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都会のキャンパスで野菜を育てる方法

座・ガモールファームへようこそ!

前回は私たちの活動についてのざっくりとした紹介をしました(記事はこちら↓)が、その全容についてはまだつかめていないことでしょう。そもそも都会の大学でどうやって野菜育てているのか…。

今回の記事では私たちの農園活動について詳しく紹介していきたいと思います!



場所がなければ作ればいい

私たちが活動拠点としている大正大学は東京都豊島区にあります。池袋がある所、と言えばわかりやすいでしょうか。要は都会のど真ん中にある大学ということです。

キャンパスはこんな感じ

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ビルですねー。都会でキャンパスライフを送るには完璧ですが、農とは無縁の世界です。耕せる場所など当然ありません。

しかし、よくよくキャンパスを観察するとなんだかもったいないなあと思うような場所が見つかるものです。私たちはそこに注目しました。

例えばこんな所

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ここは建物の裏にある通路です。学生が通ることはまず無く、ごみ置き場と化していました。

この場所をお借りしてしばらくすると…

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立派な菜園になりました!写真の時にはじゃがいも、トマト、朝顔を育てています。近くの水道にビニールパイプ型の自動灌水装置を設置することで水やりもばっちり。

また、右のところをよく見ると、あれはプランターではなく土嚢袋なのです。災害時にはそのまま使うことができるというわけです。


もっと探してみるとこんな場所がありました。

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ここはビルの中にあるテラスなのですが、広いわりにはあまり活用されていませんでした。

この場所もお借りして…

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ここにもプランターや土嚢袋を置くだけでたくさんの野菜が育てられるようになりました。ここではさつまいもや里芋、玉ねぎ、唐辛子などを育てています。

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また、柵の外は芝生が生えているだけでしたが、ソバや麦、山菜類なんかを育てています。芝生の土の深さは5センチしかないのですが、案外育つものです。

他にも、弓道場の跡地を無理やり開墾して畑にしたり、研究室のベランダにネットを張ってきゅうりを育ててみたり…。

何もないような場所でも、アイデア次第でどこでも農園になりえるのです。


土が無くても大丈夫

スペースはあるけど土がない、プランターも置きづらい…。そんな時におすすめなのが水耕栽培です。

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このように建物のわずかなスペースに設置するだけで簡単に栽培が可能です。でも畑ほどは育たないんじゃない?と思う方もいるかもしれませんが…

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こんな立派な野菜ができちゃいます!私たちは「ハイポニカ」という水耕栽培キットを使っていますが、驚くほど育ちます。

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ゴーヤとヘチマがすごいことになっていますね!

他にはこんなやり方も…

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水槽の上に野菜!?こちらについてはまた別の記事で紹介します!


育てた野菜はどうするの?

たくさん野菜を育てたはいいが、それをどのように活用しているのでしょうか?

方法は主に4つあります。

1. 自分たちで食べる!
これがなければ農園活動のモチベーションは上がりませんよね。採れたての野菜を食べると普段の生活では気づかないような発見がたくさんあります。

2. 地元のアンテナショップで販売する!
大正大学では大学が連携する地域自治体の特産を扱うアンテナショップ「座・ガモール」を運営しています。様々な地域の野菜が並ぶ中、「豊島区大正大学産野菜」として販売中です。新鮮さならばどの野菜にも負けないでしょう!

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お店についての情報はこちらから。座・ガモールファームの野菜以外にも様々な地域の商品が盛りだくさんなのでぜひ立ち寄ってみてください!!

3. 学生食堂のメニューに!
大正大学には「鴨台食堂」という学生食堂があります。と言っても、本格フレンチが味わえる日本で最も贅沢な学生食堂です!こちらでも私たちの野菜は使われています。これまでにじゃがいも、里芋、サツマイモなどを使っていただきました。

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食堂は一般開放されていて、巣鴨のマダムにとって隠れた人気スポットのようです。

4. 大学行事の出し物に!
大正大学では毎年学園祭と盆踊りという2大行事が行われています。そこに私たちは出店者として参加しています。
その時の様子がこちらです。

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どちらもかなりの盛況ぶりで、販売が間に合わなくなるほどでした💦
行事に積極的に参加することで、多くの学生に活動を知ってもらう機会を作っています。


都会の大学で野菜を育てる意味

田舎の大学や大きな大学ならわかるけど、都会のしかも小さな大学でなぜ野菜を育てるのか。

ここまで読んでくれた方はお分かりの通り、せまいキャンパスの中には意外と空いている場所があったりします。これらは「デッドスペース」と呼ばれるもので、ビルの屋上などが有名です。

先ほど紹介したテラスのように芝生を植えて緑化に取り組んでも、結果放置されてしまったりすることってありますよね。それを見て都会の耕作放棄地なんて言ったりもしますが、それだけではなく多くのデッドスペースは農地となる可能性を秘めています。

このような農の取り組みは「都市型農業」と呼ばれ、様々な観点から注目を集めています。食の供給は言わずもがなですが、例えば災害時の資材供給や避難場所の役割を果たす「防災」という点です。土嚢袋の例などが当てはまりますね。

また、特に日本において深刻となっている農業への理解に貢献するとも言われています。単に農業について知るというだけではなく、農の営みを通したコミュニティの形成という点も大きいと考えられます。都会では人とのコミュニケーションが希薄になりやすいことから特に重要です。

大学の中に都市型農業のモデルがあるということは、教育的観点からもとても重要だと考えられます。座・ガモールファームの活動を通して多くの人が農業への関心を持ったり、地域交流のきっかけにつながると嬉しいなと思いますが…

何よりもまず、純粋に面白いことやってるなと興味を持ってもらうことが一番です。そこをきっかけに様々な方向へ良い影響を与えていけたらと思っています。


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