に悩むことなくフィレンツェへ。

家庭的な温かさを感じた朝食

やっぱりこのホテルでよかったのかも。
サンドイッチを食べながら
心も満たされていく感じがした。

今回の記事はここまで。
次回はフィレンツェ観光(最終回)と
旅の教訓について綴る。


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