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エッセイ

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#ファッション

閉館。そして一つの思い出のピリオド

閉館。そして一つの思い出のピリオド

ここ北の街で、長いあいだ営業を続けていた商業施設が閉館した。

老朽化のためだという。

もちろんそれだけに止まらぬ、様々な理由があるのだろう。

いずれにしても、一つの時代が幕を閉じた。
時代というと大袈裟な気もする。
一つの思い出が終わった、といったところか。

若かりし頃、この施設には大変お世話になった。
買い物客としてお世話になったといった事ではなく、商売上で大変お世話になったのだ。

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おじいちゃん、只者ではないですね

おじいちゃん、只者ではないですね

通勤途中のJR。

今、目の前のおじいちゃん、只者ではない気がする。

こう言っては失礼だが、顔立ちはなかなか地味である。どこかほのぼのとした印象は、田舎の好々爺といった感じか。少し目立ちはじめた無精髭も、お洒落でたくわえているようにはあまり見えない。二、三日、髭をあたるのが面倒だった、そんな感じだ。

しかし、その頭に乗っているのは、『パタゴニア』のキャップ。パキッとした黒からして、真新しいこと

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ドンドンの先

ドンドンの先

『ダッドスニーカー』ってご存知ですか。

名前の由来は、お父さんが休日に履いていそうなちょっとダサいスニーカー。そんなイメージからそう呼ばれるようになったらしい。
お父さんの一人としては、多少ツッコミたくもなるけれど。
まあ名前の由来は、脇に置いておくことにします。

幅広で、少し厚めの底が特徴的なそのスニーカー。
代表的なものといえば『バレンシアガ・トリプルs』お値段10万円越え。それでも若者に

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さまよえるセール

さまよえるセール

ちょっと業界の話。

セールもそろそろ手仕舞いの頃合いだ。
店頭では、どこもかしこも「Max70%OFF」の文字が踊る。
皆さんは、「おっ安い!」と無条件で飛びつくだろうか…

実は、セールは年々、売れなくなって来ているのです。そりゃまあ、年中そこかしこで「〇〇セール」。ネットを開けば、いつだって安さを売りにしたショップが目白押し。
顧客に向けたプレセール。業界ではクローズセールと言ったりするけど

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トレンドなんて

まもなく夏が終わり、そして秋を迎える。

そう季節は移り変わる。

そして、季節の移り変わりと共に、人々の装いも変わって行く。

そこには、そのシーズン毎の流行り廃り、所謂トレンドがある… 筈だった。以前までは。

今では、昔のようにこぞってそれを買い求めるようなトレンドはとんと見当たらない。
むしろ、これがトレンドですと言われても「それじゃあ、買わなきゃ」と思う人も少ないんじゃないだろうか。

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