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短編恋愛小説集「嘘の告白」

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嘘の告白から始まる学園が舞台の短編恋愛小説集。 毎日1話投稿予定。 小説家になろう、カクヨムにて完結済みのため、続きの読みたい方は当該サイトにてご拝読ください。
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短編恋愛小説集「嘘の告白」 あらすじ ラブレター 共通ルートその1

短編恋愛小説集「嘘の告白」 あらすじ ラブレター 共通ルートその1

隣のクラスの女友達、中野未来(なかの・みく)と話していた田島優吾(たじま・ゆうご)が教室に戻ると、机の引き出しにハートのシールで封のされた手紙が入っていた。
ラブレターなど無縁だった彼は、初めての経験に胸を躍らせる。
だが、それは嘘の告白で―――
当然からかわれた彼は悲しみ、憤って、自分を責めて。
これは嘘から始まる恋のお話。

この作品はFC2ブログ、小説家になろう、カクヨムに掲載されています。

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短編恋愛小説集「嘘の告白」 鹿山知恵編 エピローグ

短編恋愛小説集「嘘の告白」 鹿山知恵編 エピローグ

「なんか悪いな」
「怪我は早めに直さないとダメよ。それにアンタ、誰かついてないと寄り道しそうだからね」
「おう、俺より俺に詳しいな」

部活の練習中に捻挫をした俺は、帰りのバスの中で揺られていた。
地獄に仏でもいうのか、部活の顧問は理解があって、理由さえ言えば休ませてくれる。
帰り道が一緒でも、わざわざ鹿山がついてくる必要はない。
だが、怪我をした時に限って訳もなく感傷的になるものだ。
なので、彼

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短編恋愛小説集「嘘の告白」 宮本早紀編 エピローグ

短編恋愛小説集「嘘の告白」 宮本早紀編 エピローグ

早紀ちゃんと恋人になった後日の昼休みにて

鹿山は相も変わらず、仲間同士で群れあっている。
早紀ちゃんが抜けた女子グループの面々は、いつになくブスッとしていた
これから次なる標的を探すのだろうか。
軽蔑を込めた眼差しを向けると、鹿山は負けじと睨み返してきた。
私たちのすることに、一切口を出すな。
そう言い返すかのように。

「どうしたの?」
「何でもないよ」
「綾乃ちゃん、冨山さんと四人でご飯食べ

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短編恋愛小説「嘘の告白」 中野未来編 エピローグ

短編恋愛小説「嘘の告白」 中野未来編 エピローグ

休み時間にて

部活に男友達との交流、それに加えて未来との遊び。
忙しい日々を送っていると、徐々にではあるものの、忌まわしい過去は色褪せていった。
宮本さんと関わることが俺の中での優先順位では、低くなっていったのだ。
未来からすれば、ただ俺と話したいだけかもしれないが、こまめに通話をくれたのが何よりの薬だった。
余計なことを考えずに済んだからだ。
とはいえ、全くあの日の出来事を思い返さないわけでは

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短編恋愛小説集「嘘の告白」  最終話 人の心  鹿山知恵編その5

短編恋愛小説集「嘘の告白」  最終話 人の心  鹿山知恵編その5

あれから数日後。
俺はその間、鹿山にも宮本さんとも、話すことはなかった。
後は彼女たちが解決する問題だ。
当事者ではない無関係な俺が、安易に首を突っ込んでいい問題ではない。
逸る気持ちを抑え自制しながら、俺は悶々とした日々を過ごしていた。
授業が終わった後の、10分の休み時間。
用を足して便所から出ると、待ち構えるかのように鹿山が立っていた。
何事かと視線を向けると、すぐさま視線を下に落とす。

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短編恋愛小説「嘘の告白」 第8話 決心 鹿山知恵編 その4

短編恋愛小説「嘘の告白」 第8話 決心 鹿山知恵編 その4

数日後

鹿山はクラスで一人、浮いていた。
けれど恩を仇で返す人間に、いつまでも親切にするお人好しなど、そうはいない。
ただ一人の味方であった宮本さんも、いつからか話しかけなくなっていった。
だがしかし敢えて一人を望むかの如く、あいつは振舞っている。
誰も信じず、誰の力も借りようとしない一匹狼のように。
別にそのような生き様に、後ろ指を指すつもりはない。
心ない暴言や偏見、悪意に晒されて、自分だけ

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短編恋愛小説集「嘘の告白」 第7話  少女の涙  鹿山知恵編その3

短編恋愛小説集「嘘の告白」 第7話  少女の涙  鹿山知恵編その3

一週間後

人の感情というのは、とかく熱しやすく冷めやすい。
俺と鹿山の嘘で塗り固められた恋人関係に、興味を示す人間は少なくなっていた。
公一やその他数名は、未だに感心を持ってくれている。
しかし話すことは買った漫画や最新作のゲームの話題が多く、たまに仲を聞いてくるくらいにまで、頻度は減っていった。
だが、俺のやったことは骨折り損にはならなかった。
鹿山は取り巻きの女子から、反撃を受けるようになっ

