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展覧会まとめ

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2023年8月の記事一覧

デイヴィッド・ホックニー展感想(東京都現代美術館)

デイヴィッド・ホックニー展感想(東京都現代美術館)

画業60年越えの、誰もが認める現代絵画の巨匠の展覧会です。現代において絵を描くということはどのようなことなのかを考えるには最高の機会だと思います。絵を描く人や興味がある人はホックニーをあまり知らなくても行く価値があります。

概要1937年生まれで、ロンドンの王立美術学校を出てから、フランシス・ベーコンなど様々な画家の影響の下で絵を出品していきます。第1章は多くの画家から学んで実験している若い絵画

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聖地・南山城展の感想(奈良国立博物館)

聖地・南山城展の感想(奈良国立博物館)

「なんざんじょう」と呼んでしまったことをお詫び申し上げますが「みなみやましろ」という京都南部の、奈良との境あたりにある地域における仏教文化を見ていこうという展覧会です。

ちなみに南山城という美術史的な概念は2014年に京都国立博物館の「南山城の古寺巡礼」で普及したものとのこと。割と近年ホットなところでしょうか。

国宝、浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念の特別展ということもあり、そこから2体の阿弥陀

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テート美術館展・光 感想(国立新美術館)

テート美術館展・光 感想(国立新美術館)

英国のテートのコレクションから「光」をテーマにしたキュレーションが行われています。近代絵画だけでなく現代アートも、しかも近代絵画の部屋にコラボレーションという形で置いてあります。本国の展示もそのようなものだったので、実に今の英国の展示という感じがしました。

概要英国近代絵画といえばターナー、というわけで彼の晩年の作品が並んでいます。ブレイクもありました。精神や宗教的な光と自然光が近代のテーマです

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「吹けば風/枠と波」展感想(豊田市美術館)

「吹けば風/枠と波」展感想(豊田市美術館)

関東圏の展覧会しか話題にならないのもどうなのかという問題提起があり、実際のところ限りなく少ないので夏休み企画的に書いてみます。

吹けば風展

先日豊田市美術館の「吹けば風」展に行きました。初夏に「ねこの細道」で来ましたが今回も、現代作家の企画展です。

川角岳大、澤田華、関川航平、船川翔司の四人の作家それぞれが、この世界から新鮮な発見を引き出そうというおおらかなテーマになっています。とりあえずふ

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