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2022年4月の記事一覧

読書感想 芥川龍之介 庭

読書感想 芥川龍之介 庭

またしても芥川龍之介です。
いかんせん大好きなものでつい……。

こちらの作品、なんと言いますか……寂しさ漂うお話なのですが、寂しいだけのお話ではないんですね。
ストーリーとしては、なんでもない話なんです。それなのにとても胸を打つ「何か」があります。(それは芥川龍之介の作品の多くに言えることだと思うのですが)

その「何か」は一体なんなのだろう?

鋭く的確な心理描写、心情描写なのでしょうか……。

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読書感想 芥川龍之介 袈裟と盛遠

読書感想 芥川龍之介 袈裟と盛遠

こちらは、平家物語の異本のひとつである源平盛衰記を芥川龍之介がアレンジしたものらしいです。ちなみに私は古典文学は全く不案内です。全っ然わかりません!!
(堂々と書くな!笑)
間違ってたらごめんなさい!

もう少し、古典文学の知識があれば、文豪の作品をより深く理解出来るのだろうな、と思います。また違った角度からも考察できますしね。
機会があれば改めて勉強したいですね。

さて、こちらの「袈裟と盛遠」

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読書感想 芥川龍之介 六の宮の姫君

読書感想 芥川龍之介 六の宮の姫君

こちらは、今昔物語を題材としたお話のようです。

六の宮の姫君の、「悲しみも知らないと同時に、喜びも知らない生涯」が淡々と描かれています。

両親に寵愛され、何不自由なく育った美しい姫君。
両親の死後、家計が苦しくなり体を売るような思いで夫(正式な夫じゃないのかな?)を持つことになります。

しかしその夫も仕事で姫君のもとを離れることになります。五年経ったら戻ってくると言い残し…。

しかし六年経

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読書感想 尾崎放哉 尾崎放哉選句集

読書感想 尾崎放哉 尾崎放哉選句集

青空文庫で「尾崎放哉選句集」を読みました。
尾崎放哉は、「咳をしても一人」が有名な自由律俳句の俳人です。

わたしは俳句は全く明るくないです。
自由律俳句とか、どう受けとめたらよいのかさっぱりわかりません……。

ではどうして尾崎放哉に興味を持ったのかというと。

それは私が中学生の頃、国語の授業で先生が
「咳をしても一人」について、
「そんなに一人が寂しいなら猫でも飼えばいいのにね」
とクラス全

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読書感想 東野圭吾 仮面山荘殺人事件

読書感想 東野圭吾 仮面山荘殺人事件

図書館にあったので、再読しました。
東野圭吾さんの初期の作品です。

むかし読んで、おお!と印象に残った作品です。
何が印象に残ったかというと、
ザ!だい!どんでん返し!な結末です。

湖畔の別荘に閉じ込められる一同。
そんななか殺人事件勃発!犯人は当然この中にいる……!

そんな王道の設定なのです。が!
犯人は誰なのか?と思いをめぐらせるうちに、というかあれ?そういうアプローチでいっちゃう?

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読書感想 山崎富栄 雨の玉川心中

読書感想 山崎富栄 雨の玉川心中

山崎富栄さんは、昭和23年に太宰治とともに玉川に身を投げて亡くなりました。
28歳だったようです。

ネットでお写真を拝見すると、とても美しい方です。
日本初の美容学校創始者の父親を持ち、ご自身も美容師として活躍されていたようです。

その当時英語も話せて、戦後は進駐軍行きつけのキャバレーのホステスさんの髪結いをしており、女性にしてかなりの財を成した、聡明な方だったようです。

家庭のある太宰治に

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