未来出版研究会

我々は出版の未来について考える会です。書店主、編集者、印刷会社の営業から、民族学者、経…

未来出版研究会

我々は出版の未来について考える会です。書店主、編集者、印刷会社の営業から、民族学者、経営者まで出版業界の垣根を越えて人が集い、毎月活動しています。一緒に語り合い、読書の魅力などを発信してきませんか? コンタクト:future.publishparty@gmail.com

マガジン

  • 未来出版研究会が考える『これからの世の中』

  • 未来出版研究会が考える『書店連盟』

  • 未来出版研究会が考える『50年後の書店』

    書店数が最盛期から半減し、業界規模も年々縮小していく出版業界。書店はどのようなに変化していくのか。また、変化していくべきなのか。未来出版研究会で考えました。

  • 彼氏/彼女ができる本

  • ブックペアリング

最近の記事

良書を見極める“勘”

未来出版研究会事務局長のKです。 良書を見極める勘について、興味深い言葉を見つけました。  私は数えで六十四歳だが、七歳のときに四書-『大学』『中庸』『論語』『孟子』の素読を始めてから、もう五十七年も本を読んでいるわけだ。  そうすると思想的な書物、精神的な書物は、手に取って見ると、この本はいいとか、この本はだめだということを直覚する。  読んでみてから、いい本だなと思うようでは、そもそも話にならない。  勘が鈍い。 安岡正篤・著『安岡正篤一日一言』(致知出版社、200

    • 『クレヨンしんちゃん』に見る書店復興のヒント

      未来出版研究会事務局長のKです。 アニメの話で恐縮ですが、先日ケーブルテレビのチャンネルを回していたら、クレヨンしんちゃん『本屋さんをお助けするゾ』というタイトルが見え、観てみました。 舞台は埼玉県・春日部市。春日部駅前にある「シタヤ書店」が、コーヒーを飲みながら未購入の本を読めるブックカフェのサービスを始めたことで、商店街の本屋「かすかべ書店」にお客さんが来なくなってしまった、という設定でした。(アニメながら、リアルな設定です) 本屋で立ち読みをしていたしんちゃん。お

      • 2021年からの未来出版研究会のビジョン

        2021年、未来出版研究会は以下のビジョンを掲げて活動していきます。 私たちの活動には、多くの同志が必要です。 出版業界の関係者の皆様、本を愛している人、街の書店を守りたい方、どなたでもご参加いただける開かれた会をめざしておりますので、ぜひお力添えいただければ幸いです。 ご連絡お待ちしております。 未来出版研究会 事務局長 K ▼未来出版研究会が掲げるビジョン(SDGsとともに) 本が人をつくり、人が社会を築く――。 未来出版研究会は、現代人の精神文化向上に資する本の

        • 本年もありがとうございました

          皆さん、こんにちは。 未来出版研究会事務局長のKです。 今年も残すところあと僅かとなりました。 皆様にとって、本年はどんな一年だったでしょうか。 今年はなんと言っても、新型コロナウイルスに大きな影響を受けた一年でした。 未曾有のウイルスに、国中が変化を強いられたのではないでしょうか。 出版業界を見れば、巣ごもり需要でわずかながら売り上げが伸びたというニュースも出ていましたが、それはコミックや児童書、自己啓発書などです。我々が発足以来訴えてきた、精神を耕し、人格の形成に影響

        良書を見極める“勘”

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        記事

          フォーローのお願い

          昨日は定例の会議でした。 さらなる進化の道が見えてきました。自然(じねん)の声は、私たちの社会に進化変容を求めていますが、保守的で既得権益を持つ人たちは、なかなかその変化を認めようとしません。変わるにはパワーが入りますから、多くの方が「おかしい」と思いながらもじわじわと自身も保守の色に染まってしまう傾向が近頃流れとしているのではないかと思います。 そのような空気の中、出版界の「おかしい」は時代を追ってますますおかしくなっていることは、関係者の間では周知の事実ではないでしょ

          フォーローのお願い

          雑誌について

          コンビニの雑誌の返品率は8割に達していると聞いたことがあります。夕方になるとスーツを着たサラリーマンたちがコンビニで立ち読みしている姿をよく見かけます。コンビニの雑誌の陳列棚は窓側に置かれていますが、それはコンビニが始まった当初から、外から眺めた時、お客さんがたくさん入っているように見せるためです。その目的もいまや機能していないし、このコロナ渦になか感染防止を理由に立ち読みを禁じているコンビニがほとんどになりました。 雑誌に関しては、広告料が入るということで、出版社さんに取

          雑誌について

          ブーム本に頼る出版界?

          「鬼滅の刃」のブームで出版界は大騒ぎでしょう。 このブームによって、潤ったのは当出版社とその関係者、そして問屋さんです。 ブーム本は、大手書店を優先的に卸しますので中小書店には配本されません。100冊予約を一生懸命取ってとしてもです。中小書店に入荷するのは、決まってブームが終わりかけてからなのです。これでは一般書店が生き残ることは出来ないのは当然の仕組みと言っていいでしょう。 「読書のすすめ」では、こういった経験を何度もしてので、ブーム本には頼らなうやり方をしてまいりま

          ブーム本に頼る出版界?

