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2019年3月の記事一覧
蒲田健の収録後記:原田まりるさん
映ゆい
原田まりるさんの最新刊「ぴぷる」
舞台は今から17年後の西暦2036年。テクノロジーは長足の進歩を遂げ、人型汎用AIが一般的なものになっている世界として設定されている。同じ時間幅を過去に振って17年前には例えばワンタッチで買い物を済ますことのできるスマートフォンなんてものはまだ存在すらしていなかったことを思えば、十分リアリティがある設定だろう。
人型汎用AIに性交渉機能が搭載され結婚
蒲田健の収録後記:真藤順丈さん
あきさみよう!
真藤順丈さんの最新刊「宝島」
戦後沖縄に実在した「戦果アギヤー」。アメリカの占領統治の状況下で、アメリカ軍の基地に忍び込み物資を奪ってくる“戦果を挙げる者”たち。文字通り命がけの行動で生活必需品を調達し、同時にレジスタンスの象徴的存在ともなる。
戦果アギヤーのリーダー、そして彼の親友・実弟・恋人が織りなす骨太な青春物語。要所要所が史実に基づいているので、断片的になりがちな戦後
蒲田健の収録後記:藤井太洋さん
想像の上限値で描く
藤井太洋さんの最新刊「東京の子」
舞台は2023年の東京。オリンピック・パラリンピックの数年後。
人々の働き方は、賃金は、格差はどうなっているのか。そしてそれを基盤とした社会はどのような様相になっているのか。
悪い予想を立てるのはある意味簡単だ。現在進行形の諸問題を放置、もしくは悪化させておけばお手軽なディストピア一丁上がり。
その意味で、明るい未来を想像することは体
蒲田健の収録後記:ドリアン助川さん
個に向けて発信する
ドリアン助川さんの最新刊「新宿の猫」
世間とは、普通とは、ということを深く考えさせられる今作。
社会にすんなりと適合できない若い男女が新宿ゴールデン街で出会い、もがきながらも互いに気づきを与え一歩ずつ進もうとする。世間からズレているということで悩み苦しむ二人の依って立つべき場所は、様々な関係性を通して少しずつ明確化してくる。
ある先天的理由で希望する業界の就職試験を受け
蒲田健の収録後記:辻村深月さん
友達だからさ
辻村深月さんの最新刊「小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記」
生粋のドラえもんラヴァーである辻村さんに映画版の脚本依頼がきたのは数年前。その時は畏怖の念が強すぎるあまり一度お断りしたという。しかし毎年当たり前のように公開されるドラえもん作品の制作者サイドと知己となり彼らのプロフェッショナリズムにふれていくにつれ、これは愛を持ったプロたちが真剣に思いをつないできたバトンリレーで