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北乃利人
2021年9月24日 21:48
この時期おれは、ちょっとしたセンチメンタルなジャーニーを密かに楽しんだりしている。それというのも、お手軽な方法があるのだ。センチメンタルジャーニーといっても、なにも雨の中を駆け出すような恋に破れたわけではない。そう、ジャーニーといっても、つかの間のセンチメンタルタイムのことをそう呼んでいるのだ。いや、タイムって何のことだ。それは、ふとした瞬間の胸を締めつける甘酸っぱい一瞬のことだ。
2021年7月5日 22:06
電車待ちのホーム。今日は、晴天なれど思いのほか風が強い。着ているシャツが、パタパタとはためく。バタバタといってもいいくらいだ。電車到着までは、まだ時間があるようだ。そこでおれは、目をつむり思考を飛ばしてみる。目の前に広がるのは、広大な海だ。ここは日本海か。海風が容赦なくおれを洗う。あいにくの曇空。じきに一雨くるだろう。人影も無く、猫の子一匹見当たらない。ただただ、白浪
2021年6月17日 22:04
レモンスカッシュ…なんとも甘酸っぱい単語だ。レモンスカッシュおれにとってのレモンスカッシュは、初夏の季語だ。まあ、同じく夏のイメージを抱く方が多かろう。しかし、おれにとっては「初夏」なのだ。真夏の太陽ギラ!ではない。あくまでも初夏。お気に入りのTシャツをやっと着れるようになる季節。タバコをぷかりとふかし、隙だらけの構えで、入り浸っていた喫茶店でまったりする。耳元で流れる曲