ふつうのひと@理学療法士_JSPO‐AT

理学療法士として整形外科病院に勤める傍ら、スポーツトレーナーとしてアスリートの健康管理…

ふつうのひと@理学療法士_JSPO‐AT

理学療法士として整形外科病院に勤める傍ら、スポーツトレーナーとしてアスリートの健康管理に携わっています 述べ3000名以上の患者さんや選手の身体と人生に触れ、蓄積してきた経験と知識、これまで読んできた500冊以上の本から得た知見を基に、「普通=普遍的に通づる」生き方を日々思考中

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40歳、そろそろ悟ろうか。

はじめまして、「ふつうびと@PT」として本日よりnoteデビューしました。 いきなりですが、昨年、40歳になりました。 いつものように1段飛ばしで職場の階段を昇っていたとき、早まる胸の動悸を感じながら、ふと感じた微かな不安。 「私はいつまでこうやってこの階段を昇ることができるのだろうか?」 「10年後、20年後も同じようにこの階段を昇り続けているのだろうか?」 「昇り続けられる人生が幸せか?、昇るか、降りるか決められる人生が幸せか?」 23歳、理学療法士を自分の職

    • 量子科学がもたらす世界 ~ 死は存在しない 最先端量子化学が示す新たな仮説を読んで ~

      「死は存在しない」 なかなかインパクトのあるタイトルであるが、著者である田坂広志氏は立派な科学者である。 「死」という生物にとって必然な帰結。 その存在は哲学にとっても科学にとっても未だ深淵なテーマの1つであり、どんなに科学が発展しようとも仮説の域は絶対に出ないものでもある。 科学者にとって「死」は無であり、生物としての終焉を迎えるだけのことである。 魂の存在証明もない。 しかしながら、世の中には科学では証明しきれない不思議なこともたくさんある。 まるで「生まれ変

      • 匂いのない世界。

        今更ながらコロナに感染して、1週間仕事を休むことになった。 先生の話では最近また流行っているらしい。 私としてははじめての「コロナウイルス感染」である。 この感染期間中、私の身体の中ではいろいろなことが起こっていた。 そのすべてを考察するには私の持っている知識だけでは足りないけど、中には面白い体験もあった。 そのいくつかを忘れないうちに書いておこうと思う。 まず私を苦しめたのは熱であったが、39℃以上の熱と関節痛、頭痛により私はまったく動けなくなった。 熱と痛みは「身

        • お互い様が成り立たない世を生きる。

          先日のこと、ニュースで「お子持ち様」という言葉を目にする。 子どもを持つ職場のスタッフが子どもの急病やイベントで休むことに対し、残されたスタッフの仕事が増えたりすることや、子持ちのみが優遇される制度などその不公平感からSNSで誕生した言葉らしい。 ウチも急なスタッフの休みに対してはスタッフの急な休みのお詫びと予約変更の電話をかけることが必要となり、また入院患者の対応を他のスタッフが行うため、その負担は大きい。 たしかにお互いさまなのではあるが、こうした「予定外の急な休み

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        40歳、そろそろ悟ろうか。

          旅の記憶 ~ GRⅢで撮る現代アートの聖地青森 ② ~

          前回の続き。 2日目。 昨日飲み屋に向かって歩いている途中に見つけた老舗の喫茶店。残念ながら夜はしまっていたが朝7時からやっているとのことで、朝食は青森名物のっけ丼をやめて、こちらの喫茶店に行くことにした。 そのときのフィーリングで予定を変えることができるのも身軽な旅の魅力である。 店内には数組の常連さんらしき人たちがいたが、中庭に面した席に座りモーニングセットを注文する。 店内のアンティーク調の調度品に静かに流れる音楽と暖炉の火のゆらぎ。 居心地が良すぎる。 ちょう

          旅の記憶 ~ GRⅢで撮る現代アートの聖地青森 ② ~

          旅の記憶 ~ GRⅢxで撮る現代アートの聖地青森 十和田編~

          テスト勉強の最中、患者さんにもらった深夜特急を読んで無性に旅がしたくなり、夜行バスとフェリーがセットになった切符を取ったことを以前書いた。 行き先は現代アートの聖地ともいわれる青森である。 ちょうどその時青森県大美術館では「奈良美智展」がやっており、そこを旅の最終目的地として、あまり予定を立てずに青森に向かった。 旅と旅行の定義の違いがあるとしたら「予定調和」か否かなのかもしれない。当然仕事をしている身としては完全な「旅」は難しいのであるが、今回はレンタカーなどせずに地元

          旅の記憶 ~ GRⅢxで撮る現代アートの聖地青森 十和田編~

          日本人で在ること。 ~ アマテラスの暗号から読み解く日本論 ~

          4月1日。 久しぶりにキーボードに向かっている。 12月の試験を終えて、ベタに燃え尽き症候群となった私はしばらくPCの前に座ることをやめて、読書やドラマの視聴に勤しんでいた。 資格をとったからといってこの先の未来が決まったわけではない。むしろ選択肢が増えたことによって悩みも増えてしまった。 その思考から逃れるように、ひたすらインプットに費やした日々であった。 先日、いつものように目的もなく本屋をぶらついていると「ダ・ヴィンチ・コードを凌ぐ!」というポップとともに伊勢谷

          日本人で在ること。 ~ アマテラスの暗号から読み解く日本論 ~

          騙された人。

          普段、慎重に生きていて、ネットショッピング1つ買うのにも慎重な妻が詐欺にあった。 インスタで流れてきた広告で某無○良品のネット販売に関するものだった。 通常の8割引ほどの値段で売っていた化粧水やパジャマなど数点をそのサイトから購入してしまったのだ。その被害額は8千円程度であったが、冷静にみればいかにも怪しい、普段なら絶対に引っかからないようなものだが、実際に引っかかってしまったその理由について考えてみた。 最近になってやっとインスタを使うようになった妻。 SNSに関する

