あの日、君は何をした(2020/07/07)/彼女が最後に見たものは(2021/12/07)~まさきとしか【読書ノート】
内容としては、一応1部と2部という形で分かれており、1部の方が2004年の事件の話である。ある警察署で殺人事件で逮捕された男が警察署内から逃げ出すという事件が起こる。警察が懸命に捜索している中、自転車に乗った怪しい男が発見され、警察官の職務質問を受けることになる。しかし、その男は犯人とは無関係の男子中学生であり、職務質問を受けた際にいきなり逃げ出し、追跡中のパトカーによってトラックにはねられて亡くなる。その後、逃げ出した犯人は捕まるが、なぜその男子中学生が逃げ出したのかは謎のままである。1部は逃げ出した犯人ではなく、逃げて亡くなった男子中学生の母親の話が中心となる。
2部は15年後の全く関係ない事件の話で、あるアパートで24歳の女性が首を絞められて窒息死しているのが発見される。警察は女性を殺した犯人を捜索するが、その中で女性の同僚の男性が同時期に行方不明になっており、重要参考人として捜索される。この作品では1部と2部の事件が重なり合い、共通点を持っているかのように進んでいく。物語は終盤まで繋がりが明らかにならず、最後の最後で全てが明らかになる。作品の展開としては、家族がキーワードとなり、1部では男子中学生が深夜に外を彷徨い、警察に職務質問された際に逃げ出した理由、トラックにはねられて亡くなった理由などが謎として提示される。2部では殺された女性の同僚である男の奥さんが夫の失踪に無関心である一方で、疾走している男の母親は過干渉であることが描かれる。物語の終盤では謎が解明され、物語の真骨頂が明らかになる。
この作品は後半の展開が特に魅力的で、読む人によって様々な面白ポイントがあるが、展開のクライマックスが特に印象的である。また、この作品は家族に対して思い入れがある人に特におすすめできる。ただし、作品の帯や裏表紙の書店員の声は、可能な限り読まずに物語を楽しむことが推奨される。前情報やネタバレを避けて読むことで、物語の醍醐味をより深く味わうことができるだろう。
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