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がん治療記x受験奮闘記

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コロナ禍でのがん治療をしながら地方国立大学薬学部に現役合格した大学生の書くがん闘病記x受験奮闘記 がん治療の中で経験した症状や精神疾患についてや 共通テスト元年の大学受験について…
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#化学

【がん治療記x受験奮闘記】理系トーク~白金~

【がん治療記x受験奮闘記】理系トーク~白金~

 治療が始まる前、使うと言われた抗がん剤をインターネットで検索してみた。エトポシドに関しては環構造が多くかなり複雑な構造だったため深くは調べなかった。一方で、カルボプラチンの方は簡単な構造だった。そしてその構造を見て驚いた。2価の白金(プラチナ、Pt)が使われていた。よく考えれば名前にプラチンとは言っている時点でPtが使われていることを想像できたはずだが、僕はそうできなかったため少し悔しかった。カ

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【がん治療記x受験奮闘記】マグミット錠

 手術から3日後、便秘により腹部が膨れ苦しくなるようになった。圧迫感があり痛みと嘔気に襲われた。それを看護師に伝えると張っているが腸は動いていると言われた。そこで医師から下剤としてマグミット錠を処方された。この薬の名前を聞いたときマグネシウム(Mg)がすぐに思い浮かんだ。酸化マグネシウム(MgO)は塩基性酸化物であるため、胃の中で塩酸(HCl)を中和する薬として用いられると東進の化学の授業で教わっ

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【がん治療記x受験奮闘記】理系トーク~チタン~

 手術の説明で頭蓋骨をチタンプレートで再固定すると伝えられた。ここで理系の血が騒ぐ。チタン(Ti)といえば腐食されにくい金属の代表格、その酸化物が光触媒として利用されていることも有名である。原子番号22番という比較的軽い金属であるにも関わらず第6周期の貴金属、金(Au)や銀(Ag)と同等の耐食性を持つ。なぜならチタンは緻密な酸化被膜を形成し不動態となるためである。不動態を形成する金属として大学受験

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