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世界の課題に、日本がリーダーシップを発揮したい 【東京会議2024で目指すもの】

こんにちは。言論NPOは、3月13日(水)から15日(金)にかけて「東京会議2024」を開催します。

昨年の10月には北京を舞台にした民間外交が動きましたが、次の舞台は"東京"です。そこで、今回の記事では「東京会議2024」を深掘ります。

何のために、誰が、何を議論するのかー

言論NPOが本気で作り上げる舞台の裏側をお伝えしたいと思います。

14日(木)に行われる公開フォーラムには、一般の方も無料でご参加いただけますので、ぜひチェックしてみてください!

民間外交って何?と思った方は、ぜひこちらの記事をお読みいただけたらと思います↓


1. 世界の平和と協力のために

「東京会議」は、単にハイレベルな論客を招いて対話をするイベントではありません。"民間外交で平和をつくる"、その精神を強く胸に刻み、世界の協力に向けた舞台を作り上げるため、パネリストの選定から議論の組み立てまで、徹底して設計されます。

”世界の協力”

言葉にするとシンプルに思えますが、なぜ今、私たちはこのことを改めて考える必要があるのでしょうか。

|今、世界が直面している "複合的危機"|

私たちの地球は、気候変動や自然災害、世界経済の分断、紛争、食糧危機といった様々な歴史的困難に直面しています。さらに、それらの影響は脆弱国に皺寄せし、途上国では債務危機が深刻化しています。

これらの危機は単に個別で発生しているのではなく、同時多発的、しかもそれぞれが連鎖しながら事態の深刻さを増幅させていっています。このような事態は「複合的危機(polycrisis)」と呼ばれ、どこから手をつければいいのか解が見つからない、複雑な状況になっています。

持続可能な環境や安定した世界経済、平和的共存といった人類共通の目標に今、共に取り組まなくては、世界が壊れてしまう。そんな局面なのです。

|協力が問われるこの局面でも、世界は分断に動いている|

ですが、そんな局面でさえ、世界は未だ協力できていません。「全てを安全保障で考え、協力できない構造がある。」言論NPO代表 工藤はそう懸念します。

さらに、ウクライナに侵攻を続けるロシアを非難しながらも、ガザへの攻撃を続けるイスラエルを擁護した欧米の「ダブルスタンダード」に世界の国々は不信感を強めています。

ルールに基づいた平和秩序を大国は守ろうとしていないじゃないか。自分たちの都合しか考えていないじゃないかー。そう不満を持つグローバルサウスの国々との溝が広がっているのです。

この状況は、気候変動、食糧危機、そして途上国の債務問題といった、世界が共同で対処すべき課題への取り組みをさらに難しくしています。

このように、世界が分断し共通の課題に向けて動き出せない中、「なぜ誰も、我々民主主義国自身の問題を議論しないのか。」

工藤が感じたのは、そんな疑問だったと話します。

「民主主義国が、法の支配やそれに基づいた自由な社会ということに責任を持たない限り、そして、困っている世界の多くの人たちを助けるために力を発揮する流れを作らない限り、誰が民主主義国を信用できるのか。

自由で平等な社会っていうのは、我々民主主義国にしかない。しかし、その民主主義国の行動が信用できないと言われてるこの局面に、我々は黙っていていいのか。」

そのような強い問題意識のもと、世界が危機に直面する中で民主主義国に問われている努力を改めて問い直すべく、東京会議の議論が組み立てられていきました。

2. 世界の危機に最前線で取り組む "当事者"たちが東京に集結

東京会議2024では、グローバルな危機に当事者として立ち向かっているトップレベルのパネリストたちが一堂に会します。

単に著名人を招くのではなく、実際に挑んでいる本人たちが今直面している悩みや課題について議論する場になるよう、徹底的にリサーチし、何度も交渉を行う言論NPOの動きには、私自身本当に驚かされました。

例えば、今回の会議に参加するステファン・ロヴェーン氏(元スウェーデン首相)。

彼は、効果的な多国間主義によってどう国際協調を向上させるか、元国家首脳や民間、アカデミックセクター、市民社会のリーダーたちで構成される「効果的な多国間主義に関するハイレベル諮問委員会(HLAB)」の議長として、グローバルガバナンスの再編を最前線で担っています。多極化、分断化で世界のシステムが壊れていく中で、国際協調をどう推し進めるのかを共に考えるため、基調講演者として参加することが決定しました。

また、マーシャル諸島共和国大統領のヒルダ・キャシー・ハイネ氏にも基調講演を行っていただきます。

マーシャル諸島は地球温暖化の影響で水没の危機に瀕し、さらには大国間の対立によって悲惨な歴史を経験したビキニ環礁を有します。史上初の女性大統領としてこの差し迫った危機に対処する中で、国際社会の支援と連携を訴える彼女。気候変動や平和という問題にまさに当事者として取り組む現役の大統領に、その現状を語っていただきます。

さらに、世界貿易機関(WTO)事務局長のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ氏も参加。

安全保障の概念が経済の分野にもおよび各国が保護主義に傾く中で、自由貿易体制は崩れかけています。この局面で、貿易の自由化と経済のグローバル化の推進を第一線で担うWTOの事務局長がその現状を発信します。時間の都合により来日は叶いませんでしたが、東京会議2024のミッションに賛同いただき、ビデオメッセージを送ってもらうことが決定しました。

