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展覧会まとめ

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観た展覧会の記事をまとめていきます
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#日本美術

本阿弥光悦の大宇宙 感想(東京国立博物館)

本阿弥光悦の大宇宙 感想(東京国立博物館)

3月10日まで開催しております。この展覧会は江戸時代初頭に活躍した文化人、本阿弥光悦の業績を総覧できるものです。日本史の教科書に載っている作品もあります。

概要本阿弥光悦とはどのような人間か、いかにして多彩で精力的な創作が可能だったのかを考えるために、本展では①本阿弥家とその周り②法華信仰のふたつの軸を用意し、そのレールによって展覧会は進んでいきます。

序盤は文書から家業の刀剣、日蓮宗との関り

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やまと絵展感想(東京国立博物館)

やまと絵展感想(東京国立博物館)

展示物の国宝や重要文化財率に関していえば、今年最も凄いものでした。以下に書くことはこのブログの内容と重なるところがあるので、目を通してください。読み物としても普通に面白いので。

概要教科書に出てくる作品のオンパレードでした。私は三つに分かれているなかでの最後、後期展示?に行きましたが、カタログだけ見ても凄い作品ばかりです。

その他《源氏物語絵巻》や《伴大納言絵巻》なども前期には出ていたので、全

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長沢芦雪展感想(中之島美術館)

長沢芦雪展感想(中之島美術館)

大阪・中之島美術館で開催中の展覧会で、九州国立博物館にも巡回するものです。大阪では初の回顧展で、高い注目を集めていました。私が見たのは前期日程です。後期も行こうかなと思えるくらいの水準ではありました。

概要18世紀後半の京都で活躍した長沢芦雪はまず、写生画の大家である円山応挙に弟子入りします。展覧会はそこから始まり、芦雪の若い頃の作品と応挙の作品が、類似主題のものが並列されて展示されており、師弟

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聖地・南山城展の感想(奈良国立博物館)

聖地・南山城展の感想(奈良国立博物館)

「なんざんじょう」と呼んでしまったことをお詫び申し上げますが「みなみやましろ」という京都南部の、奈良との境あたりにある地域における仏教文化を見ていこうという展覧会です。

ちなみに南山城という美術史的な概念は2014年に京都国立博物館の「南山城の古寺巡礼」で普及したものとのこと。割と近年ホットなところでしょうか。

国宝、浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念の特別展ということもあり、そこから2体の阿弥陀

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重要文化財の秘密(国立近代美術館)の感想

重要文化財の秘密(国立近代美術館)の感想

前期に行きました。展示されている作品全てが重要文化財であり、日本の近代美術の展開と「正典」を知ることができるとても良い機会でした。

概要何より、ホームページの作品紹介の小ネタが面白いです。バーっとピンクに染まり、それを指で拭うことで文字が出てくる仕組みです。遊び心があります。ぜひ試してみてください。

作品は教科書に載っているような作品ばかりですし、美術初心者の方でも楽しめるもので、とても良かっ

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