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リバース/湊かなえ(2015/05/20)【読書ノート】

深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れる事だ。そんな深瀬が自宅以外でリラックスできる場所といえば、自宅近所にあるクローバーコーヒーだった。ある日、深瀬はそこで、越智美穂子という女性と出会う。その後何度か店で会ううちに、付き合うようになる。淡々とした日々が急に華やぎはじめ、未来のことも考え始めた矢先、美穂子にある告発文が届く。そこには「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていた――。何のことかと詰め寄る美穂子。深瀬には、人には隠していたある”闇”があった。それをついに明かさねばならない時が来てしまったのかと、懊悩する。
夜行観覧車』『Nのために』のスタッフが結集し、本作『リバース』は2017年にドラマ化。主人公の深瀬和久には藤原竜也。恋人役には戸田恵梨香。深瀬の親友、広沢由樹には小池徹平。深瀬の大学時代のゼミ仲間には市原隼人、玉森裕太、三浦貴大など出演し話題になった。

湊かなえの『リバース』は青春ミステリーで、大学生6人のある夏の出来事を描いている。この物語では、夏の出来事が思わぬ方向に進む。物語の中心は、学生時代に特定の事件を経験した男性で、当初は事故だと思っていた出来事が実は事件だったことに気づく。ある夏、長野の自然豊かな村にある休業中のスキー場近くのペンションに4人の大学生が宿泊する。主人公は学生時代の思い出とその事件について再び知りたくなり、調査を始める。その過程で多くのことに気づき、ある行動を起こそうとする。主人公の感情は、反省や後悔に満ちている。
ある夜、大雨の中で遅れてペンションに向かおうとした1人の仲間が事故に遭う。この事故が事件と結びつき、主人公は罪悪感に苛まれる。この告白は読者に強い印象を与え、物語に対する興味を深める。『リバース』は、驚きや感動だけでなく、緊張感やゾワゾワするような雰囲気を持つ物語である。

平凡なサラリーマンである深瀬和久は近所のクローバーコーヒーに通うのが趣味だ。コーヒーが大好きで、毎日仕事帰りに寄る。そこで本を読んだり、コーヒーを飲みながらマスターと話をするのが日常であった。ある日、最近常連となった越智美穂子との交流が始まる。深瀬は幸せを感じていたが、突然、職場に深瀬和久は人殺しだと書かれた告発文が届く。ついに過去を打ち明ける時が来たと考えた深瀬は、ある夏の思い出を語り始める。それは3年前の夏、大学4年生の時のことで、兄の友人たちとメンバーの一人が持つ別荘へ泊まりに行くことになった。一人が急用で遅れ、後から合流すると言ったため、他のメンバーと先に別荘へ向かう。到着後、予報通りの嵐が始まり、雨が強くなる中、遅れていた一人が合流するための助けを求めてきた。しかし、その人は車で迎えに来てほしいと言い出す。みんなが酒を飲んでいたため、タクシーで来るよう言うが、それが難しいらしく、結局一人が車で迎えに行くことになる。
この出来事は後に大きな転機となり、告発文の送り主やその夏に何が起こったのか、深瀬は真実を知ることになる。この物語は犯人探しの要素が含まれており、真犯人が明らかになる瞬間の驚きや複雑な感情が描かれている。読者はこの謎解きを通じて、人間関係の真実や友情の深さについて考えさせられる。
この話の背景には、作家に対する特定のお題に基づく作品作りの挑戦がある。この小説「リバース」は、そういったお題に答える形で書かれたもので、その過程で作家自身も新たな発見をすることになった。お題の内容は物語の核心に関わるため、事前に知ることなく物語を楽しむことが推奨される。また、「リバース」というタイトルには、物語の転換点や人物関係の逆転など、多くの意味が込められていることが示唆されている。



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