見出し画像

ドンドンの先

『ダッドスニーカー』ってご存知ですか。

名前の由来は、お父さんが休日に履いていそうなちょっとダサいスニーカー。そんなイメージからそう呼ばれるようになったらしい。
お父さんの一人としては、多少ツッコミたくもなるけれど。
まあ名前の由来は、脇に置いておくことにします。

幅広で、少し厚めの底が特徴的なそのスニーカー。
代表的なものといえば『バレンシアガ・トリプルs』お値段10万円越え。それでも若者には大人気。各ブランドも、こぞって新しいモデルを出して来ている。
因みに、今一部の若者の間では、ハイブランド志向が徐々に高まって来ている。こんな時代にあって、その戦略にはただただ恐れ入る。

このダッドスニーカー。話題に上がり始めた頃の印象は「まあ分かるけど、どこまで広がりを見せるかな〜」といったところ。
それが今では、シューズのメインストリームを張るアイテムとなりつつある。
若者の流行りは、ダッドなおれにはもうよく分からん。今に始まったことではないけれど。

兎に角、底は厚く厚くが熱いらいし。

だからといって、いきなり20センチになるようなことはない。
それでも、過去様々な流行りの行く末を見てみると、人間はドンドン止まらなくなって行くものだ。少しでも厚く、少しでも広く、そして少しでも長く短く。
つくる方もそのニーズに応えるようある意味過激になって行く。
ただ、つくる側としてはあくまで、たくさん売れるモノをつくりたい訳で。
「どこそこが何センチ底のスニーカーを出して売れたらしい。じゃあウチは、それより1センチ厚いモデルをつくったらもっと売れるのでは⁉︎」そんな感じの手探り状態。
そうやって競いあい、ドンドン厚くなって行く。
そしてその高さがついに臨界点を越えた時、最後にババを摑まされたメーカーは、どんなに安くしても絶対売れないそんな在庫の山を、呆然と眺めることになるのだ。
「あぁ、ギリギリの厚さとタイミング、神はなぜ教えてくれなかったのか」と。

この「どこまでなら売れる」「いつまでなら売れる」という難問は、これから先、AIに託せばなんとかなるという。ビックデータがその答えを知っているらしい…

自分のことで言うなら、「分からないものには手を出さないに限る」だ。
良くも悪くもホドホドが性に合っている。

だから儲けられないのだな〜

#エッセイ #コラム #スニーカー #ファッション #トレンド


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?