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学校


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僕はあの場所が嫌いだ。
特に、教室とか言う箱庭が大嫌いだ。
多くの言葉が行き交う箱庭は、
とても息苦しかった。
誰かが誰かを傷付ける。
誰かが誰かを守る。
誰かが誰かにレッテルを貼る。
毎分、毎秒、誰かに
“価値”が付けられ“位置付け”されていく。
まるで水の中にいるみたいに、
息ができなかった。
苦しくて、苦しくて、。
空気を、
吸う事も吐くことも、。
それすらもできなかったんだ。
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8時前にはあの箱庭には居たのに、
いつの間にか、ギリギリになった。
気付いたら、間に合ってすらいなかった。
まぁ、僕は僕に負けたんだ。
今でもあの扉を開ける時の、
なんとも言えない緊張を忘れることができない。
“今日はどうだろう”
“今日は誰が居て、誰が居ないんだろう”
どんな顔をして入ればいいのかな、って、
毎日が不安だった。
“空気”とかいうものを読まなければ、
僕はあの箱庭には居られない気がしたから。
見えない何かが常に怖かった。
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僕が僕で居られない気がした。
この箱庭の中で、
僕の“価値”と“存在”と“意義”は
どこにあるんだろうって、。。。
「周りに合わせること」
「周りを優先する事」
「周りと仲良くしなさい」
みんなはそれを、
“普通”だとか“当たり前”だとか呼んだ。
僕はそれが、
気持ち悪くてたまらなかった。
同じことをする度に、吐き気がした。
意味のわからないことを押し付けられることが、
嫌だったんだ。
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1番自分勝手なのは。
1番わがままなのは。
紛れもなく僕だったんだ。

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