          「君たちはどう生きるのか」という思考

          もう数年前から進化型組織作りについてやれやこれややっているけど、なかなか皆の意識が変わらない。 意識を変えるのは時間がかかるというが、こびりついた生き方やバイアスからどうやって抜け出せばよいのか、頭を悩ませている。 進化型組織とは一人ひとりが現場の変化を察し、自分の頭で考え、意思決定を行い、時代の変化に合わせながら適応していくスタッフ自律型組織構造を指すが、ここで大切なのは「正解がない」ということ、つまり責任の重さも自分にかかってくることになる。 もちろん、企業風土や組織

          「君たちはどう生きるのか」という思考

          俺っていい人だったんだ。 ~ いい人すぎるよ図鑑 ~ 

          先日SNSを眺めていると「いい人すぎるよ展」なるものの写真が流れてきた。 ちょうどその日に中腰で集合写真を撮ってたこともあってピンポイントすぎて家族にその写真を送った。 そのイベントは東京だし、もうとっくに終わってたんだけど、家族で気になるね、行きたいねって話してた。 今日、本屋に行ったらこの「いい人すぎるよ展」をそのまま本にした「いい人図鑑」が売っていたので、これは買わなきゃと思ってレジに直行した。 さっそく中身を読んでいると「え、これって普通じゃん」って思えることが

          俺っていい人だったんだ。 ~ いい人すぎるよ図鑑 ~ 

          合格と承認。

          大学に在籍の頃、明確に見えていた景色。 自分がスポーツの現場で選手のために活動している風景。 理学療法士として病院に勤務する傍ら、スポーツ現場で経験を積み、人からみれば今の自分は自分のやりたかったことを全部叶えた幸せな人生を歩んでいるように思うのだろう。 たしかにその通りだし、そうなるためにこれまで積み上げてきたものがある。 ただ人が思うよりも順風満帆ではなかったし、比べてみればもっともっとうまくやっている人もたくさんいる。 あの頃夢見ていた風景には近づいたけど、あの景

          考えるな、感じろ。

          言葉は「伝える」手段だが、完璧ではない。 当てはまる適切な言葉がなければ、それを人に伝えることは難しい。 私の陳腐な語彙力では、きっと私が感じたことを正確に伝えることは不可能である。 なのに私はこうして書いている。 書いているということは、誰かに何かを伝えるためである。 人はきっと、自分の感覚を共有したい生き物なんだと思う。 共有することで、生き残ってきた生き物ともいえる。 集団でまとまって生活して、社会をつくって、生きていくなんて皆が同じ思いを共有できなかったら不可能だ

          旅の記憶 ~ GRⅢxと歩く函館 ~

          12月、講習会のために一人函館へと旅立つ。 一人でJRに乗っての長旅なんていつ以来だろうか? もともと電車は好きだ。 札幌-函館間はおよそ4時間、昔の記憶では社内販売や、途中の駅で駅弁売りがあるなどあった記憶があったが、現在はなくなってしまったらしい。 そして、列車内も土曜日だというのに空きが目立つ。 そして乗っているのほとんどが海外の旅行者であるようだ。 時代とはいえ、少しセンチメンタルな気分になった。 しかし、何度も函館には行っているので車窓からの風景も見慣れたも

          旅の記憶 ~ GRⅢxと歩く函館 ~

          今年の本。

          あと数時間で今年が終わる。 なにかやり残したことがないかと探していたら、noteをしばらく書いていないことを思い出した。 12月に大事な試験があり、10月以降はその試験勉強に時間を全振りした。 全振りしたといっても、その間に職場の勉強会の資料作りや函館に呼んでいただいて講演をすることなって、その資料作りなども平行して行っていたため、試験が終わるまでの間は本当に時間がなかった。 たぶんここ数年で一番忙しい年末だったように思う。 けれど忙しいときに限って、今見なくてもよい過去

          静かな時間と心を取り戻す ~ 悲しみの秘儀 ~

          久しぶりに風邪を引いた。 10月は何やら目まぐるしく、次から次へとやることが降ってくる月であった。 自身の大切なテストを12月に控えて、その勉強をやりながら、仕事をこなし、遊びにいく。流石に体が疲れていたのか、インフルエンザのワクチンを打った後に体調が悪化、体が微熱に侵され、鼻水が止まらなくなった。 体の悲鳴を聞き、さすがにゆっくり休むことにした。 PCを閉じて、積んであった本を開く。 手に取ったのは若松英輔の著書「悲しみの秘儀」であった。 10月初旬、近所に札幌では珍し

          静かな時間と心を取り戻す ~ 悲しみの秘儀 ~

          我が家の哲学、「幸せ体質をつくる思考法」

          常日頃、子供に言い続けている「幸せ体質」になる、そのために必要な思考とは何か。 その最たるものは「何かのせいにしない」ことだと思う。 これは妻も私も昔から子供には言い続けてきている言葉である。 とにかくウチの子は昔からミスをしたときに「何かのせい」にすることが多かった。 誰かが言ったから、友達がこうだったから、時間がなかったから、環境が整ってなかったから・・・ 「なにかのせい」にするということは責任の放棄であり、決断の放棄である。 もちろんこれは自己防衛反応の1つだと

          我が家の哲学、「幸せ体質をつくる思考法」