          本が6掛け?

          木楽舎という出版社があります。 こちらの出版社さんが冊数にもよると思いますが、6掛けから6.5掛けで本を卸してくださいました。もちろん返本なしの直取り引きです。普通の掛け率から言えば、約倍の利益になります。これからの本屋さんのやり方として、薄利多売の発想からイノベーションし、経営していくことが何よりの方法であることは明らかです。 北海道にHSという出版社さんがあります。 こちらの出版社さんも私どもの思想に共感してくださり、冊数にもよりますが、近々5掛けで卸してくれる本を

          「本を売る読者」の視点

          30数年勤務した出版社を辞めてから、そろそろ1年半。   いろいろな巡り合わせがあって、今では東京都北区にある自宅の一部を「しかのいえ」の名で開放し、スペースレンタルや、様々なイベント、ストレッチサロン、色えんぴつ画教室、リコーダー教室、出版関係のサポート業務などをしている。 この7月からは、自宅の一室を別途新たに開放して、本とお茶を売る小さなスペースも設けた。    住み開き本屋「しかのいえ本の茶屋」だ。 「住み開き」とは、この言葉を発明したアサダワタル氏によればプライ

          有料
          500

          「本を売る読者」の視点

          再生

          本を売る暮らしの始め方・続け方

          文化としての本の売り方が変わってきています。その実践と思い、ぜひご覧ください。そしてご賛同いただける方は私たちと一緒にやっていきましょう!

          本を売る暮らしの始め方・続け方

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          ブックロス?

          出版界には「返本」という仕組みがあります。 売れ残ったら「返品」できるのです。その代わり、粗利(儲け)は定価の二割です。かつての薄利多売の時代はそれで何の問題もなかったのですが、昨今の出版業界は「多売」ではなくなっています。ごくたまに「鬼滅の刃」のような多売はありますが、それは本当にごくまれなことであり、このような現象を口を開けて待つばかりの状態が続いて、またまれな現象に頼るしかないのが現状です。故に街から本屋さんがなくなっていくのは当然の結果であると言っていいでしょう。

          ブックロス?

          見えた!

          昨晩は月に一度の会議でした。50年後の文化としての出版のあり方について方向がはっきりと見えてきたように思います。まずは、返本という制度を無くす事。そして、粗利を今の倍にすること。本屋さんが儲かる商売に変わっていくこと。 これらの道しかまともに出版業界が生き残る手はないと確信しています。新しいことに挑戦することは先が見えない故、怖さが先立ちますが、このイノベーションをなんとしても成さなければ、日本の文化は壊滅ですし、それに伴って国家力の低下も招くことになるでしょう。大袈裟な話

          本日、19時から書店『読書のすすめ』さん(最寄りは東京・篠崎駅)の店頭をお借りし、未来出版研究会を開催いたします。 ご興味のある方は、future.publishparty@gmail.comまでご連絡ください。一緒に出版業界の未来について語り合いましょう

          本日、19時から書店『読書のすすめ』さん(最寄りは東京・篠崎駅)の店頭をお借りし、未来出版研究会を開催いたします。 ご興味のある方は、future.publishparty@gmail.comまでご連絡ください。一緒に出版業界の未来について語り合いましょう

          同志募る。業界紙「新文化」さんに取材されました。

          皆さん、こんにちは。 未来出版研究会事務局長のKです。 このたび、未来出版研究会が、出版界唯一の専門紙である「新文化」さんに取材されました。 50年後の出版業界のあり方を考えている我々ですが、まずは、いままさに厳しい経営難に直面しながらも、本を読者に届けようと奮闘されている書店のお力になれないかと考え、メッセージを発信しています。 見出しにあるように、賛同してくださる書店さん、出版社の皆さん、ぜひご連絡ください。 詳しくは、新文化さんにお許しをいただきましたので、以下

          同志募る。業界紙「新文化」さんに取材されました。

          【未来出版研究会を開催します(6/18)】 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催を延期していた未来出版研究会ですが、今週木曜日(6/18)より再開します。今後も(原則)毎月第三木曜日19:30から開催です。場所は東京・篠崎駅近く。詳しい場所は、希望者にメールでお伝えします。

          【未来出版研究会を開催します(6/18)】 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催を延期していた未来出版研究会ですが、今週木曜日(6/18)より再開します。今後も(原則)毎月第三木曜日19:30から開催です。場所は東京・篠崎駅近く。詳しい場所は、希望者にメールでお伝えします。

          『志村流』志村けん/三笠書房(王様文庫)

          新型コロナウイルスによって命を落とされた志村けんさんの著書です。 20代後半の私はドリフ世代ではないのですが、子供の頃からケーブルテレビで「ドリフ大爆笑」の再放送をよく見ていたので、志村さんのことが大好きでした。多くの方々と同じく、今回の訃報に接し、大変胸が痛みました。 訃報後、テレビでは各局が志村さんの追悼番組を放送し、ドリフの付き人だった志村さんが、日本中に名を馳せるようになり、長きにわたって芸能界で愛されてきた様子が紹介されていました。靴も買えないほどの貧乏を味わった

          『志村流』志村けん/三笠書房(王様文庫)