人材エージェントGeeklyが考える「人材業界の教科書」はコレだ!~『採用100年史から読む 人材業界の未来シナリオ』~
みなさん、こんばんは!
パッション本多です\(^o^)/
実は本日ちょうど、弊社のマーケティングチームで読書会を開きました!読書会って、普段は見過ごしてしまいがちな俯瞰的・客観的な視点で物事を捉える機会になって凄くおススメなのですが!笑
今日はこの本です!!! ジャン!!!
人材エージェントのマーケティング部門の視点で本書をご紹介して、今日は皆さんを人材業界の世界へご招待します。笑
※ネタバレ注意です!!! 自分でじっくり読みたい方は、読後にぜひ本投稿をご覧ください!
要約
タイトルを読んでいただくと分かる通り、人材ビジネスの「過去」「現在」「未来」について記した本です!こういう本は物事の本質を見定める上で役立つ本です(本書は「人材業界」の本質が見えますよ。)。2019年11月1日に発刊されたばかりで、出来たてホヤホヤの一冊です!
この本の結論ですが、人材ビジネスの二大顧客である求職者様と企業様が自分達だけで転職・採用することが可能な環境が整ってきているので、これまでの人材業界の二大ビジネスである人材紹介と求人広告の変化が求められる、というものでした!
この主張を裏付ける根拠として、江戸時代から現在に至るまでの人材業の歴史を振り返っていて、現在のパートでは、人材紹介・求人広告という人材業界の二大ビジネスの説明に合わせて、SNS拡散型求人PRサイトであるWantedlyや、ビジネスSNSであるLinkedIn、口コミデータベース会社のOpenWork、アグリゲーション型求人検索エンジンであるIndeed、Googleしごと検索等の最先端事例も取り入れながら説明していることがポイントです!最先端事例も取り入れながら説明していることがポイントです!
★人材ビジネスの歴史ってどうなってるの?
★今の人材ビジネスの主体って何なの?
★これから人材ビジネスってどうなっていくの?
こんな疑問を持っている方は、ぜひ本書を読んでみてくださいね!
速読で3~4時間、じっくり読んで7~8時間といったボリュームですよ~
今回の読書会では、以下3つのテーマで議論を行いましたよ!
※以下3つのテーマについて、「人材ビジネス」という言葉は、特に我々Geeklyのビジネスモデルである「人材紹介」に焦点を絞った意味合いで使っています。
人材ビジネスの本質って何?
ここからは、本日行った人材エージェントGeeklyマーケティング部門の読書会の議論をもとに筆をすすめていきますね!
最初の問いは見出しにある「人材ビジネスの本質って何?」でした!広いですね!!笑 この問いに対する僕たちの答えは以下でした。
★対求職者様
自己実現をサポートすること
★対企業様
事業を推進させること
この事実を体感するために、人材業界の歴史を少し振り返ってみましょう。人材ビジネスの発展を3フェーズに分けました。長いので、要らない人は飛ばしてください!
フェーズ➀
江戸時代から遡ると、当時は基本的には世襲・地縁で仕事が決定していたのですが、世界最大の人口を抱えていた江戸においては、インフラ整備や食料流通によって大量の労働力が必要となり、斡旋業などがおこり始めていたそうです。
フェーズ➁-➀
時代が遡り戦前においては、求人広告が始まり、戦後は求人情報が三行にまとめられた三行広告を経て、1960年に現リクルートホールディングスである「大学新聞広告社」が誕生します。現代の求人広告の原型とも言える、求人広告を1冊の情報誌にまとめて学生に配布モデルを開始します。1988年の「B-ing」発行では大手上場企業も求人広告掲載を開始し、世間も人材業界や転職に関する嫌悪感がなくなってきて、2002年に言わずと知れた『リクナビNext』の誕生です。
フェーズ➁-➁
人材紹介の始まりは1977年の現リクルートキャリアである「株式会社人材情報センター」が発足され、「外資系企業の幹部、技術者」等の「ヘッドハンティング」を原点として、集客費(広告費)を賄うために前課金型としてビジネスが開始します。ただ、前課金型では、採用できなかった利用企業からの不満が高まり、今の人材紹介の料金体系である成功報酬型になります。1999年の人材紹介事業の規制緩和により、これまで悪質ビジネスが横行していた人材紹介業のイメージも晴れてきて、市場規模2500億円の巨大ビジネスへと急成長していきます。
フェーズ③
2010年以降、リクルーティングサービスとして新潮流が生まれます。まずSNSリクルーティングサービスです。外資系企業やWeb系ベンチャーを中心に転職潜在層へのアプローチが可能になります。アグリゲーション型求人検索エンジンであるIndeed、Googleしごと検索は、ネット上のあらゆる求人情報をクローリングし、今ではリクナビNEXTと比べても数十倍の求人数を誇ります。他にも、PRプラットフォームとしてのSNS拡散型求人サイトであるWantedlyは、「給料」「条件」の記載NGで、「PR」に特化しており、
OpenWorkはUGC(口コミ)で構成される信頼のある一次情報で求職者様の求人選びを手助けしています。これらは、求人広告や人材紹介のこれまでの流れを打ち切り、求職者様と企業様が「より安く」「手間なく」転職・採用活動に打ち込める環境を作っています。
だらだらと書いてきましたが、要は、江戸時代の求人の在り方も求人広告、人材紹介の在り方も、現代のリクルーティングサービスの在り方も、すべて求職者様の自己実現(経済的な糧、精神的な充足etc)を手助けし、企業の事業を推進させる人材の流れ(量的、質的な補填etc)を作りだしているんですね!ここが、人材紹介に関わらず、全人材ビジネスの本質と言えるかもしれません。
言い換えると、求職者様は、少しでも自己実現に近づける企業様を探されており、企業様は、事業を推進させられる求職者様を探されているんですね。
人材ビジネスはAIに置き換わるのか?
