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合格と承認。

大学に在籍の頃、明確に見えていた景色。
自分がスポーツの現場で選手のために活動している風景。

理学療法士として病院に勤務する傍ら、スポーツ現場で経験を積み、人からみれば今の自分は自分のやりたかったことを全部叶えた幸せな人生を歩んでいるように思うのだろう。

たしかにその通りだし、そうなるためにこれまで積み上げてきたものがある。
ただ人が思うよりも順風満帆ではなかったし、比べてみればもっともっとうまくやっている人もたくさんいる。

あの頃夢見ていた風景には近づいたけど、あの景色ではないんだ。

スポーツトレーナーという資格は厳密にこの日本には存在しない。
誰もがスポーツ現場でそれと認められればトレーナーになれる世界だ。
だからただただ運が良いだけで実力が伴ってないトレーナーたちもたくさんいるのが実情だろう。

日本におけるトレーナーは非常に様々なバックボーン(別の資格:理学療法士、作業療法士、コンディショニング系資格、鍼灸、柔道整復などなど)を持って活動している。

海外でトレーナーというとほとんどは国が認め、社会的認知やステータスの高い職業である。
そのほとんどが大学を出て、修士課程のような2年間の勉強が必要な資格になるため、そのようになる。

そんな日本において唯一といってもよい、それら海外のトレーナー資格に匹敵するトレーナーの認定資格が日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO‐AT)という資格である。

匹敵するというのだからその取得のハードルも非常に高い。

学生の頃、思い描いていたのが、PTとJSPO‐ATのダブルライセンスの取得であったのだが、30歳までに取得するという目標が気づけば42歳になっていた。

この資格の取得には養成カリキュラムのある大学に在籍する以外には各都道府県スポーツ協会や競技団体からの推薦が必要で、この推薦を得るのがとても大変なのだ。

一度はあきらめかけた夢であった。
そんな資格がなくてもトレーナーとしてやっているけるとの自負もあった。
でもちゃんと自分が今までやってきたことが正しかったのか、その証明書も欲しかった。

2022年、やっとその一歩を踏み出すことができた。
その喜びを噛み締めながら、1つ1つ講習を受け、働く傍ら、教科書や参考書と格闘して勉強して、昨年末、最後の試験に臨んだ。

先日、その結果が届いた。

「合格」

あの頃思い描いていた風景の最後のピースが埋まった。
ここがゴールではない、やっとスタートラインに立ったんだ。

これでやっと私は堂々と「トレーナー」を名乗ることができる。

今週末は合格してからはじめて「トレーナー」の仕事をしてきた。
どこかうしろめたかった「トレーナー」という呼ばれ方も、いまはなぜかしっくりくる。

「合格」は私にたしかな承認をくれ、それは新たな自信になった。

「承認」が与える力は絶大である。

そう考えると、「いいね!」とボタンを押す行為もとても素敵なことのように思えてくる。

今後はSNSで自分がいいと思ったら迷わず♡を押そう。
後輩達が頑張っていたらそれをきちんと認めてあげよう。
子供の意見にもきちんと耳を傾けよう。

きっとその行為は誰かの「自信」を育み、生きていく力になる。

#トレーナー #生き方 #コーチング   #人生論 #幸福論





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