また、国際通貨基金(IMF)から、戦略・政策・審査局副局長を務めるケネス・カン氏

世界経済のリスクが高まる中、特にその影響は途上国に皺寄せし、債務危機が深刻化しています。債務破綻のリスクのある国は50カ国以上あり、一国が破綻すると、それは世界に波及してしまいます。そうした緊迫した局面に対応を迫られているIMFから現役の職員が登壇します。分断が加速する世界で国際協調をどのように回復させるのか、共に議論します。

このような豪華なゲストスピーカに加え、世界を代表する10カ国のシンクタンクのトップが勢揃いすることも東京会議の大きな特徴です。

言論NPOは2012年に米外交問題評議会の主催する「世界の20団体のシンクタンク会議」に日本から唯一選出されて以来、世界を代表する独立系シンクタンクと連携を進めていました。

そんな中、「日本がグローバルな課題の中でリーダーシップを発揮したい、そのために協力してほしい。」そう、日本酒を交わしながら、工藤が何度もシンクタンクのリーダー達を説得したと言います。

その結果、G7各国とインド、シンガポール、ブラジルのシンクタンクのトップが協力し、「東京会議」というこの東京を舞台に世界の課題に挑む新しい動きが始まりました。

東京会議2024では、各国のシンクタンク代表者がそれぞれの国の様々な事情や立場を持ちながらも、民主主義国としてどのように協力を深めるかについて、共通の方針を固めます。

その他、WTO、UNDP、AU(アフリカ連合)、NATOなど国際機関からのハイレベルなゲストスピーカーも参加し、合計約30名が4つの非公開会議と公開フォーラムで議論を行います。
参加パネリストの紹介は
こちらからご覧ください。

3. “協力”に向け、日本から世界に強いメッセージを発信

東京会議2024ではこのような強い目的意識を持ち、「多極化、分断化する世界で多国間主義による国際協調をどう回復させるか」をメインテーマに、3日間にわたって議論を行います。

世界の平和や協力に向け、国際的なガバナンスをどう立て直すのか。そして世界の民主主義国に今、何が問われているのか。

10か国の共同提言をまとめ、この日本から世界へ、強いメッセージを発信します。

4. 「東京会議2024」公開フォーラム開催概要

いかがでしたか。「東京会議2024」を単なるイベントでは終わらせず、何としてでも世界の平和や協力への土台にする、そんな強い決意と熱意を持って取り組む言論NPOの姿が伝わっていたら嬉しいです。

3月14日(木)に行われる公開フォーラムには、一般の方も無料でご参加いただけます。世界の危機に最先端で取り組むこの議論の場に、是非ご参加ください。一緒に、平和や協力に向けた方法を考えてみませんか。

日時:2024年3月14日(木)12:30-18:30
会場:東京プリンスホテル2階「マグノリアホール」(東京都港区芝公園3丁目3-1)
メインテーマ:多極化、分断化する世界で多国間主義による国際協調をどう回復させるか
通訳:日英同時通訳
申込締切:2月29日(木)

会議の詳細、公開フォーラムの傍聴申込はこちらから:

※なお、今回のフォーラムは、会場でのご参加のみとなっております。先着順ですので、お早めにお申し込みください。


【3日間のスケジュール】

東京会議2024のパンフレットはこちらから↓

コラム:東京会議とは?

世界経済の分断回避と平和秩序の修復、グローバル課題について対話・提案する国際会議
「東京会議」は、国際秩序が不安定化する中で、自由と民主主義、法の支配、ルールに基づく秩序の立ち位置から国際協調と多国間協力を促進するため、2017年に言論NPOが東京で立ち上げたハイレベルな国際会議です。知的論壇や世論形成に強い影響力を持つシンクタンクの代表者が東京に集まり、国際社会が直面するグローバルな課題について、東京から議論を発信し、会議内での主張や意見をG7議長国に提案してきました。

自由と民主主義、法の支配、多国間協力を立ち位置に、10カ国の民主主義国のシンクタンク代表者と共に東京から世界へ議論を発信
2020年からは、ヨーロッパやアジアより、首脳級の政治リーダーが参加し、世界の自由秩序と多国間主義、民主主義を守るため国内外に強いメッセージを発信してきました。過去7回の会議で、シンクタンクの代表者だけではなく、首脳・大臣級の有力者や各分野を代表する専門家が参加しており、その数は約20か国・100名以上となっています。

現在では、「東京会議」は、世界の知的コミュニティの国際会議のひとつとして位置付けられています。老舗国際会議・ミュンヘン安全保障会議をはじめ、ライシナ会議(インド、2016年~)やコペンハーゲン民主主義サミット(2018年~)、マクロン仏大統領のイニシアチブで設立された、パリ平和フォーラム(2018年~)などの新興の国際会議とも連携や協力関係を深めています。独立・民間のシンクタンクが各政府と組み、国際的競争を行う中、「東京会議」は、自由・民主主義、多国間主義、ルールベースの秩序を守り、アップデートさせることを目的に誕生した日本発の国際会議として、世界的にプレゼンスを高めています。


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