アジェンダに対する結論ですが「当分の間はNo」となりました!
「採用」「転職」において、「暗黙知」が意思決定に大きくかかわり、これを今のところAIが代替することは難しいから、というのが理由になります!この理由ですが、今のAIが、計測や計算などの情報処理や定型業務を中心に代替される、という前提に立ったものになっています。自然言語処理技術やディープ・ラーニングの技術が深まれば、この前提も崩れてしまうので、「当分の間は」ということですね!
暗黙知については、以下の通りです!
暗黙知
経験的に使っている知識だが簡単に言葉で説明できない知識のこと
(Wikipedia)
「採用」「転職」においては、「暗黙知」が色々あるんです!
採用
VUCAと呼ばれる経営環境、そして今までの経験や知識、人生観・仕事観などが総合されて下される経営の意思決定。これらは抽象度がかなり高く概念としても複雑な部類になりますので、表面的な事象からは読み取りづらい「暗黙知」ですね。
転職
人間の感情や気持ちは、あえて言葉にすれば「朝令暮改」であり、その前提に立つと、ある1つの言葉でも、それを発する背景や前提、声色や表情、間合いなどによって意味合いが変わってきます。この「暗黙知」をしっかりエージェントが理解することで、確固たる信頼関係が築けるものです。この「暗黙知」を理解するには、かなり高度な「情報処理技術」が必要になり、現状のAIだと、まだ担えない領域になるでしょう。
上記をまとめると、「暗黙知」をいかに「表面化」できるかが、AI時代にエージェントに求められる「スキル」になるでしょう。採用の観点では、企業の経営方針、経営戦略に紐づく採用の在り方を把握すること。転職の観点では、求職者様の微妙な機微を見逃さず、信頼関係が醸成されたパートナーになれること、となるでしょう。
人材ビジネスの今後について
今までの議論を基に、今後人材ビジネスはどう変化していくべきなのでしょうか?この話題に対して、結論、いかに「サービスの質を上げられるか」がポイントになると考えました!
上記で確認した通り、これからは求職者様や企業様がより安く手間なく転職・採用に打ち込める環境が整うので、あえてコストと手間を取って人材紹介を活用する理由が小さくなってきます。そんな時代において、人材紹介が選ばれ続けるためには「サービスの質の向上」が大切になるんです。
そこで「サービスの質って何?」となると思いますが、これはこれまでの話に出てきた
★ 求職者様の自己実現、企業様の事業推進を叶えること
★ AIにはできない部分で価値発揮すること
の2つを極めることが、そのままサービスの質の向上に繋がってきます。
具体的に言うと、
★ 求職者様の感情の機微や本心を理解し、信頼関係を築けるパートナーになること
★ 企業様の経営課題に対する潜在的な採用ニーズを引き出せること
の2つを極限まで極めることが、そのままサービスの質の向上に繋がるでしょう。ただ、これは言葉にはできても、実践がとても難しいですね。。だからこそ介在価値が発揮できる分野だということです。
極端な話、
★ 求職者様の職種と年齢などをもとにした、単純な自動求人マッチング
★ 企業様の採用ニーズに合わせるだけの、受動的な採用支援
では、あえて「人材紹介サービス」を利用する理由がないという事です。
感想
人材紹介サービスについては上記の通りなので、最後に読書会についての感想を書いて終了したいと思います!
どの仕事も同じだと思いますが、自分の仕事の対象領域についての俯瞰した目線と課題意識を持って行動することはとても大事なことですよね!
近視眼的な"アリ"の視点で言えば「会社のため」に僕らは働いているのかもしれませんが、俯瞰した"トリ"の視点で言えば「社会のため」に僕らは働いていると僕は考えています。理由は単純明快で、最終的に仕事の価値を享受するのが社会を構成する「人」だからです。
日々の仕事に追われていると、ついつい目の前のことばかりに意識がいってしまいますが、「読書会」「ワーク」などを通して、たまに俯瞰的に物事をとらえる機会を作ってみるのもおススメかもしれませんね!自分たちの仕事が「社会」と繋がっていることがよく分かるからです!
あとこういった機会を通さないと、仕事における未来に向かうワクワクのベクトルは、中々醸成されないですね!日々の仕事が未来に向かうワクワクのベクトルであれば、楽しくないわけがないですね!
そんな想いを共有できるメンバーとできる仕事ができたら、もっと最高ですよね!(^^)!
といった、ちょっと熱々な感想で今日はお終いにしたいと思います!笑
みなさん、明日も熱くいきましょう!!!
パッション本多