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短編恋愛小説集「嘘の告白」 第6話 嘘の告白  鹿山知恵編その2

短編恋愛小説集「嘘の告白」 第6話 嘘の告白  鹿山知恵編その2

次の日にて

鹿山は相も変わらず、澄ました表情で登校していた。
それとは対照的に、宮本さんは俯いたままで、見ているこっちまで辛くなってくる。
その様子を目の当たりにした俺は、決意を更に固めた。
すぐに冷静ではいられないようにしてやる。
とはいえ計画を実行するには、ある程度の下準備が必要だ。
昼休みを迎えて仲のいい知人と共に弁当を頬張っている最中、俺は全身の気力を抜いて頬を緩めた。
そうしていると果

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短編恋愛小説集「嘘の告白」 第5話 悪意には悪意を  鹿山知恵編その1

短編恋愛小説集「嘘の告白」 第5話 悪意には悪意を  鹿山知恵編その1

翌日、俺は鹿山を屋上に呼び出した。
宮本さんに訊ねる選択肢もなくはなかったが、疎遠になっていったせいで、それは難しい。
だからこそ、当人に訊ねるのが手っ取り早いと考えた。
しかし、あいつのことだ。
延々と、しらばっくれてもおかしくない。
それでも直接聞きださねば、腹の虫が収まりそうになかった。
心の奥底で燻っていた憤りや憎しみ、その全てをぶつけないことには。

「こんなところに呼び出して何のつもり

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短編恋愛小説集「噓の告白」 最終話 嘘から真実(まこと)へ 宮本早紀編その5

短編恋愛小説集「噓の告白」 最終話 嘘から真実(まこと)へ 宮本早紀編その5

あれから数週間後。
再び学校に通えるようになった宮本さんは、徐々に変わっていった。
陰気だった過去を全く感じさせないほど、彼女は明るくなっていって、すっかりクラスのみんなと打ち解けた。
性格が変われば運命が変わるとはよくいったものだ。
俺たちの関係性が変化していくのに、そう時間はかからなかった。
以前よりも喋る機会がなくなっていき、ここ数日は会話もしていない。
普通なら友達として、成長を喜ぶなりし

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短編恋愛小説集「噓の告白」 第8話 ずっと一緒に  宮本早紀編その4

短編恋愛小説集「噓の告白」 第8話 ずっと一緒に  宮本早紀編その4

宮本さんが登校拒否をしてから、早一週間が経過しようとしていた。
土日の休みを挟んで、実際に家に通ったのは五日ほどだ。
だけど休日でも宮本さんがどうしているか気になってしまって、勉強にも身が入らない。
そのせいか、それ以上に長い月日が過ぎたように思えた。
数日の間に心変わりしてくれるのを、内心期待していたが結果は芳しくない。
彼女からのメールは、嘘の告白をされた翌日から途絶えたままだ。
じっとしてい

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短編恋愛小説集「噓の告白」 第7話 一筋の光 宮本早紀編その3

短編恋愛小説集「噓の告白」 第7話 一筋の光 宮本早紀編その3

休み時間と昼休みを使って、俺は片っ端から、クラスの女子生徒に声を掛けていた。
といっても、決して女漁りをしていたのではない。
宮本さんの住所を知っている子がいないか、確認して回っていたのだ。
俺は馬鹿だから、自分から働きかけるくらいしか方法を知らなかった。
そうこうしていると努力の甲斐あってか、彼女の自宅に訪れたことがある女子の名を教えてもらえた。
縁の大きい眼鏡を掛けた冨山さん。
極度の近眼なの

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短編恋愛小説集「嘘の告白」 第6話 伝えたい思い 宮本早紀編その2

短編恋愛小説集「嘘の告白」 第6話 伝えたい思い 宮本早紀編その2

翌日、宮本さんは学校に登校してこなかった。
原因がはっきりしているから、それ自体に俺は驚きはない。
それよりも、鹿山が彼女を気にもしていないことに、無性に腹が立った。
あいつさえいなければ、今でも彼女と俺の隣に座っていたのに。
彼女に好き放題しておいて、何故こいつはのうのうとやってきているのか。
理不尽な現実を目の前にした俺の怒りは、頂点に達していた。
鹿山へのドス黒い感情が、今にも溢れだしそうだ

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短編恋愛小説集「嘘の告白」 第5話 切り裂かれた友情  宮本早紀編その1

短編恋愛小説集「嘘の告白」 第5話 切り裂かれた友情  宮本早紀編その1

翌日

未来や公一、佐久間さんから元気を貰った俺は一晩悩んだ末、宮本さんとの問題を解決することにした。
なあなあにしていては、これから同じ教室で生活していくのは息苦しい。
軋轢を残したままでは、彼女と今までのように話せない。
だが一番の問題は、どうすればいいのかさえ手探り状態なことだ。
重い足取りで教室に向かうと、肝心の彼女は読書をしている。
ガヤガヤと騒がしい教室内で、彼女一人だけ浮いていて、何

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